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Another Of Life Game~僕のもう一つの物語~  作者: 神城弥生
イベント「サバイバル島」
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バトルロワイヤルその2

 イベントスタート10分でいきなり4チームの混戦となってしまった。


 正面から2チーム、背後から1チーム。


 そしてさらに後ろからは崩壊するステージがゆっくりと近づいてきていた。


「皆、陣形を変えるわよ!!前後に分かれて!!」


 エリザベスの指示で前に僕とレイ、オリバーとライリー、後ろにドンとアイリス、プライドとグリードという形になる。


 中心にいる4人を挟んでサンドイッチ状態の陣形になり、敵の人数の多い前方をエリザベスが指示、支援をし、後方組をクリスが指示、支援をする。


 僕とライリーが同時に低く「かまいたち」を放ち敵がジャンプして避けたところにエリザベスが「ウォーターウォール」と「凍結」魔法を敵の足元に放つ。

 「ウォーターウォール」は敵の足元に広がり、「凍結」魔法によって相手の地面が氷となって固まる。


「「「うぉお!!??」」」


 初めに着地した3人が氷によって滑って転ぶ、が残りの人たちは足元に「かまいたち」や魔法を放ち地面の氷を砕いてうまく着地する。


「敵が転んでる!!チャンス、おおおおお!!??」

「ってなんでお前まで転んでるんだ!?「ハウス」だレイ!!」


 敵が転んでいる姿を見てレイが攻撃しようと突っ込み、氷に滑って転んでしまった。


 あの人は一体何をしているんだろう。


 相手が転んだのを見てちゃんと「氷の上は滑る」と学んで欲しかった。


「「ヒャッハー!!チャンスだ!!」」


 転んでいるレイ目掛けて男2人が剣と斧を構えて突撃していく。


「させるかよ!!」

「させないよー!!」


 レイに攻撃しようとしていた二人に僕とライリーが横から斬りつける。


「っと、こっちもいるんだぜ!?」


 僕らが攻撃した隙を狙って魔法と矢が僕らに飛んできたが、それをうまくオリバーが防いでくれる。


「いたたた。油断した。すまない!!」

「油断とかの問題じゃないからな!?敵が転ぶの見てただろ!?」

「うむ!!見ていたが敵が転んで隙だらけだったので「攻撃できる」と思った瞬間忘れてた!!」

「馬鹿なの!?まぁ反省は後だ!!早く攻撃に加わってくれ!!」

「おう!!任せろ!!」

「返事だけはいいんだから」


 レイに対する不安はあるが今はこの乱戦を何とかしなければ。


 先ほど氷に滑って倒れた三人は他のプレイヤーによって倒され光となって消えていった。


 これであと正面の敵は2チーム、9人と8人。


「!?っと危ない」

「ウィル!!集中しろ!!」

「悪い!!」


 近くの家の中から大量の魔法と矢が飛んできてそれをオリバーが防いでくれた。


 1チームの狙撃部隊は家の中に隠れているらしい。


(めんどくさいから家ごと破壊するわよ!!5秒後にあの家に向かって総攻撃!!)


