新たな仲間
「なんだ。もう王都に来てたのか」
「あぁ。ちゃんとクラン「ダブルナイツ」も作ってきたぜ!」
「おおっ、ホームは買ったのか?」
「西地区、中流階級の方にな!セールで安くなってたんだ!!40万G!!5万も安くなってたんだぜ!!」
僕達は半額以下だったのは黙っていこう。
「なんで俺たちのホームよってくんなかったんだよ?」
「城のストーリークエストの後、すぐボーズの街に行ったんだ。そう言えば日曜日何かあるか?」
「日曜日?特に何も決まってないけど」
「日曜日にレイドボスにアタックするつもりなんだ。今そのために動いていてな。人数は16人。相手はクラーケンらしい」
「ってことは海の上?」
「あぁ。「悪魔結社」って聞いたことあるか?」
「あぁ、ユイたちから」
「そいつらが見つけたクエストなんだが、まず船を借りる信頼を得るために日曜日までかかってしまうんだ。その後レイドボスにアタック。楽しみだなぁ」
「まぁアイリスたちが喜びそうな話だが……。俺たちでいいのか?」
「あぁ、お前たちは今のところ最前線にいるしな。それに今回は知り合いだけを集めてやろうって話をしているんだ」
「一応皆に確認してからでいいか?」
「もちろんだ」
「もちろん僕たちもいるからね!!」
「よろしくね」
「私も行くから」
「えっナギもいるの?」
「あぁ今回は「秘密結社」「カンパニー」「ダブルナイツ」とナギでいくことににしたんだ」
「ナギは戦えるの?」
「まぁ今回は回復役ね。それに「海×男たち×タコのぬるぬる」なら=行くしかないじゃない。みんないっぱい攻撃食らって平気だからね?」
絶対攻撃は食らうまいと心に決めた僕だった。
「しっかしいいものもらったねぇ」
「ほんと、それに今回のレイドで船が使えるようになるんでしょ?」
「みたいだね。これでやっとシークレットゾーンに行けるようになるな」
「ん。それよりニャーはまだ?」
「もーーまだよエリーゼ。かわいいんだから!!」
場所はカンパニーホーム。
貰ったカードというのは昨日王様のサイン入りのギルドカードだ。このカードは以前使っていたカードから引き継いである。倒したモンスターの数が記載は当たり前、国境を超えるときどの国でも無料。貴族しか入れないような施設の入場許可、船などの乗り物に乗るとき9割が王国が負担、という便利な証明書にもなる。
そしてニャーとは昨日王様が約束してくれたメイド3人だ。それと一緒にもらった10万Gはメイドに渡しホームの設備の為に使ってもらうことにする。
これでようやくクエストが一気に解消し、すっきりもした。
残りのクエストは……。
ーーーーーーーー
クエスト、【魔物を大量討伐しよう】
大国外、内に限らずモンスターを大量に討伐せよ。
数により報酬が変わってくる。
100体ーー10000G
1000体ーー50000G
5000体ーーミスリル鉱石、10000G
10000体ーー…………
ーーーーーーーーーーー
シークレットクエスト【聖なる花畑】に指輪を付けていこう
報酬
???
