この世界はとても明るい
第2章
これは高校入学前の春休みのこと
「あわわわ………」
目の前から困ったと言わんばかりの声といくつかの物が転がって来た。
僕はそれをここが帰り道の途中だからとかここが一方通行だからという理由ではなくなんとなく拾おうと思っただけだった
「大丈夫?これ君が落とした物で間違いない?」
「ありがとうございます………」
坂の上までたどり着くとフードを被った少女がいた。
ここで唐突に僕の紹介だ。
浅田恵15歳男の子もうすぐ高校生勉強はまあまあできる運動は少し苦手だこんな僕の最大の特徴は………
「こんなにかわいい女の子に助けていただいて………私はとてもは嬉しいです。」
少女は満面の笑みでお礼をした。
そう僕の最大の特徴とは男の子…………ではなく男の娘であること。
「僕は男だ、女じゃない!」
「ご冗談がお好きなのですか?」
どうやら冗談と思われているらしいこのままにしてもいいことはないだろうなら冗談ではないことを理解してもらおう
「冗談じゃない本当に男だ!」
これぐらい強く言えばわかってくれるだろう
「まだそんなご冗談をおっしゃるのですね……もうこんな時間ですかそろそろ私は帰らなくてはいけませんではごきげんよ。」
少女は時計を見て別れの言葉を言って坂を駆け下りた
どうやら冗談ではないことを理解してもらえなかったらしい後ろを振り返ると少女が止まり手を振って走っていった。
そんな出会いがあった数日後にはここ国際学園島の中心にある国際星運高校に入学した。
この学校は少し変わっていて入学基準を満たしていれば誰でも応募ができその中から抽選で選ばれた人のみが入学できる。
「まず教室に入る前にこのくじを引け」
新しい教室のドアの前で僕らの担任が箱をだした。
何人かの生徒がくじを引いた後に担任はこのくじの意味を言った。
「このくじに書いてある数字がお前たちの席だ」
どうやらただの席決めらしく次々とくじが引かれていったその間に自分もくじを引いた25と書かれた紙を見て自分の席を探した
「あった……まだ周りは決まってないらしい」
窓側の席前から5番目のところに座り周りに人が来るのを待った。
「お、恵じゃないか」
「ナギ春休み振りだねまさか同じクラスだなんて」
僕の名前を呼びながら前に座ったのは中学からの知り合い物部渚ニックネームはナギ勉強は僕と同じくらいで運動は得意そしてイケメンである彼の特徴は耳である。
そしてナギと会話している間に後ろの席の人が来た。
「よ、よろしく……お願いいたします」
「こちらこそよろしく」
緊張しながらあいさつをして少女は席に座ったところで担任が教室に入り静かになった。
「全員いるな……ならまず窓側の席から自己紹介をしろ」
担任の言葉から自己紹介が始まった僕の席は窓側なのですぐに順番がきた。
「浅田恵です……よろしくです…………あと男です」
念のために男と言ったら僕の前と後ろ以外から意外という声が聞こえたそれととなりの少女はクスクスと笑っていた。
僕の自己紹介が終わり次は僕の後ろの少女の番となった。
「に、ニーナ・ソルト・アルルカンです……よろしくです」
少女もといニーナは僕より少し低い身長(僕が156センチだから153センチくらい)で金髪そして特徴はナギと同じく耳だ……頭から生えてるネコミミが彼女の特徴だ。
この世界では5人に1人の確率で動物の耳を持って生まれて来る人がいるミミはただの飾りで取れはしないが普通の人と特に違いはない。
ついでに言うとナギのミミはオウカミのミミだ。
その後も自己紹介が続いたがそんなことよりも後ろで笑いながら何かを書いているニーナのことが気になって見ていたらいつの間にか自己紹介が終わり担任が喋り始めた。
「ではこれより学生証と君たちがこれから住む場所の紙とそこのカギを配る名前を呼ばれたものから取りに来い」
一応ここは島なので家に帰れないから全生徒がこの島にあるマンションなどに暮らすというようになっている。
あとこの家決めも入学や席決めと同じくじを引いて決めているちなみに引いたのは春休み(この話の一番最初)の時であるそしてそのくじを引いたあと各自で全員1度 家の場所に行っている。
「浅田……お前はトラブルがあって場所が変わったまれにある事だがまー大丈夫だろう」
そう言うと担任は学生証と家の場所の記された紙とカギを渡したが紙に目をやると衝撃の事が書かれていた。
「せ、先生二階建て一軒家ってマジで言ってるんですか?」
「マジだ俺が適当に引いたらそこになったそれから変更もできないから……絶対1人で暮らす場所じゃないなワラ」
マンションから二階建て一軒家になったあとワラとか口に出して言う奴初めて見た。
諦めて席に戻るとナギが肩を叩いてきてそして
「ドンマイ‼︎」
満面の笑みで言ってきたそれと同時に周囲から笑い声が聞こえた。
そん間にも学生証等配りは続いたそんな時学生証等を受け取ったニーナが席に座る前に僕の机に何かを入れた。
それを担任の目を盗んで見ると中にはこう書かれていた。
『お話しがありますので放課後にあなたの家に行きます。』
書かれている内容が内容のため驚いたがふと考えると相手は家の場所知らないはずだ…………大丈夫だろう。
あれこれ考えている間にいつの間にか配り終えた担任がこれからの説明をした。
「まず明日と明後日は各自荷物が届くだろうからその整理に使うため休みだそしたら月曜日にここでよくある委員会決めとかベタな事をやる以上質問はするなめんどくさい」
