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恋の色は濁り色  作者: ピチュを
3章 梨沙の章 / 健一の章
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3章 5話 健一への想い / 停学処分

梨沙の章






翌日。梨沙は登校中に里美とばったり会い、一緒に投稿することにした。ちなみに、比岐島も一緒だ。


「そういえば梨沙ー。高尾から連絡来たの?」

「来たってわけじゃないけど、電話したら出てくれたよ」

「お!そうなの!?良かったじゃん!どんな感じだった?」

「いつも通りって感じ。でも、少しだけ声が低かったかなー」

「高尾の声が?いつも低いからそんなに変わらなくないか?」

「いつもより暗かったの。やっぱり忙しいのかなー」

「だと思うよー、まだ引っ越してから2週間くらいでしょ?」


健一が引っ越したのは5月の24日。現在は6月6日。約2週間の時が経っていた。


「やっぱりいろいろ心配だなー」

「結局梨沙は高尾が心配なんだね」


梨沙と里美は会話しながら歩く。比岐島はそれにちょくちょく声をはさみながら一緒に歩く。そして、校門についたころ、梨沙の携帯が震えだした。電話が来たのだ


「ごめん!先に行ってていいから!」


そういって梨沙は携帯を取り出し、電話に出た。


「もしもし?」

『梨沙か?こんな朝早くにすまん』

「健一君?大丈夫だけど」

『早めに言いたくてな。今週の日曜空けて置け』

「今週の日曜日?11日ってこと?」

『あぁ。11日空けとけ』

「いいけど...でもなんで?」

『理由は当日わかる。それだけだ。朝からすまん。じゃあな』

「あ、ちょっと健一君!?......切れちゃった」


電話の相手は健一だった。日曜日を空けて置け。それだけ告げて電話を切った健一。梨沙には意味不明だった。ただ、空けとけと言われたので、梨沙は自分のメモ帳を取り出し、スケジュールを書き込んだ。




「あ、梨沙。電話?なんだったの?」


梨沙が教室に入るなり里美が聞いてきた。


「健一君から。日曜日空けて置いてって言われた」

「日曜日?なんでまた......あーなるほどね」

「里美何か知ってるの?」

「いやー、しーらない」

「その言い方、絶対知ってるでしょ!」


里美はにやにやしながらそっぽを向き、鳴りもしない口笛を吹いている。


「はぁ、言いたくないならいいよ。健一君も当日まで待っておけって言ってたし」

「だろうなー。とりあえず、高尾が面白いこと考えてるってだけ言っておく」

「そっか...うん。わかった」


梨沙は少し不安がりながらも頷いた。それから、梨沙は自席に着き窓を眺めていた。





「はぁ...」


梨沙はため息をついた。今は昼休みに入ったところだ。梨沙は授業もまともに受けられず、ずっと上の空状態だった。幸い、テストが近いということで、今日の授業は自習が多かった。上の空の状態でも一応大丈夫ではあった。だが、里美はそれを許さなかった。