ーーーーーーーーーーー
この二つだけだ。
今後の予定は、今日は水曜日。メイドたちとのあいさつにコミュニケーション、家具などの買い出し。木曜日~土曜日にかけて廃教会に挑戦、ボーズの街に移動、日曜日のレイドボスのアタックになる。
クエストの一つ目は常時発動型のクエストだ。気にする必要はない。
これで用事はなくなりまた自由に動くことができる。やはり用事が減るとなんか落ち着くな。
コンコンコン………‥
「失礼しますニャ。王城より参りましたメイドでございますニャ!」
‥…ほんとにニャというんだな。エリーゼが神官とは思えない速度で動く。
「どうぞニャ。よく来たニャ」
お前はエルフだ。
「初めまして。私がメイド長を務めさせて頂く獣人猫族メアリーですニャ。こちらが妹のアン、ニャ。調理を担当しますニャ。そしてこっちが獣人クマ族のリリーですニャ。庭師ニャ」
「アンですニャ」
「リリーです」
クマーとはいわないようだ。クリスそんな悲しそうな顔をするな。
黒髪黒耳を腰くらいまで伸ばしいかにも真面目そうなキレイ系クールなメイド長メアリー。同じく黒髪黒耳でボブカット。元気いっぱなお目めぱっちりアン。リリーは茶色のショートカットに小さな熊耳が生えている。元気なお姉さんタイプだ。
「わざわざありがとね。私が「カンパニー」クランマスターのエリザベスよ」
「僕が副マスターのウィル。よろしくね」
「私も副マスターのエリーゼニャ」
「私アイリスだよー!!よろしくね!」
「クリスよ。よろしくね」
「ん。でも駄目ね」
「そうね。これはひどいわ」
「ほんとがっかりだよー」
「改善が必要ね」
「えっ!?何が?」
僕は何が良くないのかわからない。彼女たちも困惑の表情をしている。
「「「「服がかわいくない!!」」」」」
「「は?」」「「ニャ?」」
皆曰く、こんな古風なロングスカーㇳのメイド服はあり得ないそうだ。
「フリフリがないなんてありえないよ!!」
「ん。スカート長い」
「色も地味ね」
「生地もあんまりよくないわね」
4人が3人の周りをくるくる周り、服のチェックしまさぐる。
「あ、あの!ちょっと……。ニャ!そ、そこは。ん、あ……。」
「にゃにゃにゃ!!そこはだめにゃ!んあっ。しっぽは……。」
「あ、あの。ちょっとご主人様方。あふ。あん!あっっはっっ……。」
僕は見ない、聞かない、しゃべらない、前かがみになる。かかわらない方がいいだろう。
「わーアンちゃんしっぽふわふわーー!!」
「あら、メアリーあなたスタイルいいし結構大きいのね。あとブラはしなきゃだめよ?」
「熊耳、クマさんしっぽ、熊耳、クマさんしっぽ、熊耳、じゅるるる……」
「ん。ここがいいの?気持ちいい?もっと良くしてあげる」
「「に、ャニャ~~~~ン!!」」「あ、ああ~~~~~ン!!」
カンパニーホールに卑猥な声が響いた……。
「「「はぁはぁはぁ」」」
三人は立てなくなっていた。
「さ!!服を買いに行こう!!」
「ん。満足」
「そうね、続きは今度ね」
「なかなか楽しませてもらったわ」
かわいそうに。ここが嫌いにならなきゃいいけど……。
因みに僕は心拍数急上昇により警告が出ていたことは内緒にしておく。
「な、なぁ、初日で彼女たちも慣れていないだろうし少し休ませてあげたらどうだ?服のサイズはエリザベス、アイリス、クリスが3人と体系近いんだから連れて行かなくても図れるでしょ?」
3人は希望を見つけたような、キラキラした目でこちらを見る。そんな顔で見ないでくれ……。
僕警告が出たんだ。
君たちの声で……。
「そうだねー。ごめんね。気づかなくて」
「ん。そうね。今日はゆっくりしてて」
「そうね。ここに10万Gあるからこれで必要なもの買ったりしていいからね?」
「そうよ。遠慮しちゃだめだからね?」
「えっ??こんなにですかニャ。……わかりましたニャ。。大事に使わせていただきますニャ」
こうして命拾いした3人は笑顔で手を振り、僕らを見送った……。
「ここかな……」
「なんか汚い路地だねー」
「そういうこと言わないの。確かに汚いけど……」
「ここ本当に中流階級街なの」
「ん。ギリギリそうみたい」
中流階級街と平民街の境にある路地を進む。目的はあいさつとメンテナンスのためだ。昨日城の帰りにジャックから武器職人を紹介してもらった。