そんな感じであとも続いて皆が帰宅始めた。
そして学校からの帰路ちょくちょく後ろを確認しながら家のある場所へと多少迷いながら帰った。
家に着いたら備え付けのベッドで寝ようと思いながら家を間近で見てとある言葉が漏れ出した。
「ここに一人暮らしとか……マジかよ。」
ため息を吐きながら玄関までたどり着くとそこには手紙の差出人がいた。
「お、遅かったじゃないですか」
「なるほど場所を間違えましたさようなら」
にこやかな笑顔と共にこの場から立ち去ろうとして後ろを向いた。
「待ってください……間違いではありません」
どうやらここが本当に僕の家で間違いないらしい……むしろ当たり前か地図を見てここまで来たのだからあと家の外見の写真も。
「なぜこの場所がわかった」
いかにもな質問をしてしまった我ながら普通としか言えない。
「そんなの簡単なことです…………まずこの島に二階建ての家はここにしかないからです」
「ちなみに二階建ての家がこれしかないってどうやって知ったの?」
とりあえずなんでもいいからうまく話を進めて帰らせようそれしかない。
そう思っていた矢先にとんでもない発言をした。
「立ち話もなんですから中に上がりましょう」
そう言いながら背中を押して玄関の前まで押され後ろを振り返ると満面の笑みで早く開けてください…………っと言われた。
「では、おじゃまします」
その笑顔が見てすんなりカギを開けてしまった。
ニーナは僕より先に家に入るとくつを脱ぎ捨てリビングだと思われるほうに向かった。
「少し座って待っていてください」
あとを追いかけるとニーナはお茶を淹れていた……いちおうここは僕の家だ。
そんな中で落ち着けるはずもなく周りを見回してるとニーナがやってきた。
「お待たせしました…………あ、あの質問ですけど恵さんは本当に男の方なのですか?」
「お、男ですよ!」
そう叫んだあとに学生証を取り出して見せた。
「う、嘘です…………こんな見た目で女の子ではなく男の子だなんて」
それからガタッとイスから崩れ落ち泣いているように見せた。
「……だ、大丈夫……ですか」
手を差し出すとニーナは嬉しそうにして手を取りそして取った手を引っ張りいつの間にか僕が押し倒されてる体勢となった。
「これであなたが本当に男の子か女の子かが白黒はっきりできます」
僕が状況を理解しようとしているときに僕の顔見て指を僕の…………⁉︎
「ちょ、ちょっとまって……それはダメー!」
彼女は僕のズボンを脱がせようとしていたので焦ってやめさせようと抵抗していると途中でやめてまた僕の顔を見て笑いながら言った。
「ふふふ、さすがにそこまではしませんよ……それにあなたが男の娘であることは学生証を見て納得していますので」
「うぅ、わかっててなんでこんなことしたのさ」
「改めて見ると可愛いくてつい焦った表情なども見てみたいくなってしまいました」
どうやらからかわれていたらしい……それにしても焦った何せいきなりズボンを脱がせれそうになったのだからそれにどうやら彼女自身もかなり恥ずかしかったらしい顔がリンゴのように赤いそしてネコミミが垂れ下がっている。
「ハァ、もしかして今のをやる為にわざわざここまで来たの」
「これはたんなる茶番です本当はお礼をするために来ました」
よかった本題がこれだったら正直泣けた……イヤまだこれが続くなんてことないよね。
彼女のにこやかな顔を見ていると不安になってきた。
「春休みはどうも困っていたところを助けてくださってありがとうございました。」
彼女は笑みを浮かべながら礼を言うとお辞儀をしたそんな彼女にふと春休みのことを考えてこんなことを言った。
「そんなことあったけ?」
その一言で彼女はガーンっと肩を落としそして勢いよく机を叩こうとしたがやめて普通に机に手を乗せ前かがみで語った。
「そう、あれは私が男の子人達に囲まれていた時あなたは小さいながらも私のことを…………ぽっ」
「そんなこと絶対なかったはずですそれにそんなことがあったら忘れられませんそれからぽっとか口で言わないでください」
そう僕の春休みにそんなことはなかった絶対に。
深呼吸をして息を整えると彼女が本当のことを言った。
「確かに内容は変えましたが絶対と言われると傷つきます……本当はあなたが春休みのとき私が坂で落とした荷物を拾っていただいたことです」
本当のことを告げた彼女の話を聞いて思い出した春休みの最後の方にそんなことがあったことを思い出した。
「それなら最初から本当のことを言って欲しかったよ」
それから彼女とは少しの間会話をしてそれからお茶を飲んでしばらく時が過ぎた。
「あら、もう夕方になってしまいました……流石にこの時間まではご迷惑だったでしょうか?」
「僕は楽しかったからよかったですよ……それに入学初日で友達が増えたのですから」
玄関に向かいながらそんなやり取りをしていると彼女が何かをつぶやいているように見えた。
「また学校で会いましょう…………さようなら恵くん」
とびらを開き振り返って言ったその言葉と彼女の笑顔は夕日のように明るかった。
「また学校で会おうねニーナ」
手を振りながらニーナを見送った。
そして休日が過ぎ学校へ行く日がきた。
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そして第1章なくてもいいとか言わないでください。