表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
19/218

森のクマさん

ーーーーーーーーーーー

名前 ウィル

性別 男

年齢15

誕生日2月1日


LV.9


HP.101(+45)

VIT.92(+36)

INT.51(+11)

CRI.66(+46)

STR.87(48)

DEF.70(+30)

MND.46(+14)

DEX.46(+14)

AGI.92(+44)

MP.38(+12)

LUK.58(+16)



ジョブ【見習い戦士LV11】

サブジョブ【なし】


スキル【身体強化6】【観察8】【投擲2】【ダッシュ4】【剛力2】


パッシブスキル【魔力操作】【集中】【気配察知】


職業スキル【スラッシュ】【早斬り】【チャージ】



装備


フォレストキャットのリング

見習い両手剣(レア度1)

見習い冒険者の服

見習い冒険者のズボン

見習い冒険者の靴


所持金2000G


称号

【フィリアの心の友】

ーーーーーーーーーーーーーー

説明

  投擲ーものを投げた時命中率補正。、命中率はレベルに依存する

  ダッシューー素早さが上がる。速さはレベルに依存する

  剛力ーー力が強くなる。強さはレベルに依存する


  早斬ーーAGIが1.2倍になり素早く敵に切りかかる。継続時間はレベルに依存する

  チャージーー5秒間動きが止まり次の一撃が大幅に上がる。レベルに依存する。


気配察知ーー周囲の魔力の変化を感じ生き物の気配を察知する。

  

フォレストキャットのリングーー素早さが1.1倍になる。



 大分成長した。


 このゲームはモンスターを倒すのはもちろん普段の行動によっても成長する。走ればAGIが上がり素振り和すればSTRあるる、という風に。まぁモンスターを倒した時に比べれば微々たるものだが。


 ここまで成長したのはレベルやステータスが低かった為上がりやすかったのと、山下家二人のおかげだ。


 いや、せいだというべきか。


 エリーゼが猫を見ると触ろうとし、その姿を見てエリザベスが撫でまわす……。アイリスやクリスが必死に正気に戻そうと説得し僕は一人で戦い続けた。エリーゼが新しい猫を探しに突き進みそれをカバーする。

 久々に二人にイラっとした出来事だった。


 だがたくさんのドロップアイテムを手に入れた。肉に毛皮に爪に骨。リングもその一つだ。


 それとアイテムの入ってるインペントリに初心者ポーション、初心者マナポーションがそれぞれ5つづつ入っていたことに気が付いた。


 因みにインペントリ内は時間が止まっており物が腐らない。すごい世界だ。


「あっあそこに広場があるよ!!少し休んでこうよ!」


 口には出さないがさすがのアイリスも疲れたようだ。大分奥まで来てしまったからな。


 森の中に適度な広さの広場があった。誰も反対しなかったため広場に向かう。


「あら、綺麗ね」

「ん。いいところ」


 広場には一面に赤、白、黄色の花が咲いていた。まるで花の絨毯だ。アイリスは飛び跳ねながら広場を駆ける。


 と世界が一瞬ゆがみ足元の花が消える。


「「「「「えっっっ?」」」」」


 あまりの出来事に僕らは固まる。


「あっあれ!!」


アイリスが指さしたほうを向くと、のしっ、のしっと3.4Mはあるクマが広場に入ってくる。


クマが広場に入ると広場の周りに半透明な壁できる。


「なにあれ……」

「おそらくエリアボスよ。間違ってボスエリアに入ってしまったみたいね。そしてかわいいわ」


「姉さん。さすがにあれに飛び込まないでね」

「失礼ね、私だってふざける場所はわきまえてるわよ」


 ふざけてたようには見えなかったぞ……。


「ウィル。外には出れないみたい」

 

 エリーゼが壁ぎわにいた。


 どうやらやるしかないみたいだ。


「みんな!!来るよ!フォーメイションB」


 アイリスが叫ぶ。


 フォーメイションBなんてないだろ。あいつ余裕だな。


「グァアァアアアアア!!!!」


 クマが叫ぶと


ーーーーーーー

始まりの森、ボスエリアに入りました。


エリアボス「森のくまさん」との戦闘を始めます


尚ボスを倒すか、死亡するまでこのフィールドからは出られません

ーーーーーーーーー


こうして僕らはゲーム初日にして初めてのボス、森のくまさんと戦うことになった。



くまさんの頭の上にHPゲージが3本浮かぶ。LV18げっ、HP多いな。ボスだからか?LV高いし……。


クマのは足に魔力を集めている。身体強化使えるのか。


と、クマさんは素早い勢いでこちらに走ってきて……飛んだ!?

クマさんはカンフー映画顔負けの飛び蹴りをしてきた。


「っっっあぶなっっ!!」


 あまりの行動に一瞬反応が遅れるが何とか転がりよける。ギルにならってSP、AGIに全振りしてよかった。じゃなきゃ今の当たって一発KOだったどろう。


「お兄ちゃん、集中して!!」


 怒られました。


「悪い!蹴りが来るとは……」

「何言ってるの。クマさんは飛ぶのよ!?」


 とクリス。


 あれ?そうだっけ?


