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Another Of Life Game~僕のもう一つの物語~  作者: 神城弥生
イベント前のあれこれ
117/218

お店ゲットだぜ!!

 木曜日。


 昨日は朝までゲームをしてしまったため、眠いし勉強しなきゃだし、という事でダイブインしなかった。


 何故か皆も付き合ってくれて、家事や買い物などを手伝ってくれた。その理由を聞いてみると。


「だってお兄ちゃんがいないと私たち何にもできないってわかったんだもん」

「本当よ・・・。昨日のユイの料理なんてひどかったわ」

「ん。グロテスクだった」

「ほんと。出前に切り替えて良かったわ」


 一体何を作ったんだ、お前は。


「おねぇちゃんだってひどかったじゃん!!」

「私のはまだマシだったわよ!!」

「ん。いい勝負」

「どうやったらラーメンが墨みたいになるのよ」


 ラーメンが墨ってどんな錬金術ですか?


 一昨日、僕がいなかったせいで家事や、料理が大変だったとのこと。そこで僕のありがたみがわかったらしく、手伝いをしてくれているらしい。いつまで続くかわからないが。


 だがおかげで一週間分の食糧の買い出しや色々と終わった。たまには遊んで家事をしないのもいいなと思ってしまったのは内緒だ。


 そして今日は皆で店探しをすることにした、生産組は昨日の素材を使って、さっそく仕事にかかっている。イベントまであと10日。


 できるだけ新規プレイヤー用の装備を造りたいそうだ。というか、「カンパニー」に注文が殺到している。今まではメールでの発注しかしてなかったので、店を持って注文口を一カ所にしようということだ。


 買う店は大きいお店1店舗か、小さい隣接した店舗2店舗が好ましい。


 さっそく僕らは商業ギルドに行った。


「はい。物件ですね?まず料金の方が1万G~1000万Gまであり料金が高い方が城に近い、つまりは貴族街になり、安い方が平民街になります。建物には空間魔法が1万Gでかけられ購入後部屋や設備の増幅が可能です。因みにリアルマネーと呼ばれる「円」での支払いも可能です。そちらの場合は100円で10Gとなります。購入後他の建物に移ることは可能ですがその場合設備は1からやり直しとなります。建物の複数所持は可能です。因みにクランには現地人を雇い、働かせることが可能です。しかし当然わいせつな行為、及び暴力行為を行ったクランには罰則が生じます。以上が説明となります。さらに詳しく知りたい場合は先ほど書いていただいた紙の下に複写式の紙がありましてそちらが控えとなりますのでそちらをご覧ください」


 マジかよ。


 噛まずにすらすら言い切った。


 そう言えば冒険者ギルドでもそうだったな、ギルド員は皆活舌がいいんだな。


 しかもドヤ顔だ、確かにすごいが。


「まずは物件を見たいんですが、予算は100万Gで」

「100万Gですね?でしたら平民街の最高級物件か、中流階級街の物件が見れますがいかがいたしますか?」


 僕らは中流階級街にすることにした。その方がホームから近いからだ。


「こんにちは。私がこれからご案内させていただきます。ベテランギルド員なので安心してお任せください」

「「「「「よろしくお願いします」」」」」


 案内してくれるギルドのおねぇさんはとても優しそうな人だった。これなら安心して案内を任せられる。


「ふふっ。よろしくね。一つ目がこちらになります。中流階級街でも高級の物件になります」

「へぇ。中々いいところじゃないか。これが100万G何ですか?」

「はい。ここの前の利用者がこの物件の中で借金で追い込まれて焼身自殺したためこのような値段になっています。ですが」

「「「「「却下で」」」」」

「ちっ。では次に参りましょう」


 今舌打ちしたなこの人。押し付ける気だったのか、見た目は優しそうなお姉さんなのに。


 まぁいい。次だ。


「二つ目がこちらの物件になります。こちらも今セール中なんですよ?見てください。近くに公園もあって、店からの眺めもとってもいいんです。とてもいいんです。ほら、子供たちが遊んでいて、とても穏やかなところですねー」

「なんで二回言ったんですか?ここもなにかあるんですか?」

「ちっ。大したことはありません。ここは死体は出てませんから」

「だから何だ?基準がおかしいだろ。何かあったんですか?」

「大したことはありませんよ?ただここの前の主が貴族との不倫で処刑されたり、そのあとの女性の主が闇ギルド員で任務に失敗して処刑されたとか」

「人死んでるやん」

「でもこの中でではありません」

「「「「「でも却下で」」」」」

「ちっ。わかりました。次いきましょう」


 この人油断できないな。確実に確認していこう。というか王都以外に怖いな。何かのクエスト発生のきっかけになるのかな?