 僕らの頭の中にエリザベスからの念話が聞こえる。


 今回のイベントの為にオリバー達にも念話は教えておいてある。


「今よ!!」


 エリザベスの叫び声と共に僕ら4人は「乱れ切り」に「かまいたち」を放ち、エリザベスが「アイスシャワー」を敵が隠れている家に向かって攻撃する。


 ドォォォォン、とすさまじい音と砂ぼこりが舞いながら家が半壊する。


「おいおい!!楽しそうな事してんじゃねえか!!おいテメェら!!俺達も乗ってやろうぜ!!」

「「「「「おう!!」」」」」」


 それを見た敵の一チームが僕らと同じく、家に向かって総攻撃をする。


 するとさらに大きな音を立てながら家は完全に崩壊した。


「く、くそ」


 僕らにの前にいた数人のプレイヤー達が光となって消えていく。


 恐らく家の中にリーダーがいて先ほどの崩壊に巻き込まれて死んでしまったのだろう。


 これで正面の敵は一チーム8人だけだ。


 僕が崩壊した家を見ていると正面から先ほど指示を出していた敵が僕目掛けて剣を振り下ろすところだった。


 僕は慌ててそれを躱し剣を振り、お互いの剣がぶつかり合う。


「くくく。ナイスアシストだったろ?」

「別にお礼は言いませんよ?」

「何だよ。感謝してこのまま素直に斬られてくれてもいいんだぜ?」

「ご冗談を」


 鍔迫り合いをしながら話していた僕らはいったん距離をとる。


「うぉおおお!!」


 横から叫び声が聞こえ見るとレイが2人を相手に攻撃を上手く防いでいた。


 全く戦闘になると頼りになる人だ、アホだけど。


「おい!!ウィル!!お前が今戦っている奴がリーダーみたいだ!!」

「おい!?何でそれを知ってやがる!?」


 オリバーとライリーが4人を相手にしながらこちらを見ずに叫び、敵のリーダーはそれを聞いて驚いている。


 こいつもアホだな、驚いたらダメだろ。


 自分がリーダーだと打ち明けているようなものだ。


「こいつらが「リーダーを助けろ」って教えてくれたぜ?」

「すまんリーダー!!バラしちゃった!!」


 どうやら仲間もアホらしい。


「そうか!!なら仕方ない!!」

「仕方ないんかい」


 リーダは仲間をあっさり許してしまい、僕は思わず突っ込んでしまった。


 いかんいかん、集中せねば。


 僕は「俊足」で相手の間合いまで一気入り剣を振るう。


「っっな!?」


 相手は僕のスピードに驚きながらもしっかりとガードをする。


 この人結構強いかも。


 二、三度剣をぶつけ合ったときにオリバー達の方から敵が一人走ってくる。


 どうやらオリバー達は一人逃がしてしまったようだ。


「すまん!!」

「うん!!」


 僕とオリバーは短いやりとりをした後お互いの敵に集中する。


 確かに厳しくなるが問題なさそうだ。


「ぉおお!!おい!!ウィル!!一人倒したぞ!!褒めてくれ!!」


 どうやらレイが一人倒したらしい。


 後で褒めてあげるとして今は無視だ。


 オリバー達から抜けてきた敵が槍を突き刺してくる。


「っっが!?」


 僕はギリギリで避けたが槍の通った後の衝撃派で僕は攻撃を食らってしまう。


 これは槍使いのスキル「インパクトスラスト」だ。効果は「インパクトショット」と同じで槍の攻撃から範囲3mの敵を攻撃するスキルだ。攻撃能力が強い代わりにその後1分間スキルが使えなくなるのが難点だが。


 だが今の状態ではこの攻撃はまずいっ。


「上出来だ!!」


 僕が攻撃を受けてふらついてる隙にリーダーの男が剣を振り下ろしてくる。


「っ!!」


僕は攻撃を受けきれないと判断し、あえて転び転がりながらなんとか攻撃を躱す、が。


「甘いッッ!!」


 転がり立ち上がろうとした所に剣と槍が迫ってくる。


 ガキィィィィン!!


 やられたっ、と思った瞬間僕の目の前にきれいな赤い髪がなびいていた。


「待たせた!!俺が来たからにはもう安心だ!!」

「ったく。安心できないっての。でも助かった。ってあれ?」


 僕に向けられた攻撃をレイが盾で防いでくれた、が、彼女が戦っていた相手もまだ生きていた。


 どうやら自分が戦っている敵を倒してから来たわけではなく、連れてきてしまったらしい。


 まぁそれで助かったのも事実なので何ともいえないが。


「ウィル!!こっちは片付いたから後は任せたぞ!!」

「僕たちは後方に行くねー!!」


 どうやらオリバー達は敵を倒し、そのまま後方の支援に向かうようだ。


「ならこの敵は僕らが倒すしかないね。」

「うむ!!俺達の練習の成果を見せてやろう!!」

「ちゃんと覚えてるの?」

「大丈夫だ!!戦っているうちに思い出すはず!!」

「忘れたのね。まぁ何とかなるか」


 レイが加わりこれで3対2になる。数的不利の状況は変わらないが何とかなりそうだ。


 相手の獲物は剣に槍に斧、全て近接戦闘武器だ。


「はぁぁぁ!!」

「っっ「シールドバッシュ」!!」


 斧の男が攻撃を仕掛けてきたがレイが絶妙なタイミングで斧を盾ではじき返す。


 「シールドバッシュ」の上手さで言えばレイはトップクラスだ。


 ドンやオリバーにも引けを取らないだろう。


 斧の男が攻撃を弾かれ体制を崩した隙に僕が斧の男に近づく。


 それをリーダーの男が防ごうとしたが、その前にレイが立ちはだかる。


 僕はレイに守ってもらいながら斧の男を「乱れ切り」で斬りつける。


 斧の男のHPは残り3割。


「ッックソ!!」


 斧の男は慌てて何度も斧を振ってくるが僕はそれを冷静に躱していく。


「ウィル!!」


 レイが叫ぶのと同時に槍の男がレイをすり抜けこちらに攻撃を仕掛けてくる。


 チャンスだ!!


「「雷神衣威」!!レイ!!」

「おう!!」


 僕は槍の男を躱しながら足を引っかけ転がし、素早くレイと立ち位置を入れ替える。


 これでリーダーとの一対一だ。


「おいおいおい。なんだよそのスキル。知らねぇぞそんなの」

「「奥の手」だからね。こんなに早く使うことになるとは思わなかったけど。だから自慢していいよ?」

「け。生意気なガキだぜ」

「ガキは生意気なくらいの方が可愛いでしょ?」


 そこからは一気に勝負を決めることが出来た。


 相手のリーダーは必死に防御しているが、LV差に攻撃速度の差で僕は相手を何度も斬りつけて勝負を決めた。


「くっそ。ここまでか。さすが「カンパニー」だな。おい!!俺達に勝ったからには優勝しろよ!!」

「敵にこんなこと言うのは変だけど頑張れよ-!」

「負けんじゃねぇぞー!!」


 リーダーが光となって消えた瞬間、他の二人も同時に光となって消えていった。


「気のいい奴らだったね」

「うむ。敵を応援するとはあっぱれな奴らだ。」


 彼らは純粋にこの世界を楽しんでいるプレイヤーなのだろう。


 そういったプレイヤーがいることは僕にとっても嬉しいことだ。


 彼らの思いに答えなくては。


「こっちも終わったぞ!!みんな走れ!!」


 背後から声がしどうやらオリバー達が加わり後方も勝ったようだ。


 が、すでに街の崩壊はすぐそこまで迫っていた。


「皆!!フォーメーションAで走りながら回復を!!」


 僕らは再び隊列を組み、回復薬を使いながら走る。エリーゼは終始皆にブーストをかけていたため回復魔法を使う魔力までは残っていなかった。


 流石に11人を支援し続けるには回復役は一人では手が回らないらしい。


 僕らは予想外に強い相手との戦闘により早くも回復薬を使うことになってしまった。



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