 クマさんはきれいに着地し、ゆっくりとスピードを落とした後振り向き地面をかく。悔しがっているのか?


「馬鹿なこと言ってないで集中しなさい!!」


 エリザベスの激励がとぶ。


 クマさんは再び足に魔力を集め始める。


「お兄ちゃん!!」

「わかってる!」


 二度もくらうか。


 再びこちらに走ってくる。僕の体にエリーゼのパワーブーストがかかる。


 神官見習いのエリーゼは回復魔法の他に攻撃力アップの魔法や防御力げ上がる魔法が使える。パワーブーストもその一つだ。


 クマさんの飛び蹴りを横にかわしながら、重心を低くしながら蹴りとは反対の足をスラッシュで切る。


 振り返りクマさんのHPを見ると1本目の2割ほど減らす事ができた。ブーストかけて2割かぁ。長い戦いになりそうだ。


 お礼を言おうとエリーゼを見ると頷いた。僕ら5人は小さい頃からずっと一緒にいる。

話さずとも伝わる事が多い。その事が嬉しくて、身体にやる気がみなぎる。


 クマさんが振り向いた瞬間左目に矢が刺さるりファイアーボールが当たる。エリザベスは水魔法と火魔法を習得している。クリティカルとチェーンの文字が浮かぶ。


 ……チェーン?


 分からないがチャンスだと思い駆ける。


 僕より先にアイリスが左足をスラッシュと剛力で切り僕もそれにならい右足をスラッシュと剛力で切る。クマさんは連続攻撃に思わず立ち上がり吠える。すかさず僕らは足に早斬りで二度素早くきり、再び矢がと魔法が当たりその隙に離れる。

 熊のHPは残り一本と3割。だいぶ減ったな。


「チェーンは攻撃してから一定時間内にもう一度攻撃するとダメージが蓄積してって大ダメージになるの!!」


 不思議そうにしてた僕の心を読み取りアイリスが答えをくれる。出来る妹だ。


「グオォォォォ!!!」


 突然の雄叫びに体が硬直する。僕の視界の端に硬直の文字、そしてクマさんが走ってくる。


あっ、死んだ……。


 そう思ったが、突然の足の痛みに硬直がとけ、クマさんの振り下ろした手を間一髪で避けダッシュをつかい離れる。右足を見ると矢が刺さっていた。姉さんが射ったのだろう。ありがたいけどこれがゲームで良かったと苦笑する。姉さんに頷くと頷き返してきた。


 ともあれ助かった。


 そしてクマさん手を使って攻撃したことを思い出す。蹴りよりも素早い攻撃だ。集中しなければ一瞬の判断が命取りだ。クマさんは他4人に目もくれずこちらを振り向く。


 どうやら好かれたようだ。全然嬉しくない。


 矢と魔法が飛びアイリスが駆け出すがクマさんが駆け出したことにより矢と魔法が外れアイリスとの距離を離す。


 エリーゼは熊の反対側、サポートは期待できない。


 僕はいつのまにかこれがゲームである事を忘れる。目の前に大型の熊が凄い勢いで走ってくる。左目が潰れている事で更に顔が怖い。


 周りから音がなくなる。


 一撃でも当たったら死ぬ。


 その事を全身で感じ、僕はクマさの一挙一動を見逃さないように集中する。僅かに右手を上げたのをみて姿勢を限界まで低くし左に避ける。攻撃をかわしそのまま足を切りつける。動体視力には自信がある。


 スピードはダッシュと身体強化で恐らく五分五分。


 だが僕はMPが少ない。


 同時使用恐らく持って1分。


 皆が走ってくるのが見えるがまだ距離がある。クマさんが振り切った手を戻すと同時に裏拳を入れくる。


 どんな熊だよ!?


 手を剣で受け流すが、力を受け流しきれずダメージを負いHPは6割になる。かすってこれか。マジでやばいかも。


 剣で受け流した時の衝撃が足まで伝わる。僕は動けず攻撃ができない。クマさんは裏拳の時の体のひねりを利用して飛び、回転しながら右足でかかと落としをしてくる。


 最早クマの動きではない。


 足にきている僕は転がる様に後ろに下がる。きっと側から見たらカッコ悪いだろうな……。

 クマさんの脚が地面に当り、石や土の塊が飛び散り当たる。


 僕のHPは残り2割。避けてもこれか。


 クマさんかかと落としで態勢を崩してる隙に早斬りで軸足を二度切る。HPゲージは残り一本!


