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今更、いやですわ  作者: 朝山 みどり


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18 配役

 執務は、夜会の時に助けた縁で王宮に引き取った、メアリー・テイネン子爵令嬢とタバサ・ミントス男爵令嬢が、勉強に忙しいのに手伝ってくれるようになっている。


 元王太子の侍従だったダラス・ハワードもたよりになる。演劇に使う時間はたくさんある。あるけどいやだ・・・・



 そう思いながら、城内を散歩していると鮮やかな赤毛が目に入った。すらりと背の高い少女が庭のあずまやの掃除をしていた。


 エリザベートは少女を見てすぐに前を向いて歩き出したが、あっと閃いてもう一度少女を見た。


 ここに相手役がいた。すぐに声をかけたかったが、影響も大きい。そっとエリザベートは立ち去った。



 さて、ロザモンドたちの出演はあたりまえだ。エリザベートはどれくらい覚えたかなと様子を見に行った。


 するとあの少女が居間の掃除をしており、ロザモンドたちは庭でお茶を飲んでいた。


 エリザベートはそっと彼女の様子を観察した。彼女はゴミ箱からなにかを見つけるとそっとポケットにしまった。


 あっと思った時、ガタっと大きな音を立ててしまい、少女は振り返り、エリザベートを見ると頭を下げて固まった。


「楽にして、驚かせたわね。ごめんなさい。立って頂戴。それじゃ話ができないわ」


 少女は恐る恐る立ち上がった。エリザベートは少女が怖がらないように


「咎めるのじゃないのよ。ゴミ箱から拾ったのはなぁに?」と聞いた。


 少女の顔が引きつったので


「ちょっと知りたいだけ、いいのよ。ゴミ箱なんだから」


 少女がポケットから出したのは、エリザベートが台本を書くに当たって書き散らした紙だった。


「配役 衣装 妖精がキスした目 美しい花に集る蜂じゃあるまいし、彼女を汚してはならない


 剣戟?? 塀を乗り越える 季節の挨拶 空の青さにまさる瞳 バラに比べたい赤いくちびる


 気高き剣筋? 優雅に歩む春風に似た愛しの君 」


 自分で書いていて目まいがする・・・


「それ、綺麗だから字の手本にしようと思って・・・です。いいですか?ございます?」


「もちろん、かまわないわ。字の練習をしてるの?」


「はい、うえの人が教えてくれま・・ございます」と少女はちょっとだけ誇らしそうに答えた。


「そう、うえの人はいい人ね。わたくしからもその人にお礼を言いたいの一緒に行ってもいい?」


「はいで・・・す?掃除が終わるまで待ってくれま・・・くれましたで・・」


「もちろん、待つわ。終わったら教えて庭にいるから」そう言うとエリザベートは庭に出た。


 エリザベートの姿を見てロザモンドは慌て、キャリーはほっとした。


「お姉様、お茶が終わったらお勉強しようと思ってました」とロザモンドが言うと


「そうでしょうね。わかってるわ」と答えるとガーベラがお茶を持って来た。


「ケイト、お使いに行って」と呼べば、ケイトがのろのろやって来た。


「これを王太子殿下の所へ持って行って頂戴。返事を貰って帰って来てね」と封筒を渡した。




 そこに少女がやって来たので、エリザベートは


「あなたたち、ちゃんと勉強しておいてね」と席を立った。



 少女のうえの人と話したエリザベートは少女とその友人を仕事はそのままで、貰い受けた。


 赤毛の背の高い少女はフリージア。友人は茶色の髪でアネモネと言った。


 フリージアは背の高さを活かしてヒーロー役。友人は悪役の端役をやって貰うつもりだ。二人を貰ったのは一人だとフリージアが心細いかなと思ったからだ。



 ロザモンドはヒロインの侍女・・・・いつも逃げ出すヒロインに困る役。


 侍女は全員、ヒロインの家の使用人、妊婦さん、お菓子で泣く少年を交代で演じる。


 侯爵夫人にも出て貰う。ヒロインの家庭教師の役だ。


誤字、脱字を教えていただきありがとうございます。

とても助かっております。


いつも読んでいただきありがとうございます!

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どうぞよろしくお願いいたします。



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