「その剣はまだ流れ人にはメンテナンスできないだろう。だからこの国で5本指に入る鍛冶職人を紹介する。だが一見さんお断りの頑固爺だ。気おつけていけ……」
ジャックからの紹介状を貰い、僕らは今とある工房の前に来ていた。
コンコンコン……。
返事がない。
「すみませーん……。カギがかかってないな。失礼しまーーうおっっ!!」
扉を開けるといきなりハンマーが飛んできた。
「誰だテメェら。誰の許可得て俺の攻撃をかわしてんだ。当たって死ね。」
無茶苦茶だこの爺。
ドワーフ族だろう。髭を胸辺りまで伸ばしたずんぐりむっくりなおじさんがいた。
「四番隊隊長ジャックより手紙を「おいテメェ、その剣を見せろ」えっ?」
「聞こえなかったのか?剣をよこせと言ってる。それか死ぬか?」
めんどくさいなこの人。
とりあえず素直に剣を渡す。
それを丁寧に受け取りさやからとりだしじっくり見る。先ほどの爺からは考えられないほどやさしい手つきだ。その後手紙を読んだ。
「……。ちっ、偉そうに。まぁいい、おい、剣を振ってみろ」
僕は言われた通り剣をふる。
「……。なるほどな。まだまだ未熟だが悪くないな。俺の攻撃もよけたし。テメェを客として認めてやる。」
なんか認められました。ってかあのハンマーも審査だったの?滅茶苦茶やん、この人。
その後剣を微調整してもらった。流石仕事が早く、そして剣のバランスも一発で決まった。
「また、なんかあったらうちに来い」
「わかりました。ありがとうございます」
「ふんっっ!!さっさといけ」
「待って。ねぇあなた。私たちは流れ人なのだけれど、私たちの世界の鍛冶技術に興味ない?」
突然エリザベスが話し出した。
「……どういう意味だ?テメェが見せてくれるのか?」
「そんなわけないじゃない。でもそれができる人を連れてくることはできる。そしたらお互いに技術を教えあってみない?」
「……俺はそんな暇はねぇ。」
「あらそう。ならあなたは職人失格ね。」
「何だと……?」
「職人、いえ全ての研究者がなくてはいけないもの。それは好奇心よ。好奇心があれば探求心が生まれる。それがないあなたは職人失格よ」
「……。はっはっはっは!!いうじゃねぇか。確かにそうだ。よし。連れてこい!つまんねーやつ連れてきたら殺しぜ?」
「ふふっっ。楽しみにしていなさい」
こうして僕らは火事場を出た。
場所はフェラール。
「ウィル、その剣を見せてあげなさい」
エリザベスはMr.、レヴィ、テイラーを呼びつけ剣を見せる。
「どう?Mr.その剣は?」
「……。完璧だ。いゃ。だからこそ不完全だ。だが見事だ。」
Mr.は哲学的なコメントをした。
「ねぇこれをどこで?っていうのは聞かない方がいいか。その情報に見合うものを私たちは用意できない」
「あ、あの。まさかこれを自慢しに?」
「そんなわけないじゃない。ねぇMr.。その技術を教えてあげるって言ったらどうする?」
「‥‥‥‥何?お前がか?」
「ふふっ。やはり似た者同士ね。違うわよ。この国で5本指に入る鍛冶職人えを紹介してあげるっていうの。ただし条件があるけど」
「まって!!その話は本当?」
「当り前じゃない。もしこのチャンスを逃せば二度と会えないかもよ?どうする?」
「……ぜひ紹介してもらいたい。それで?条件とは?」
「私たち「カンパニー」のクランに入りなさい。
部屋の中が静かになる。まさかエリザベスがそんなことを考えていたなんてわからなかった。
「……いいだろう。入ってやる。」
「「「「「「「えっ????」」」」」」」
まさかMr.が入るなんて……。今までどのゲームでもクランに入らなかったと聞いていたのに。
「それからレヴィ、テイラー。ちょっとこっちに来なさい。」
エリザベスは二人を連れ、別の個室に入る。
…………あっ、まって!!でも、んあっ‥そんな、すご、あああーーーん!!
がちゃ。
「「私たちも姉さまのクランに入れてください」」
「「「「「「ええええええ???」」」」」」
な、何があった??というか何したんだよ。
二人とも頬が真っ赤だし息が荒い……。
とりあえずこうして3人は我が「カンパニー」に入りました。
さすが女王様……。