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吐き気

作者: 仮:綴

 気持ち悪い、恐ろしく気持ち悪い。

 突然すべてを嫌うかのように。気は荒れ再び姿を消そうと、そう求める。

 忘れてしまおう。逃げることしかできないのだろうか。そうかもしれない。

 だが、腕も、言葉も振り切って進まなければ、ここから先へと歩みだすこともできない。この呪いを断ち切り、進みださなければならないのだから...。

 あるいは、背負いし十字架である。このとても重い荷物を抱えたままでは、満足に足を進めることなど叶わず。どこかへ置いていかねばならない。そのどこかが、たまたまこの場所であったというだけのことだ。それ以上でも、それ以下でもなく事項は存在する。

 雪でも降ってくるのではないか、そう思わせるほどの倦怠感がそこにはある。

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