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#2 坂菊雄の場合

僕は蹴るのが好きだ。


特にボールを蹴るのが大好きだ。


そして人を蹴ることもそれの次くらいに好きだ。


先程、強烈なキックを浴びせられて倒れた。


その時、蹴られているボールの気持ちが分かった気がした。


僕は6歳から始めたサッカーをつい最近まで続けていた。


ほぼ毎日練習をして、それなりの技術も身に付いていった。


学生時代はボールを蹴ることだけが生き甲斐だった。


全国大会へ出場して、そこでゴールも決めた。


そして、プロから注目される存在になった。


僕はスーパースターへの階段を順調に着実に登っていった。


サッカーボールを蹴ることに一直線だったあの時代。


あの時代はまだ、人を蹴る快感に気付いていなかった。


そして、サッカーの頂点も夢ではないように感じ始めていた。


だが、サッカーへの熱さや短気な性格が邪魔をした。


イライラが乗り移った足が、度々乱暴を引き起こした。


プロになることが出来たが、ボールを蹴ることよりも相手選手を蹴ることに注目が集まってしまった。


ボールよりも人を蹴ることに快感を覚え始めたのはこの頃だ。


試合に出させてもらってからあまり経たない内に故意に怪我をさせてしまった。


試合でも人間としてもレッドカードを惜しみなく掲げられた。


もちろん僕はクビになった。


サッカー選手はもう諦めようとその時思った。


すると格闘技業界から誘いの声がかかった。


僕は人を蹴ることが出来るこの職業に就くことを迷わず決めた。


今日負けたのは仕方がないことだ。


僕はこれから大好きなことが出来る格闘家として生きていく。


過去に何があったとしても今を全力で生きるしかないのだ。


それにしても、今日戦った相手は背が高くて体格が良くて強そうなのに、メチャクチャで弱そうに見せてきて、結局かなり強かったけどアイツは何者?

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