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伯爵邸

「28300Gになります」


 金持ちになった気分だ。これで所持金は30300G。みんなもだいたい同じ。尚詳細は省く。


 ギルドでアイテム換金した後、フランジェシカの錬金所に向かう。ここもシステムは鍛冶場と同じだ。


「さてさて私は薬草と解毒草をもらおうかな」


 薬草系は50Gで買ってもらった。合計1500Gで買ってもらい、ポーション、マナポーションを5個づつ買っておいた。


「毎度あり!」


「じゃあ俺たちは行くわ!!今日中にクマさん」倒しておきたいからな!!」

「そっか。いい人紹介してくれてありがとう、助かったよ」

「おう。気にすんな!俺たちもクマの情報もらったからな。すぐに追いつくからな!」


 そう言い残しオリバーたちは門の方向へ向かっていった。


「じゃあ俺たちも行くわ。つきあっってくれてありがとな」

「私も楽しかったしかまわないわ。これでまた夢に一歩近づいたわ」


 彼女の願いは叶わないことを祈りつつ、彼女と別れる。


 もう少し時間があったので、ストーリークエストを進めることにした。


「そこで止まれ!!ここはフェラール伯爵邸だ!!約束のないものは通すわけにはいかない!」


 僕らはなんて答えていいかわからなかったため、「破れたクマのぬいぐるみ」を出した。


「ん?……それは!?す、すまないその手に持っているものを見せてくれないか?」


 早口で答える門番さんにぬいぐるみを渡す。


「……これをどこで?」


「始まりの森の奥にいる、森のくまさんという「や、やっぱり!!」っっえっ?」


 すごい勢いで屋敷の中に入っていく門番さん。あまりの勢いに僕らは声をかけることができなかった。


 1~2分後、門番さんが走って戻ってくる。


「すまないが伯爵様がお会いしたいそうだ。あまり時間は取らせないと仰っておられたので会ってはいただけないだろうか?

 

 断る理由もないので促されるまま屋敷内に入る。


 それは大きな大きな屋敷がありました。お庭も大きくてお池には金色のお魚がたくさんおったとさ。めでたしめでたし……。


「お兄ちゃんもどってきて!!」

「はっっ!!男としての差を見せつけられて現実逃避してしまった」

「何言ってるのよ。ウィルはそのままでいいのよ」

「ん。そゆこと。今でも十分いい男」


 慰められてしまった。しっかりしなきゃな……。



「「「「「「いらっしゃいませ」」」」」」


 屋敷の扉を通ると10名のメイドが左右できれいなお辞儀をして待っていた。


「お兄ちゃん!!リアルメイドさんだよ!もえもえきゅんだよ!!」


 お兄ちゃんはそんな言葉は知りません。


「やーちゃん!ツンデレメイドさんはいないのかしら?」


 知らないってば。


「ん。猫耳メイドにいたずらしたい」


 やめなさいってば。


「オムライスに「おいしくなーれ」って言わないかしら?」


 なんで皆メイドにそんなにくわしいの……?