 と思った時、熊の体が赤い魔力を発し叫ぶ。再び体が硬直する。クマさんはこちらを見てそのまま右手を振り落ろす。


 世界がゆっくりに感じた。


 多分死ぬ瞬間ってこんな感じなんだろうなと思う。


 クマさんと目が合う。


 まるで親の仇を討つかの様に睨んできてる。


 こんな大きな奴にやらなければやられる敵だと認識され、なんだか嬉しくなる。



 そんな事を考えていたら突然のクマの頭に爆発がおきクマさんの動きが止まりクマの右手が切り落とされる。落ちていく手には矢が3本刺さっていた。


「お兄ちゃん!!」


 その声にハッとし、脚に力を入れて右足を切りつけながら離れる。


 クマの手が僕に当たらなかったのは姉さんの3本の矢が刺さり一瞬動きが鈍った為だろう。僕はそのコンマ1秒のおかげで生きている。


 僕の体が光る。近くに来たエリーゼの回復魔法だ。体に力が戻ってくる。今思えばHPが減ると体が怠く感じ動かし辛くなっていた気がする。


 クマさんが怒りの形相てこちらを見る。


 残りHPは6割。


 残り一本になってから腕を落としたのに関わらずダメージ量が少ないあの赤い魔力のせいか?僕のMPは残り少ない。


 次の攻撃はかわせないもしれない。


「皆、合わせて!ウィルはチャージ」


 エリザベスの一声。


 仲の良い僕らだがヒエラルキーは間違いなく香織さんが上だ。それは皆認めている。エリザベスの一声に皆、瞬時に従いブギを構え僕はチャージを使う。クマさんがこちらに駆け出した瞬間僕とクマさんの間に何かが落ちる。


 生肉だ。


 恐らくフォレストウルフの。


 クマさんは突然の生肉に一瞬動きが鈍り頭を下げる。


 動物の本能だろう。その瞬間、姉さんの矢が右目に刺さる。


 これで両目が使えなくなり流石のクマさんも怯む。そこにすかさず、エリザベスのファイアーボール、クリスのトリプルアローが飛び僕とアイリスが駆ける。


 先にアイリスが剛力とスラッシュで左腕を落とす。


 クマさんは支えが無くなりさらに頭を下げる。


 僕の体が光る。エリーゼのパワーブーストだ。


「ハァァァァァ!!」


 皆が作ってくれたらこのチャンス。無意識に叫び、剛力とスラッシュを使いチャージで攻撃力を上げている。


 言葉通り全身全霊でクマさんの頭に振り下ろし、斬る。


 剣を振り切った所で剣が砕け青い光となって消えていく……。


 クマさんの頭上にクリティカルとチェーンの文字。


 クマさんはゆっくり横に倒れ、地面に当たると同時に青い光となって静かに消えていく。


 皆静かにそれを眺める。


 あたりを静寂がつつむ。


ーーーーーー

プレイヤーの皆様


始まりの森のエリアボス、森のクマさんが初討伐されました。


討伐パーティはパーティ初討伐ボーナスにより通常より豪華な報酬となります。


おめでとうございます。

今後ともALOをよろしくお願いします。


それでは皆様。

良い人生を

ーーーーーー

ーーーーーー

エリアボス、森のクマさんを初討伐しました。

報酬は通常より豪華になります。


報酬

森のクマさんの肉×2

森のクマさんの爪×2

森のクマさんの骨×2

森のクマさんの毛皮×2

森のクマさんの魔石

破けているクマさんのぬいぐるみ


初討伐報酬

光を失ったリング

森のクマさんの赤い魔石


ラストアタック報酬

森のクマさんの靴下

MVP報酬

森のクマさんのローブ


称号

【クマさん討伐隊】を取得


レベルが上がりました

レベルが・・・・


ーーーーーー


 そんなメッセージの嵐をぼーっと眺める。


「やったーー!!かったよ!!お兄ちゃーーん!」


 声がし振り向くとアイリスが抱き着いてくる。いつもの癖で頭を撫でる。尻尾が凄い勢いで左右に揺れ耳もピンとなってる。


「はぁ。やっと終わったわね」

「ほんとよ。しばらく動きたくないわ」


 エリザベスとクリスは隣に座り軽くタッチをした。


「ウィル。お疲れ様。」


 いつの間そばに来てたエリーゼが優しく微笑んでいる。


 いつの間に戻った花の絨毯の上で微笑む彼女は本当に綺麗だった。


 僕は声がでず、その神秘的とも言える彼女をただ見つめる。


「ニャーーー!!エリーゼーー!かったよーー!」


 とアイリスはエリーゼの胸に飛び込む。エリーゼは受け止めるがそのまま倒れる。


 エリーゼに頭を擦り付けるアイリスとそれを嬉しそうに撫でるエリーゼ。


 2人を笑顔で見つめるクリスとエリザベス。


 一面の花畑に風が吹き抜け、遠くの山、そして空を見上げる。


「生きてる。生きてるんだ……」


 僕は心から生きてる事を感じていた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
いつもご覧いただきありがとうございます! 宜しければ、アルファポリスサイトでも投稿しているので、そちらも応援よろしくお願いします! html>
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