孤独な5日目
どうもお久しぶりです。間が空きましたが投稿です。
「ですよね!ぼっちの何がわるいんですかねぇ」
「ぼっちとは孤独耐性を持つ貴重な存在なんだ。むしろ喜ばしいものである!」
「同志ユータ万歳!」
あっ。どうも、田村雄太こと自分は今、ぼっちの女神様であるルーシャンさんとぼっちについては熱く語っているところだ。
「いいかね。私は生まれてから16年この方友達の一人もできたことはない。しかしぼっちは決して悪いことではないのだ!
For example! 他人に気を使う必要はないこと!」
「ですよね!何で赤の他人に気を使わなきゃいけないんですか!」
賛同するルーシャンさん。
「更に更に!ステルス能力だ!これにより、変な同調圧力に屈することなく、迅速に帰宅できるのだ!」
「帰宅こそ我が至高の一時です!こっちにも学校的なものはあるのですが、私はいつも終わったらすぐにここに来ます!そしてこのゲームで遊ぶんです!」
「このゲーム?」
「はい。最近神々の中で流行っている『世界を作ろう!』ってゲームなんです。そのゲームの世界が雄太さんのいる世界ですね。」
ルーシャンさんから衝撃の事実が告げられる。
「え?自分、ゲームの世界に転生したの?」
「まあそんな感じです。ただこのゲームは実際に世界を作れるんですが、ミスって魔王軍のパラメーターを少々···」
おうふ。
「このままだとゲームオーバーになっちゃいそうなんで、私の本垢の世界である地球から少々···」
「地球ってルーシャンさんのゲームの本垢だったのかよ···」
ってことは他の神様のアカウントで世界ってあるんだ···
「ってことで雄太さん。お願いしますね!」
「了解!任せたまへ!」
「いやー。よかったです。チートも差し上げたのでフルにつかってください。そして私のゲームのデータを···!?」
救うのは異世界の人命ではなくルーシャンさんのゲームのデータなんですね。はい。
「じゃあそろそろ元の世界?に戻りますんで。」
「あっはい。では宜しくお願いします!」
「ではテレポート!」
ヒュンッ
辺りを見渡すと自分の部屋が。それも異世界の。
窓からは赤みがかった空が見える。
あ、戦闘訓練サボってやったぜ。
陽キャの方達とはやりたくないです。
だってみんな強そーなチート持ってんだもん。
まあ自分の『弾幕スペルカード』と『ぼっち工業地帯』ほどじゃないか。
『弾幕スペルカード』に至っては当たったら即死だもん。
HPってなんだろうね。
まあいいや。寝よう。
自分が寝ようとしたときだ。
ドンドンドン···
激しくドアがノックされる。
なんなんだよ一体。
「···はい。」
じゃっっっっかんイラつきながらドアを開ける。
「···なあ田村。何で今日の戦闘訓練に来なかった?」
おうふ。誰かと思ったらうちのクラスの陽キャの中の陽キャ、葉山陸君ジャナイデスカヤダー。と言うか自分って葉山に認識されてたんだね。知らんかった。
「···いきなり異世界連れて来られて戦闘訓練なんてできねーよ。」
とりあえず適当な嘘でごまかしておこう。
「···確かにそうだな。すまない。落ち着いたら参加してくれ。」
ほう。ずいぶんあっさり引き下がるな。だがしかし!自分は戦闘訓練に参加する気は一切ない。
「···何で自分達みたいな無関係なのがわざわざよく知りもしない異世界のために戦わないといけないのか。」
ちょっとよく分かんないですねぇ。
「···気持ちは分かるがこの世界の人々は助けを求めている。助けをさしのべようぜ?」
自分の言葉に怒りを隠せない葉山。そして偽善者か、おまえは。
「そうか···」
「分かってくれたか?」
は?ちょっとおっしゃってることがよくわかりませんねえ。
「···しるか。」
「なっ···お前な!」
「この世界の人が困っているのはわかった。」
「なら!?」
「しかし自分がそれをする義務はない。」
ルーシャンさんはパラメーターをミスったと言った。そして自分はこう提案したのだ。
「もういっそのこと魔王軍に統一して貰おうぜ。」と。そしてルーシャンさんもこの事に同意済みだ。
ルーシャンさんのゲームの目的はこの世界を発展させることだ。別にヒトによる発展が目的ではない。最終的に発展すればそれが魔王のものでもいいのだ。
そして自分の言葉によって葉山は完全にお怒りモードだ。
「ふざけんなぁ!」ドゴォッ
いっってえぇ!殴りやがった!
「確かにお前にとっちゃ知らん人かもしれない!でもな、困ってる人間を見捨てるなんて人でなしがぁ!」
ヤバい!あいつ剣を抜きやがった⁉️
えーっと武器武器!何かないか!
···あったわ!
とっさに制服のブレザーの内ポケットにてを伸ばす。
そして···
ダァァァァァァァン!·······