悪役令嬢を知らない作者が書いた悪役令嬢の話
「おーほっほっほっほ!このスターリングシルバーとカウレザー製の首輪(推定価値50万フラン)を付けた小さくて可愛らしいキャバリア・キング・チャールズ・スパニエル(推定価格1300万フラン)がどうなってもよろしいのかしら?」
「な、なんて極悪非道なの!私の大切なスターリングシルバーとカウレザー製の首輪(推定価値50万フラン)を付けたキャバリア・キング・チャールズ・スパニエルちゃん(推定価格1300万フラン)を返して!」
「おっと、それ以上近づくと、この天使の彫刻があしらわれた純銀製グローブストレッチャー(推定価格25万フラン)がキャバリア・キング・チャールズ・スパニエル(推定価格1300万フラン)の目に突き刺さりますわよ!」
「やめて!そんなことはしないで!一体何が目的なの?」
「あなたが大切に隠し持っている739個のブリリアントカットダイヤモンドと149個のバトンカットダイヤモンドがちりばめられているヘイロウ・ティアラ(推定価格54億フラン)を渡しなさい!」
「な、なんですって!どうして私が739個のブリリアントカットダイヤモンドと149個のバトンカットダイヤモンドがちりばめられているヘイロウ・ティアラ(推定価格54億フラン)を隠し持っていることを知っているの!?」
「そんなことどうだっていいじゃない、さあ早く…痛っ!」
「今よ!ビション・ア・プワル・フリーゼちゃん(推定価格320万フラン)とヴァイマラーナー・フォアシュテーフントちゃん(推定価格500万フラン)!やっておしまい!」
「ま、まさか…キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル(推定価格1300万フラン)の他に、ビション・ア・プワル・フリーゼ(推定価格320万フラン)とヴァイマラーナー・フォアシュテーフント(推定価格500万フラン)まで飼っていたなんて…さすが公爵家(推定総資産450億フラン)…でも、これで終わったと思わない事ね…この借りは必ず返すわ!覚えてなさい!」
「待ちなさいっ!!」
颯爽と逃げていく悪役令嬢の姿は、あっという間に闇に消えていった。