「りーさー!ちゃんと授業受けなきゃダメでしょ!」

「あ、里美。ちゃ、ちゃんと受けてたよ?」

「嘘!あたし時々梨沙を見てたけどずっと上の空だったじゃない!」

「そんなこと...」

「「あるな(あるね)」」


梨沙と里美が話しているところに、アクトとセリアが来た。手には弁当を持っている。


「あ、セリア君とアクト君」

「俺達も梨沙を見てたんだ!なんか元気なさそうだったしな!」

「そしたらずっと上の空だった。なんかあったのか?」

「いや、本当に大したことじゃなくて...」

「とりあえず言ってみろって。こっちとしては心配なんだよ」

「アクト君...じゃあお言葉に甘えて──」


梨沙は話した。健一からの電話のことを。それが気になって仕方ないことを。


「なるほどな...それだけでこうなるなんて結構きてるな」

「きてるって?」

「滅入ってるってことだよ。これだけでこうなるんだからそういうことでしょ?」

「そう...かも...」


梨沙は頷いた。自分でもわかっていたはずなのに、気づかないふりをしていたのだ。


「ま、とりあえず飯を食おうぜ。時間もなくなりそうだしな」

「そうだね。ご飯食べようか」


みんなは机をくっつけ、ご飯にした。




後日。6月11日午前8時。梨沙はベッドから体を起こした。


「ふぁ...あ、今日か」


今日は健一に電話で空けとけと言われた日だ。


「里見も知っているような感じだったけど何があるんだろう?」


梨沙は疑問に思っていたが考えても仕方がない。梨沙はリビングに行き朝ごはんを食べ、服を着替え準備を始めた。あれからまた健一から電話があり、健一が家に来るから準備をして待っていてとのことだった。午前9時半。梨沙は準備を済ませ健一を待っていた。


午前10時。インターホンが鳴る。梨沙は玄関へ行き、ドアを開けた。


「はーい!」

「よぉ。久々だな」


玄関先にいたのは健一だった。


「健一君!久しぶり!」

「おっと、んだよ。そんなに寂しかったのか?」


梨沙は健一に飛びついた。健一はそれを優しく抱きしめた。


「...健一君痩せた?」

「そうか?自分じゃわかんねんだが」

「なんか細くなってる気がする」

「たった2週間ちょっとでそんなに変わるもんか?」

「わかんないけどそんな気がする」


抱き着いてる梨沙はそう答えた。そう答えながら体を離した。


「じゃあ行くか」

「どこに行くの?」

「ついて来ればいずれわかる」

「う、うん。わかった」


健一は梨沙の手を引き歩き出した。











健一の章






「1年A組 高尾健一。先日、暴行を見られたため停学処分とす」

「......は?」


担任にそう告げられた健一は思考を停止させた。だがすぐに口を開く。


「待ってください。暴行って...」

「そのままの意味だが?先日、多々見を殴ったと聞いた。だから職員会議等もして、停学処分になった」

「あれは正当防衛です。あいつが俺に...その......スをしようと...」

「ん?なんだって?」

「だから!あいつが俺にキスをしようとした!だからとっさに出たんだ!それは正当防衛だろ!」

「詳しい理由は聞いていなかったがそういうことか」


先生はうーんと顎に手を当て考える。


「正直に言うと私もあなたを停学にはさせたくないの。だからあなたのことを信じてこのことを職員会議に持ち出すわ。一応まだ正式に決まったわけではないのだからとりあえず今日の所は授業に出て頂戴」

