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Another Of Life Game~僕のもう一つの物語~  作者: 神城弥生
クラン「カンパニー」
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初イベント前編

 今日も空は雲一つない晴天だった。


 さわやかなランチタイム前。


 遠くに見えるフェラール山脈がとても美しく見えて森では小鳥のさえずりが鳴り響いている・・・・。


 しかしそんなさわやかな時とは裏腹に、フェラール街の外には沢山の流れ人がピリピリとした空気を醸し出している。


 今日は日曜日。イベント当日。


 時刻は12;30。


 イベント開始まで残り30分。


 僕はすでに疲れ、立ち尽くしていた……。


「それでね!!ママがね!!きょう初イベントだからって気合入れてご飯作ってくれたのよ!!カツ丼よカツ丼!!ママったら作ったことないのに頑張ってくれて、でもどう見ても親子丼なの!卵でとじられていたの……」


「おいウィル!!このカレーは絶品だぜ!!家でも作ってくれよ!!そう言えば最近行ってないなあ」


「ぶふゅ!!家でって……。そのままやっちゃうのかしら!?一緒にお風呂入ってみる??いってないって何??前はいかせてもらっていたの?」


「あんた何言ってんのよ。こらライリー!!人参も食べなさい!全く……」


「えーー!!おいしくないんだもん。もうお肉だけ食べてたいよ!リタだってケーキばっか食べてたら太っちゃうよ!!ねーユイユイ?」


「えー野菜もちゃんと食べなくちゃだめだよ!!ッニャーーー!!エリーゼしっぽを握らないでって!!」


「ん。大丈夫。エネルギー補充」


「やー、ちーちゃんかわいすぎ!!もう!!うりうりうり!!」


「ん。お姉ちゃん邪魔」


「大丈夫大丈夫。ほらうりうりうり!!」


「あんたたちもう少し静かに食べられないの?ったくなんでクマ族こんなに少ないのよ!!なんでなんでなんで!?もうみんな怒って狙撃しちゃうわよ!!」


「美女が一人……美女が二人……美女が三人……美女が……ぐふぉぉぉ!!??」


「「「「「リーーダーー!!」」」」」」


「くそ!!よくもリーーダーーを!!」


「メディーーーーック!!メディーーーーック!!??」


「り、リーダーーの心臓が動いてないぞ!!」


「「「「「「それは反対だ」」」」」」」


「えっっ!?ほ、本当だ!!動いてる!!動いてるぞ!!」


「……う、ん。はっ!!ここはどこ?私はだーれー?」


「「「「「「「「リーーーーダーーーー!!??」」」」」」


「無事で何より……」


「おい!!無事とは言えないぞ!!「私はだーれー?」って言ってたぞ!!」


「まさか、そんな馬鹿な……」


「なんだよ!!リーダーはどうしちゃったんだよ……」


「リーダーは……」


「「「「「「ごくっ……」」」」」」」


「……わからん!!」


「なんでだよ!!記憶喪失だろ!!この場合!!」


「あれ?美女がこんなにいっぱい。ここは天国かな?おーい!!俺の天使たちぐっっふぉぉ!!??」


「「「「「「リーーダーー!!??」」」」」」」


「メディーーーック!!再びメディーーーーック!!??」


「ば、ばかな……今美女達から8mは離れていたぞ……」


「また病気が重くなっている……?」


「もうリーダーは助からないのか……?」


「……そんな……。そんな事って」


「「「「あんたらうるさい」」」」


「「「「「「「ソーーリーー!!マムズ!!」」」」」」」



 やかましい。やかましすぎる……。


 僕らは城壁の上でピクニックをしていた。


 初めは「カンパニー」だけだった。

 その後アイーダが他の人にもあってみたいといい、「ダブルナイツ」を呼んだ。しかし「ダブルナイツ」と「悪魔結社」は一緒にいて、なら一緒にどうだ?という僕の提案で皆で食事にしてバフをつけ、空腹度を満たすため、料理を大盤振る舞いした。


