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#3 長田大の場合

僕は顔が怖くて、初めて会った人にはいつも怖がられる。


そして、身長が191センチもあり、体重は100キロある。


身体がただ大きいだけではなく筋肉もそれなりにある。


断れない性格の僕は友達に誘われた力仕事系のアルバイトで扱き使われて筋肉がついた。


33歳の今も辞められる空気ではない。


長田大という名前も僕を苦しめた。


長身の大きな身体に合っていると言う人もいる。


でも、心が小さくて弱い僕には合っていない。


名前と見た目に似合わない性格と運動音痴を持っている。


サッカーでは空振りずくめで、野球では運動神経が悪すぎてバットで自分を間違って殴ってしまうし、走り姿は酷評を受けていた。


僕はメジャーデビューも果たし、3枚のシングルを出した経験がある売れない歌手である。


歌うことしか取り柄のない僕に、断ることが出来ない僕に、強そうな僕に、格闘技の仕事の話が来た。


殴りたい願望もなければ、殴られたい願望も勿論ない。出来ればやりたくない。


僕は厳しい練習に耐えたが、サッカーでも、野球でも、歌手としても空振りばかりしていた男のパンチが当たるはずもない。


どうせ試合は一回限りだと思っていたので、力を全て出し切って負けて、これからは歌手に専念しようと決めていた。


だが、たまたま、まぐれで攻撃が当たってしまった。


勝ってしまったので先が思いやられる。


パンチやキックではなく歌手で一発当てたかった。


とりあえず、これからは歌手も格闘技も頑張っていく。


過去に何があったとしても今を全力で生きるしかないのだから。


レフェリーが少し怯えていたような気がしたがあの人には少しの違和感を覚えた。

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