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Another Of Life Game~僕のもう一つの物語~  作者: 神城弥生
イベント前のあれこれ
107/218

消えた少女、中編



「うにゃ~~。皆重いにゃ~」

「ん。よしよし。にゃ~にゃ~」

「いたたた。ごめんごめん。すぐどくよ」

「エリーゼ、離れてあげなさいよ」

「は?ここはどこよ?」

「MAPに名前が書いてあるわ」


 僕らは急いでアイリスから降り、メニュー画面のMAPを開く。


 ダンジョン「夢見る温泉」。


 画面にはそう名前が記してあった。


「へ?ダンジョン?」

「でもなんかここさっきと場所が違うわ」

「ほんと。温泉はあるのに」


 そこは先ほどと同じような部屋だったが、壁が古臭く木が腐りかけていた。


「まさかダンジョンにつながっているなんて」

「ほんと・・・。それになんだがさっきより建物が古く感じるわね」

「ん。お化け屋敷みたい」

「あはは!!お兄ちゃんお化け屋敷だって!小学生ぶりだね!!」

「懐かしいわね。あの時ウィルは泣いて私に抱き着いてきたっけ」


「ムカシノハナシハワスレタ。ハヤクススムゾ」


 やめてくれ。

 思い出さないでくれ。


 皆は武器を手に部屋から出てみる。今回はアイーダもいる、彼女は防御力がないため、彼女を守るようなフォーメーションになる。


「ここは、もしかして」

「そうね、「匠亭」ね」

「どうしてダンジョンがこんな姿なの?」

「ほんと。ダンジョンって洞窟のイメージがあったけど」

「ダンジョンは色々な形があるわよ?」

「ん。城だったり塔だったり色々」


 そうなのか。


 僕もダンジョンと言えば洞窟のイメージだったな。


「ねぇ。今思い出したんだけど」


 エリザベスが何かに気が付いた顔をする。


「残り時間69;55になってるじゃない?そして魔力だまりが結界によって分散されなくなるのは約3日って言ってたわよね」


 確かにそんなこと言ってた。


「つまりね。残り時間が無くなると、もうここから出られなくなるんじゃ?」


 僕らは固まり背筋が凍り付く。


 ここから出られない?


 コノ、オバケヤシキカラ?


「皆!!早く進むぞ!!少女が、お孫さんが心配だ!!さぁ今行くぞお孫さん!!今助けてやるぞお孫さん!!何処にいるんだお孫さん!?」


「怖いのね、ウィルは」

「バレバレね」

「お兄ちゃん隠すの下手すぎ」

「ん。そこも可愛い」

「あぁ。また泣きついてきてくれないかしら」


 泣きません。抱き着きません。もう高校生なんだ。もう15歳なんだぜ?


 それに僕は男「うひぁぁ!?」。


 足元にあったのは首の取れた人形だった。


 僕はそれを踏んでしまい、むにゅっとした感触に驚いてしまった。


・「首の取れた人形」を手に入れた。


 いらんわ!!??怖いわ!?いじめなの?僕をいじめたいの?