 まぁやらないけど。


 そんな危なそうなクエスト。


「続きましては」

「ここの関係者は死んでいませんか?」

「もちろんです!私を私を何だと思っているんですか。王都のベテランギルド員ですよ?」

「そうでしたか。そうでしたね。失礼いたしました。それで、この物件はどんな問題が?」

「はい。ここは何故か5件連続夜逃げされていて。あっ」

「「「「「却下で」」」」」

「誘導尋問とは。小癪な。まぁいい。次だ!」


 だんだんと露骨な反応になってきたな。


「あの。普通の店がいいんですが」

「大丈夫です。次は人は死んでせん」

「「「「「却下で」」」」」

「何で!?じゃぁどんなところがいいんですか!?」

「逆に問うが、そんな所しかないんですか?」

「さらに逆に問いますが何が嫌なんですか?」

「さらにさらに逆に問うが、わからないのか?」

「わかりません」

「ギルド辞めてしまえ。今すぐ」

「待ってください!!私このままではクビになってしまいます!!」

「だろうね。いい判断だと思うよ」

「そんな殺生な!!」


 聞けばまだギルドに入って1年目だという。こいつめちゃくちゃだな。


「ぐす。先輩にお客様に合ういい物件探してきました。こちらになります」


 そこはホームから歩いて10分と近く、中央通りからからも一本横道に入っただけの通りだ。建物は大きく、クランのホームにしても遜色がない3階建ての建物。レンガ造りでとてもいい感じの建物だ。


「ここはいくらですか?」

「はい。ほんとは120万Gなんですが、先輩が100万にしろって。どうせ皆さんにご迷惑をおかけしたからって。見てもないのに。そんなことなかったのに」


 いや、十分迷惑をかけられました、この人中々いい性格しているな。


 僕らは相談した結果、僕らは結論を出した。


「決めました。ここにします」

「ありがとうございます。よろしければ一件目の建物もご一緒にいかがですか?」

「いらんわ。何さりげなく押し付けようとしてるんだあんたは」

「いりませんか。残念。では二件目は」

「もういいわ。ここだけでいいです」

「つまんない女」

「僕は男です」


 そんなこんなで僕たちはお店を持つことになった。


 さっそくみんなで商品を並べる。これだけで一日終わってしまった。


金曜日。


メイド達も手伝ってくれたため、何とか商品を並べ終えた。

従業員はメアリー達の知り合いの人たちにお願いした。

皆、元城で働いていたメイド達なので接客は問題なさそうだ。


 一階がフランジェシカの商品と、3人の細々とした商品。地下一階に武器防具。2階にテイラーの皮、布製品を置くことにした。3階は従業員の休憩と宿泊施設ということになった。道具の製造は今まで通り、ホームで行い、店には現地人のメイド達が仕切るということで決まった。


「おろしくお願いしますにゃ~」

「お願いいたしますクマ」

「よろしお願いします~」


 猫族、クマ族、狐族、最終的に6人の従業員が集まった。獣人だらけだとなんだか動物園みたいだ。


「それよりお兄ちゃん。大事なことを忘れているよ?」

「大事な事?あ、給料の話か。」

「ちっがーう!!全然違う!!」

「お店の名前よね?」

「ピンポーン!!さすがお姉ちゃん!!」

「妹の考えてる事はわかるわよ」

「えへへ~~。それで?何にする?」


 お店の名前か、覚えやすい方がいいよな。


「ん。「にゃんにゃんパーク。」」

「「「「却下」」」」

「む~~」

「それだと何のお店かわからないでしょ?」

「ん。じゃあ「トマトスパゲッティ」」

「昨日の夕飯か。気に入ってくれたのは嬉しいが意味が分からん」

「ん。じゃあ」

「ちーちゃんは静かにしてなさい」

「む~~」


 エリザベスに叱られてむくれてるエリーゼはほっといて。


「しかし何にするか。「カンパニー」は入れた方がいんじゃない?」

「そうね・・・。「~~~カンパニー」ってしてみない?」

「さんせー!!「弥生カンパニー」は?」

「どこのマフィアだ?人名はやめろ」

「じゃぁ「パニパニカンパニー」は?」

「ゴロはいいけど意味わかんなくない?」

「「サクリファイスカンパニー」」

「無駄にかっこいいね。でも却下」

「「かきくけカンパニー」」

「アイリスはゴロで合わせるのやめなさい」

「「赤パジャマ青パジャマ黄パジャマ、カンパニー」」

「何故急に早口言葉?」

「「マッスルカンパニー」」

「それで喜ぶのは奴らだけだ」

「「お兄ちゃんと愉快な仲間たちのカンパニー」」

「確かに愉快だが却下だ」


 中々決まらないな。


 その時足元にノエルとスノウがすり寄ってきた。


「くま~~」

「にゃ~」


 なんとなく二匹の頭を撫でてやる。二匹は嬉しそうに目を細め、手に頭を擦りつけてくる。


「ん。「スノエルカンパニー」」は?」

「なんだって?」

「あら、いいじゃない」

「エリーゼがまともな答えを出したわ」

「エリーゼに負けたぁ!!」


 ということで、お店の名前は「スノエルカンパニー」になりました。




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