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Another Of Life Game~僕のもう一つの物語~  作者: 神城弥生
クラン「カンパニー」
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王城までの道中 後編



「ここは噴水なんだね。というか、また浮いてるね」

「うん。浮いてるね」


 噴水は浮いていた。

 といっても全体が浮いているわけではなく円形の石が3段に浮き頂上の魔石から水があふれていた。


 僕らは転移ポータルに触り登録する。


「あっおばあさん、ハンカチが落ちていますよ」


 近くのベンチに座っていたおばあさんのハンカチが落ちていたので拾って渡してあげた。


「あらあら。ありがとうね。見ない顔だけどここに来るのは初めてかい?」


 気品のあるおばあさんが微笑みながら話しかけてきた。


「ええ、初めてです。街はきれいだしいいところですね」

「ええ。とってもいいところなの。そういえばさっきっ不思議そうに噴水を見ていたわね。浮遊石は見るの初めて?」


 あそういえばジンの話にそんなのがあったな。


「ええ、実際に見るのは初めてです。すごいですよね」

「ふふっ。ここに始めてくる人は皆そんな顔をするのよ」

「おばあさん。あの城も浮遊石でできているの?」

「そうよ。ここまで大きい浮遊石で作ったお城は国外にもないわ。この国のシンボルなの」


 それはすごい。


「僕らはあの城に用事があるのですがどうやって行くのですか?」

「ああ、なら北門の方に行くと城に入るための浮遊石乗り場があるからそこから行けばいいのよ」

「そうなんですね。ありがとうございます」

「いいのよ。ハンカチを拾ってもらったお礼だから。私はたいていここにいるから、王都でわからないことがあったらまた聞きに来なさい」


 いいおばあさんに出会ったな。


 僕らがもう一度お礼を言って城の方に足を運んだ時、二人の兵士が走ってきた。


「すまない。ここらへんで怪しい男たちと金の髪をした少年と少女を見なかったか?」


 僕らは顔お合わせ、「いいえ」と答える。


「そうか、ありがとう。もし怪しい奴らを見つけたら城の門番か近くの衛兵に教えてくれ。」


 慌てた様子で兵士たちは走っていく。


ーーーーーーーーー

緊急クエスト【怪しい男たち】


衛兵たちが怪しい男たちを追っている。

衛兵たちに協力して男たちを捕まえよう。


このクエストを受けますか?

Yes/no

ーーーーーーーーーー

「もちろんyesだよ!!」

 

 アイリスは迷わず押す。パーティメンバーの僕らも自動的に承諾されたことになった。


 心の中でため息をつく。


 クエストややることががたまってきてしまった。王様に会うクエストが2つに、廃教会のシークレットエリアに行くのが1つ、他にボーズ街南の3つの岩の所にあるシークレットエリア、屋敷の掃除、金策……。


 あまり用事をたくさん抱えるのは好きじゃないんだけどな。


「ん。おばあさん。おばあさんっていつもここにいるんですよね?最近怪しい男たちをみませんでしたか?」

「ん?怪しい男たちねぇ。何人か見たわね」


 いきなり有力情報みたいです。


「まずはこの中央通りを南に歩いて行った髭ずらの男ね。泣きながら走っていったわ。あれはきっと女にでも振られたんじゃないかしら」


 これは違うな。


「あとは男二人がこそこそしながら西門の方に歩いて行ったわ。相当いやらし顔していたから博打にでも勝ってこれから売春婦にでも行くのよ」


 うん。違うな。


「あとは怪しいかどうかわからないけど、ついさっき男四人組が大きな麻袋をもってそこの裏路地に入っていったわ。引っ越しの最中かしら?」


 確実にこれだね。ってかおばあさん一番怪しいよこれが。


「ん。わかりました。情報ありがとうございます」

「お役に立てたかしら。あんまり危ないことをしたら駄目よ?」


 優しいおばあさんにもう一度お礼をしてから裏路地に走る。


「なぁエリーゼ。なんであの人に聞いたんだ?」

「ん。クエスト発生にはたいてい何かきっかけがある。このクエスト発生したのはたぶんおばあさんのハンカチを拾ったから。ならおばあさんはこのクエストの関係者。そしてさっきたいてい広場にいるといった。何か知っているかと思って」


 名推理だった。ほんとは大人で薬を飲んで小さくなったんじゃないか?