「くくく。「うひぁぁ」だって」

「や、やめなさいよ。ふふ。可哀そうよ」

「あははははは!!」

「ん。アイリス笑いすぎ。ムフ」

「ふふっ。今度リアルでもお化け屋敷行きましょうか?」

「行きません。怖くありません。馬鹿にしないでください」


 くそっ。このままでは僕の威厳「うぴゃ!?」。


 人形たちが浮いて僕の正面に飛んできた。


・夢見る人形  LV46×4


 モンスターのようだ。


「聞いた?今聞いたうぴゃ?」

「「うぴゃ」だってうぴゃ!!」

「お兄ちゃん可愛すぎうぴゃ」

「むふ。ウィルキスしていいうぴゃ?」

「もうみんな、からからかいすぎじゃよくないうぴゃうぴゃ」


エリザベスが一番うれしそうじゃねぇか。


「くそっテメェらのせいだぞ!!」


 人形は弱かった。


 さすがにLV差がありすぎて敵にはならない。そして人形たちはアンデットの部類に入るようだ。光剣がよく効いた。


 夢見る人形たちのくせに起きてんじゃねぇか。寝とけよ。動くなよ。どんだけ寝相悪いんだか。


「アンデットってことは幽霊うぴゃ?」

「恐らくそううぴゃ」

「ってことはエリーゼ大活躍うぴゃ」

「ん。頑張るうぴゃ」

「エリーゼ、ガンバうぴゃぴゃ」


 クソっ。流行ってんじゃねぇ。なに使いこなしてんだよ。


 もう帰りたい「うぴゃ!?」。


 突然床から手が生えてきた。


・夢見るハンド  LV42×5


「寝とけやぁボケェ!!」


 僕は木の床ごと破壊する。


 なんで突然こいつら現れるんだ。


「うぴゃ、うぴゃ」

「もうおなか痛いうぴゃ」

「あははははははうぴゃ!!!」

「むふ。可愛いうぴゃ可愛いうぴゃ」

「もう!やめなさいうぴゃ」


「あぁ?なんか言ったか?」


「「「「「ごめんなさい」」」」」


 さすがの僕も怒る。めったに本気で怒ることのない僕が怒ると、さすがに皆も黙る。


 二度と!!

 二度と言うなよ!!


 恥ずかしくて死んでしまい「うぴゃ!?」。



ーー夢見るゴーストLV48×2が現れた。

ーー皆は大爆笑した。

ーーウィルはぶちキレた。

ーー近くの柱ごとゴーストを切った。

ーーゴーストを倒した。


ーーウィルの説教が始まった。

ーー皆を反省させた


ーー・・・・・・「うぴゃ!?」

ーー夢見るハンド×2、夢見る人形たちが現れた。

ーー皆は笑いをこらえている。

ーーウィルは力の限り暴れた。

ーーモンスターを倒した。


ーー本館にたどり着いた。


ーー「うぴゃ!?」


ーーどこからか少女のすすり泣く声が聞こえる・・・。

ーーウィルはどこからなのか探そうとする。

ーーだがみんなの笑い後でかき消された。


ーー夢見るゴースト×3が現れた。

ーー「うぴゃうぴゃうぴゃぁぁぁぁぁ!!」

ーーウィルは壊れた。

ーー本館玄関は大破した。

ーー夢見るゴーストを倒した。


ーー皆は怯えている。

ーーウィルは皆に微笑んだ。

ーー皆は怯えている・・・・。

ーー「「「「「うぴゃーー!!??」

ーー女性たちの頭にたんこぶができた。

ーー・・・・・・・・・・・・・・・。



「庭から聞こえるわ」

「いたた。そうね。行ってみましょう!」

「ごめんなさい。ごめんなさい」

「ん。ウィルが怒ると恐ろしい」

「そうね。もう気をつけましょう」


 二度と言うんじゃない!!

 二度とだ!!



 僕らは泣き声のする日本庭園が綺麗な庭に出た。が、そこには雑草は生え、橋は落ちた日本庭園があった。


「あそこに誰かいるわ」


 池のそばに少女と何かがいた。


・夢を見せるゴーストLV55


「あいつがボスか」


 僕がそうつぶやくのと同時に景色が歪む。ボスエリアに入ったんだ。


 僕は素早く光魔法をエンチャントしゴーストに切りかかろうとする。

 今僕は腹がたっているんだ。


 八つ当たりさせてもらおう。


「待って!!この人を倒さないで!!」


 少女が僕に向かって叫ぶ。


「え?君は「匠亭」のおかみさんのお孫さんだよね?」


 怒りながらこちらを睨む少女に、僕は問いかける。


「そうよ。でもおばぁちゃんなんか大っ嫌い!!私にはこの人がいればいいの!!」

「そいつはモンスターよ?危ないからこっちに来なさい!!」


 クリスが叫ぶ。


「モンスター?私の両親に向かって何言ってんの?」


 何言ってんだこの子は?

 少女の隣にいるのは確かにゴーストだった。


「ん。彼女は幻覚を見ている」


 エリーゼの言葉にみんなはハッとし、少女を鑑定する。


・アングレア  LV5  状態、幻覚、魅了


「どうやら、あのゴーストがかけた魔法みたいね」


 僕らは思った以上に厄介な相手と戦うことになった。

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