孤独な6日目
お久しぶりです。ゴタゴタが終わったので投稿します。
ーーダアアアアアアン!
日が落ちようとする時間帯、突然剣と魔法の世界に似つかわしくない銃声が響く。
「ギャアッ!!」
「はぁはぁ···あっぶねぇ···」
撃たれて苦しむ羽山陸と南部14年式を撃った張本人の田村雄太。
いや、本当に危なかった。何でちょっと煽った位で思い切り斬りかかってくるんだよ。ホントに。
「ぅぅ···何で···銃なんて物を···グハッ!···持っているんだ···」
撃たれて地面に倒れたまま言う羽山。
確かに普通の高校生は銃なんて持ってないよね。まあここは適当に答えておこう。どうせ相手は怨みのある陽キャだし。
「死んだ元憲兵のじいちゃんの形見だ。」
「···何で···お前は···ぐぅっ···躊躇いもなく撃てた···!?」
あっ。形見(という設定)とはいえ持ち歩いていたことに対しては触れませんかそうですか。
「殺されそうなのに相手を殺してはいけない理由が分からないなぁ。」
これは本心だ。殺されそうなのに殺すことを躊躇っていてはこっちが死ぬ。
中学生のとき、家に侵入してきた強盗を台所の包丁で滅多刺しにして以来、殺らなければ殺られることはよーく分かった。まあ詳しいことはまたいつかお話しよう。
さて、問題はまだ生きている羽山だ。
自分は「世界の発展」の為、魔族側につくと決まった今、コイツは自分の明確な敵だ。(元々陽キャは敵だが。)
···トドメを指しておくか。
そして銃口を羽山に向ける。
「···さようなら、カースト底辺に殺された憐れな陽キャさん?」
ダアアアアアアン!!
「ふぅ···やったか?」
あ、やべ。フラグ発言、言っちゃった。
念のためもう一発撃っとこ。
ーーダアアアアアアン!
ようし、これでよし。
さて、これからどうしようかな。
とりあえず今の状況を整理しようか。
えーと、この世界では魔族側につく。
勇者の最も強そうな羽山を殺した。
自分は何でも作れる。
即死段幕を撃てる。
···うん、とりあえずこの城から速やかに脱出しよう!
というわけ(?)で、カルロベローチェことCV33を『ぼっち工業地帯』で作成っと。
ポンッと音を立て現れるカルロベローチェ。
はい、できた!この速さにはインスタント業界もビックリ!その間たった30秒!
さぁて、さっさと乗り込んでエンジンかけてっと。
ーーヴヴヴヴヴ····!
ようし、掛かった。ふっふっふ。前の世界で伊達にミリオタをやっていたわけではないのだよ。
「おい!なんだ!さっきの音は?」
「城の中庭からだ!行くぞ!」
おやおや、さっきの銃声で怖い衛兵のおじさん達が動き始めましたか。
「おい!あれをみろ!」
「勇者様が倒れてるぞ!」
「であえであえ!!」
おうふ。見つかっちった。ヤバイなぁ(棒)
そんな事を考えていると、目の前に数人の鎧兜を纏った衛兵のおじさん達が現れた。
「勇者殿!」
「お前が勇者様をやったのか!?」
おっ。正解正解。よくわかったね。
「···だから何?」
自分の言葉に怒りを露にする衛兵のおじさん。
「いくら勇者様の一味でも殺害は有罪!勇者でも覚悟せぬ!引っ捕らえい!」
向こうから斬りかかってきたのに、ひどいなぁ。裁判もなしですか。
あ、衛兵のおじさん達が剣と槍を持ってジリジリと近づいてくる。
しゃーない。反撃しますか。
さっとさっきのカルロベローチェに乗り込み素早くハッチを閉める。
「おい!勇者ともあろうお方が鉄の箱に閉じ籠ったぞ!」
「まじかよw!それでも勇者かぁ!?」
煽り立てる衛兵達。
うぜぇ。今に見てろ。えーっと機銃弾、装填っと。
ーーガシャン!
ようし。機銃を前にいる衛兵達に向けてっと。
ーーダカカカカカカカカカ!!
キィン!キィン!ドチュッ!!
「グハッ!」
「ウアッ!!」
「ギャアッ!!」
おうおう。効いてますねぇ。8ミリ機銃。
さっすが対人用の戦車。あっという間にミンチの山の出来上がり。生きてる者は一人も居ません。
「···さて、厄介なモブも倒したし、脱出しますか。」
C4爆弾を作成し、城門の近くにおく。
「発破ぁ!」
そう言ってリモコンの起爆スイッチを押す。
ーーズドオオオオン!
城門を爆破し、カルロベローチェで城門の残骸を乗り越え、城の外にでる。
「待ってろよ。自分は魔族側につく。次戻ってきたら跡形もなく消し飛ばしてやるからな!」
雄太は他の勇者達のいる城に向かって叫び、城から脱出した。