「もー流石ちーちゃん!!名推理」

「お姉ちゃん邪魔。走りずらい」


 エリザベスがエリーゼに抱きつきながら走る。緊張感のない……。


 しばらく走ると麻袋を持った4人組が何やらもめていた。

ーーーーーーーーーー

???の人さらい  LV15

ーーーーーーーーーー


 レッドネーム、犯罪者だ。


 僕らは合図し、加速し攻撃を仕掛ける。

 もう人相手でも油断はしない。


「だからこのままじゃ……なんだお前ら!?ッッウガッ!!」

「くそ、こいつらいつの間に!クッッ!!」


 エリザベスのウォーターボール、クリスの弓が飛び2人を倒す。

 僕が魔力脚で飛び蹴りしアイリスは大剣の柄で腹をつく。


「ク、クッソ。帝国に栄光あれ……。」

「えい!!」


 クリスの弓が膝に当たったやつが起き上がろうとしたが、エリーゼが杖で頭を殴り気絶させる。



「うーーーうーーーうーーー!!」

 

 突然麻袋が暴れだす、いや、中に誰かいる?


 警戒しながら袋を開ける。


「うぉぉ!!」


 いきなり何かが飛び出し突っ込んでくる。

 何とかそれをよけ飛びのく。


「女の子……が二人ね」

「衛兵の話では少年と少女じゃなかったかしら?」


 少女の一人はこちらをにらみ、もう一人はしゃがみおびえている。


 睨んでる少女はピンクのきれいなドレスを身にまとい綺麗な金の髪、金の瞳、整った顔、まるでお姫様みたいだ。


 もう一人は見るからに貧しそうでやせ細っている。がこちらも金の瞳に金の髪、もう少し太れは美人になりそうだ


「いいかい?僕らは君たちの敵ではないし危害も加えない。その縛られているロープをほどきたいんだけどそう警戒されていたらほどけない」


 睨んでいた少女の表情はゆっくりと柔らかくなり、しかし警戒は怠っていないようだ。

 AIの表情じゃないな全く。


「今からそのロープをほどくために君たちに触る。もちろん彼女たちがだ。よかったら合図をくれ」


 優しく微笑むエリーゼ達を見て安心したのか、ゆっくりとうなずく。


 エリーゼとアイリスがロープをほどく。


「あなたたちは何?」

「僕たちは流れ人だよ。さっき衛兵が君たちを探してて、僕らもそれを手伝っていたんだよ。さぁ城に行こうか?」


 流れ人の言葉で驚いた顔をしたが城といった瞬間表情を変える。


「待って!!城の前にアレクサンドラを助けに行かないと!!お願い!!」


ーーーーーーーーーー

選択してください


・お願いを断り城まで連れていく

・話を聞かず無理やり城まで引きずっていく

・お願いを聞き詳しい話を聞く

・「あっ人違いでした」といいこの場を去る

・「げっへっへ。そんなことより俺たちといいことをしようぜぇ。」と彼女を襲う

ーーーーーーーーーーー


 ふざけているのか?

 ケンちゃんじゃなきゃ5番目は選ばないだろ。


 僕らは3番目を選ぶ。


「私たちを攫ったやつらが言ってたの。私たちはフェイク。本命はアレクサンドラ。試練の塔へ連れて行くって!!」


「君たちはいったい?試練の塔とは?」


「説明している時間はないわ。私たちは城に戻らなきゃならないから」


ーーーーーーーーーー

クエスト【英雄を夢見る少年】を開始しますか?


このクエストは断れば二度と受けられません。

残り時間は72:00時間です。‬

Yes/no

ーーーーーーーーー

 実質一択だな。



「今日は街まで行って本番は明日にしましょう」

「だねー。今日が土曜日でよかったよー」

「ん。平日だったらクエスト失敗してた」

「同感ね。つまり明日までにこのクエストをクリアしなくちゃ」

「全く、せっかくホームを買ったのに全然ゆっくりできないな」


 場所はカンパニーホーム。

 クエストの準備をしている。


 クエスト【英雄を夢見る少年】は王都より西、小さな村の先にある試練の塔のてっぺんに連れていかれた少年を助けること。


 その情報だけもらい少女たちは城へ走って行ってしまった。

 残り時間は71:12.。約3日だ。


 今日は買い物をし、村まで行き明日塔の攻略をすることにした。


 明日は忙しくなりそうだ……。



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