「こちらでお待ちくださいませ」

「かしこまりましたー!!」


 アイリスの返事にメイドさんは苦笑い。すみませんね。うちの妹が……。


「あら、なかなかいいソファね。何処のメーカーかしら?」

「ん。でも少し柔らかすぎる。客間にはむいてない」


 山下姉妹はさすが目の付け所が違うみたいだ。


 バァァァン!と扉が勢いよく空き驚き見ると、アイリスと同じくらいだろうか?13.4歳の少女がすごい剣幕で入ってきた。


「私のゲコタはどこ!!??」


金髪ツインテールの少女はこちらに歩きながら問いただしてくる。


「えっと、こんいちは。お嬢様。申し訳ないのですが私たちには何のことだか…。よろしければゲコタが何なのかお教えいただけないでしょうか?」


流石エリザベス。素早く正しい対応だ。


「ゲコタはゲコタだ!!そんなことも知らないの「コォラァ、オリビィア!!何度言ったらわかる!!」いたッッ!!」


 オリビィアをたたく金髪の老人。彼がフェラール伯爵なのだろう。まとう空気がちがう。


「娘がすまない。私がアンドレア・フェラール伯爵だ。こっちが娘のオリビアだ。因みに皆が持ってきてくれたクマがゲコタだ」


 なるほど。オリビアはネーミングセンスが無いみたいだ。


「あらあら、そちらがゲコタを見つけてくださった方々ね?私はフェラール伯爵の第一夫人、エマです。よしなに」


 金髪で、白いドレスに身をまとった女性が優雅に現れた。


「うむ。彼等が見つけてくれたみたいだな。しかしどうだ皆のもの。私の妻は中々の胸をしているだ「貴方、殺しますよ?」う、中々綺麗だろう?」


 エマさんこえぇ。


「む?青髪のそなた。中々の乳をしているようだな。どうだ?私の側室に「おいコラ、殺すぞ伯爵」う、残念だ」


 この伯爵はダメなやつだ。


「おい!貴様!父上に向かってなんて口の聞き方を「オリビア、黙りなさい。」っえっ?」


 エマさんは笑いながらも目が笑ってない。


「貴方、名前は?」

「ウィルと申します」

「そう。ウィルね。ウィル。この人は胸が大きい人を見ると直ぐに口説こうとするの。もし今後そういうところを見たら、構いません。殺ってしまいなさいな。責任は私がとりますのでご安心を」


 何処の世界でも女性は強いらしい。


「畏まりました。必ずや息の根をとめて見せましょう」

 

 僕らは頷きあい伯爵は泣きそうな顔をしている。きっとこのダメ伯爵は常習犯なのだろう。


「ううん!さ、さてゲコタの件だが良くやってくれた。褒美をを与えよう。皆名を聞かせてくれ」


 今更威厳を出してももう遅い。僕らは簡単に挨拶をする。


ーーーーーー

ストーリークエスト【破れたクマのぬいぐるみを達成しました】


報酬

10000G

経験値1000

王宮への招待状


ーーーーーー

 王宮への招待状?


「さて、君たちになら任せても良いかもしれん。知っての通り今この世界は魔物の大繁殖期を迎えている。そこで王宮は腕の立つ者を集めておる。詳しくは王宮にて聞いてくれ。コレが招待状だ」


 いつのまに用意したのかポケットから一通の手紙を取り出し渡してくれる。


「ん?まて!!その指輪を見せてくれ!」


 突然手紙を受け取ろうとする僕の手を掴み、光を失った指輪を観察する。余りの出来事に僕の腕は伯爵のされるがままだ。


「……オリビア。部屋から出ていなさい。」

「えっ?何故です「オリビア」!!」


 先ほどの伯爵とは別人のような雰囲気にオリビアは戸惑い素直に従う。


「さて、本物の様だ。とりあえずすわりなさい。皆もつけているみたいだな。コレは何処でみつけた?」


 僕らはクマさん討伐時にフィリア様から頂いたと説明する。勿論所持してるのは僕らだけとも。


「ふむ。……そうか。フィリア様が。」

「貴方、それは一体?」

「うむ。この事は他言無用で頼む。勿論君たちもだ。実はフェラール家は初代国王のエレクトリカル王の次男の末裔でな。彼の書物を城で一度だけ見たことがある。王族しか見れぬ禁書庫でな。その指輪は初代国王がつけていたのと同じものだ。そしてそれはフィリア様から頂いたものだと書いてあった。初代様の装備品は今では全てその力を、つまり光を失ない世界の何処かにあると言われている。そしてその指輪と同じものもな」


 どうやら凄いものらしい。流石ALO初ボス討伐者のみに送られるものだ。


「だがその光の戻しかたはワシには分からない。もしかしたらいい国王様はご存知かもしれんが」


「お主らが良ければ国王様にそれを見せて差し上げてくれぬか?もしかしたらそれで何かわかるかもしれん」


ーーーーーー

シークレットクエスト【国王に面会せよ】


報酬

???


ーーーーーー


 僕らは顔を見合わせて頷く。


「助かる。 手紙を二通渡しておく。一通は門番に、一通は国王様に渡してくれ。そうすれば全て伝わる」


 なんか凄い話になってきた。


「この事は他言するで無いぞ。初代様の装備は世界中の権力者が探している。もしそれと同じものを身につけてるとなると世界が君達を追い続けるだろう。」


 なんて迷惑な話だ。


「伯爵様はコレを欲しがらないのですか?」

「ワシには必要ないものなのでな。守れないものを持っていても災いの元になるだけだ。勿論他言もしない。口も災いの元と言うしな」


 その後、軽く会話をし屋敷を出る。


「待て!まだゲコタのお礼を言ってない!」


 バァァァンと玄関扉をあけオリビアが飛び出してくる。


「ゲコタを有難う!私の親友なのだ!この借りは必ず返す!何か困ったら私に言え!」

 

 それだけいって走って戻っていく。


 僕らは苦笑し屋敷を後にする。


「でも流石にゲコタはないよね〜。カエルじゃん。ゲコタって言ったら。」


 ですよね。



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