 結果このありさまだ。大宴会場になってしまった。


「カンパニー」と「ダブルナイツ」は仲良く食べ、「悪魔結社」は少し離れたところでコントをしている。


 僕は1時間前から給仕担当ですでに疲れ果てていた・・・・。


「よっし!!食ったしそろそろ作戦通りいくか!!」

「「了解」」


「やっと始まるねーー!!」

「ふふっ!楽しみだわ」

「ん。充電完了」

「ふふっ。私も完了」

「僕はすでに瀕死」


「しゃーーいくぞテメェらーーー!!」

「「「「「「「サー!!イエッサー!!」」」」」」」


 時刻は12;45。


 やっと僕は解放された。


 作戦といっても簡単だ。攻略組でも最前線の僕ら3つのクランがそれぞれ3つの門を守るという簡単な作戦だ。


 今回フェラールの門には耐久値というものが存在する。その耐久値が0になると門が壊れモンスターが街に入り人々を蹂躙し始める。僕らはそれを防ぐのがお仕事だ。


 「ダブルナイツ」は3人しかいないので、フランジェシカがサポートに入り南門。

 「悪魔結社」は一番人数が多いので、魔物のレベルが高い北門。

 「カンパニー」は始まりの森方向の西門を守る。


 おそらく西門が一番プレイヤーが多い。そのため他が厳しくなったらすぐにアイーダにチャットを送り他に助けを求める。


 アイーダは城門の上にいる。といっても休んでいるわけではない。「叫びの杖」で最大音量にすると城門の上からでも声が届く。それを利用し、全員にバフをかけ続け自身もレベルアップを図る。


 完璧な作戦だ。(?)


 プレーヤーはほとんど全員参加している。今AOLをやっている人数は1万人。


 北門に約3000人。南門に約2500人。西門に約4500人。



 12;50


 定位置につく。エリーゼによる各種ブーストがかかる。


「お兄ちゃん大丈夫?」

「あぁ、少し休んだら全回復したよ」

「さすがウィル」

「ん。さっきはご苦労様」

「一番頼りにしてるからね。かっこいいとこ見せてね」


 12;52


 ~~~~♪~~~~~♪


 アイーダの歌が西門に響き渡る。


 プレイヤーの体がうっすらと光はじめバフがかかる。


 応援の歌

 STR,DEF、微UP!!


 目の前にそんな文字が浮かぶ。


「相変わらずいい歌だな。」

「ほんとだねー!!さすがアイーダ!!」

「ん。いい歌。」

「ほんとにいい声してるわね。」

「「カンパニー」の一員なんだから。これくらい当然よ。」


12;55


他のプレイヤーにもバフがかかり、ざわざわとし始める。


「な、何だこの歌は」

「きれいな歌声ね……」

「……見ろ!バフがかかっているぞ!!」

「……ほんとだ!!俺もだ!!」

「……私もよ!!」


 うまくいったみたいだな。


「しかしいったいどこから聞こえるんだ……?」

「こんなにはっきり聞こえるからそう離れていないんじゃない?」

「……きれいな声だ……。俺ファンになっちまった……。」

「……俺もだぜ!どこだ、どこにいる?」

「……私もよ!なんだか頑張れる気がする」

「……そこなの?お礼が言いたいわ!!」


 仕方ないな……。


「あーー!あんなところにいるぞーー!!」


 僕は棒読みで叫ぶ。


「なんだ?……あんなところからだと!?」

「あんなところから?どうやって。」

「何かの魔道具じゃないか?」

「声を大きくする魔道具か!!??」

「確かにAOLには歌手やアイドルのジョブは存在するからな。」

「ならその人たち用の魔道具ってこと?」


「そんなのどうでもいい。ありがとーーー!!」

「ありがとーー!!」

「「「「ありがとーー!!」」」」


「みんな頑張ってね!!私はここから歌って皆を応援することしかできないけど……。最後まで皆を応援し続けるから!!みんなのかっこいい姿いっぱい見せてね!!」



「「「「「「うぉぉぉーーー!!」」


「俺はやるぜ!!」

「「歌姫」だ!!「歌姫」が降臨なさった!!」

「「「歌姫愛してるぜーーー!!」」」

「やれる。やれるぜ俺は!!」

「俺もだぜ!!今日の俺は一味違うぜ!!」


 良かったなアイーダ。これで有名人だよ。


「血だ!!俺の刀が血を欲しがっていやがる!!」

「早く血をよこせ!!ブラーーッドだーー!!」

「俺にやらせろ!!いいとこ見せるんだ!!」

「今こそこのAOLの最終兵器様の出番だぜ!!」


 なんか変なのも湧いてきたが。

 というか開戦前から最終兵器出てくるなよ……。



ーーーーーーーーーーー

13;00になりました


これよりイベントを開催いたします。


ルールは公式HPで公開している通りです。


・フェラールを守ること

・フェラール門には耐久値が付き、0になると壊れる

・伯爵邸までモンスターが入り込んだら敗北

・死に戻りした際、1時間のペナルティ

「1時間の戦闘不能時間」「戦闘不能から回復後30分のステータス半減」


・勝利条件

「モンスターを率いているボスを倒すこと」


以上になります。


皆さま頑張ってください。

ーーーーーーーーーーーー


こうして初イベントが始まった……。



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