「...わかりました。じゃあ教室に戻ります」


健一は職員室を出た。教室に戻ると、もうすでに授業が始まっていた。


「すんません。担任に呼ばれてました」

「そうか、わかった。じゃあ席に戻ってくれ」


先生にそう言われ、健一は自席へ戻る。隣は空席だった。




昼になり、瑞風が健一のところへ来た。


「よぉ健一。隣いいか?」

「好きにしろ」

「じゃお言葉に甘えて」


瑞風は健一の隣の席に座り弁当を広げた。健一はパンをかじっている。


「で、どうだ?俺の作戦!」

「...やっぱりおめぇの仕業か」

「その反応、お気に召しませんでしたかな?」

「あたりめぇだ。停学になんてなってたまるか」

「意外と真面目なんだな」

「意外ってなんだよ。まぁ、たぶん梨沙の影響だろうけどな」

「あー、彼女さんの話はおなか一杯なんで遠慮するわ」

「惚気話をする気はねぇよ」

「だよな、お前はそういうキャラじゃねぇもんな!」


バシバシと健一の背中を叩く瑞風。まさに高校男子の昼という光景だった。その後も他愛もない話で昼を済ませた。





それから放課後になり、担任に再び呼ばれた健一は職員室へ向かっていた。


「失礼します」

「来たね高尾君」


担任が自分の机から手招きしているのが見えた健一は、堂々と担任の元まで歩て行った。


「朝の件ですか?」

「えぇそう。結論からいうわね」

「はい」


先生は一枚の書類を取り出した。


「1年A組 高尾 健一。停学処分を取り消す」

「はぁ...まぁそりゃそうですよね」

「あなたの言っていたことを話して、多々見さんに電話したの。そしたら証言が一致して、正当防衛だってことになったのね」

「だから言ったじゃないですか」

「仕方ないでしょ?そういう決まりなんですもの。そういうわけだから明日からも元気に登校なさい。それじゃ要はそれだけだから」

「はい。失礼しました」


健一は一礼した後、職員室の扉までまっすぐに進み、出て行った。






それから数日。何事もなく日々が過ぎて行った。ただ一つを除いて。



「これでよし」


6月6日。健一は携帯を耳から外してそう言い漏らした。そして教室に入る。少し遅れて瑞風が教室に入ってきて、健一の元へ来た。


「よぉ!健一!」

「瑞風か」

「今日も多々見は来てないのか」

「みたいだな。俺にとってはありがたいことだが」

「相変わらずひでぇな」


そう。あれからずっと静香は学校を休み続けている。さすがにここまで休まれると、正当防衛としてことを終えた停学の話もまた出てきかねない。そんな中でも健一は冷静だった。


「てか健一、なんかうれしそうな顔してんな?なんかあったのか?」

「なんもねぇよ」

「...分かった。彼女をデートにでも誘ったのか?」

「......」

「え、図星か!?そうなのかマジなのか?!」

「うるせぇな...あぁそうだよ。なんか文句あるのか?」

「いや、ねぇけど...それで顔が緩むことって本当にあるんだなと思ってよ」

「お前...一発でいいから殴らせろ」

「冗談だよ!マジになるなよ!あ、そろそろ俺席に戻るわ!じゃあな!」


瑞風は慌てた様子で自席へ行った。健一の顔が怖かったのだろうか。


「ふぅ...とりあえず11日だな」


6月11日。この日に梨沙との約束がある。


「あ、時間と場所を言ってねぇな。後で電話しておくか」






それから日が経ち、6月11日。健一が梨沙と約束した日だ。健一は電車に乗り、梨沙の元へ向かった。健一が今住んでいるのは元いた町から電車で2時間ほどの距離にある。会おうと思えば会える距離だが簡単には会えない。そんな距離だ。


午前9時半ごろ。健一はホームに降りる。それから梨沙の家へと向かって歩き出した。駅からまっすぐ梨沙の家に行こうとすると、ショッピングモールは避けて通れない。ショッピングモールをまっすぐ歩いていると見慣れた女性が声をかけてきた。


「高尾!」

「ん?前川か」


声をかけてきたのは里美だった。たまたまここで買い物をしようとしていたらしい。


「久しぶりだね!急にどうしたの?」

「...なんでもねぇ。忘れ物を取りに来ただけだ」

「ふーん、忘れものねー。それって梨沙の唇だったりして」

「な?!てめぇ!」

「あ、図星かな?高尾ってわかりやすいよねー」

「うるせー。時間がねぇから俺は行くぞ」

「はいよ。がんばってきなー」


健一は歩き出すと、里美は手を振って見送ってくれた。




それから約30分。午前10時。梨沙の家に着いた健一はインターホンを鳴らす。そして、ドアが開かれそれと同時に梨沙が出てくる。


「はーい!」

「よぉ。久々だな」

「健一君!久しぶり!」

「おっと、んだよ。そんなに寂しかったのか?」


梨沙は健一に飛びついた。健一はそれを優しく抱きしめた。


「...健一君痩せた?」

「そうか?自分じゃわかんねんだが」

「なんか細くなってる気がする」

「たった2週間ちょっとでそんなに変わるもんか?」

「わかんないけどそんな気がする」


抱き着いてる梨沙はそう答えた。そう答えながら体を離した。


「じゃあ行くか」

「どこに行くの?」

「ついて来ればいずれわかる」

「う、うん。わかった」


健一は梨沙の手を引き歩き出した。

おはこんばんにちは!ピチュをです!今回の話を呼んでくれたのでわかっていると思いますが、同じ終わり方になりましたね。なので次回は梨沙の章と健一の章は別けずに1話書きます。タイトルも別けないで起きますのでそのことを忘れないでください!


私の小説を読んでいただいている皆さんには感謝の言葉しかありません。ありがとうございます(o_ _)o

今後も応援のほど、よろしくお願いします!

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