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恋の色は濁り色  作者: ピチュを
2章 二人の恋路
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2章 17話 カップルでペア

翌日。健一が起きるといい匂いが漂ってきた。


「ん?なんだこの匂いは...味噌汁か?」

「あ、健一君!おはよう!よく眠れた?」

「あぁ、おはよ、梨沙。で、その格好は?」


梨沙は普段着にエプロンをつけている状態だった。


「お?高尾起きたの?意外と早いね」

「前川か、ってお前もエプロン着けてんのかよ」

「いいでしょこれ!お母さんのだけど」

「いいかどうかは置いといて...なんとなく察したぞ」

「ほほう...あ、裸ではないからね?」

「んかなこと聞いてねぇよ。エプロンつけてるんだし朝めしでも作ってんだろ?」

「ま、そういうこと!梨沙も早起きだったし、あたしも早く起きちゃったから作ろうかなって思って!」

「変...かな?エプロン姿」

「変ではないから安心しろ。それで、飯はなんだ?」

「とりあえず白米と味噌汁...それと焼き鮭だよ。あ、ご飯には好きなものかけて食べていいから。もうすぐできるから待ってて!」


健一は椅子に座り待っている。その間、健一は梨沙の方をちらちらと見ていた。梨沙は気づていない様子だったが、里美は気が付いていた。そのタイミングで比岐島が起き、四人で朝ごはんにする。ちなみに、里美の姉{本名:前川まえかわ 花美はなみ。以下花美}は今日は朝から学校らしく、もうすでに家を出ている。


ご飯を食べ終わると、みんなで出かけないかということになり、全員でショッピングモールへ出かけた。一応カップル二組のお出かけなのでダブルデートということになる。


「いやー、ここに来るのも久しぶりだね!」

「そうだな、前は比岐島なしの三人だったか」

「そうだね、私と里美と健一君だったね。私たちが付き合う前の時だよね」

「そんな時期に来てたのか」

「でも、今日は四人だよ!付き合ってる二人組でね!」


里美と比岐島、梨沙と健一のペアで手を繋ぎながら歩いてる。完全にカップル2組のお出かけだと、他のお客さんからも見えただろう。でも、誰も恥ずかしがらずにいる。きっともう慣れたのだろう。


「まずどこに行こうか!比岐島は?」

「そうだな...カラオケなんてどうだ?」

「カラオケか...いいんじゃねぇか?」

「私、歌はあまり得意じゃないんだけど...」

「でも楽しいよきっと!じゃあカラオケでも行こうか!」

「「「おー!」」」


みんなでカラオケに行くことになった。ちなみのこのショッピングモールは様々なものがある。遊び場もそうだが、買い物に関しても、ここなら困るものはほぼない。


カラオケに着くなり、受付を済ませ部屋に入っていた。ちなみに今は梨沙と里美がデュエットで歌っているところだ。


「なぁなぁ高尾」

「んだよ比岐島」


比岐島が健一に話しかける。


「お前さ、鈴城さんの歌聴くの初めてなのか?」

「そうだが...なんでだ?」

「いやー、すごい集中して聞いてたしさ、そうなのかと思ってよ」

「そういうお前も前川の歌初めてなんじゃねぇのか?」

「まぁな。まだ付き合って間もないし。そういえば高尾って、里美と小学校同じだったんだよな?」

「あぁ、そうだ。中学は家の場所的に離れたがな」

「じゃあ里美の歌声も聞いたことあるってことか?」

「まぁ、そうだな。小学のころは合唱とかもあったしな」

「...うらやま」


比岐島はぼそっとそう言った。もちろんまだ里美と梨沙が歌っているのでその言葉は健一には届かなかった。


そして里美と梨沙が歌い終わると、マイクを健一と比岐島に渡した。次は健一と比岐島のデュエットだ。もちろん健一と比岐島はノリが全然違う。だが、歌いだすと健一も比岐島も同じノリ...とまではいかないが、似たようなテンションになっていく。


「すごい...健一君のあんなテンション初めて見た...」

「高尾、昔はあんな風に明るかったのに、高校に入って会ってみたらここまで変わってるんだもん。三年で人って変わるものだよね」

「そういえば、里美って健一君と学校おんなじだったんだっけ?」

「うん、小学校だけね。中学校は家の関係で離れたけど」

「そっか...」

「どうしたの?」

「いや、いいなーと思って。小学校の六年間も健一君と一緒だったんだなって」

「まぁ、そうかもしれないけど小学校が一緒だからって何かが変わったわけじゃないよ?」

「でも、一緒ってだけでうらやましいな」


梨沙は少し寂し気にそう言った。里美はそれを聞き、梨沙の頭をくしゃくしゃに撫でる。


「ちょ、ちょっと里美?」

「これから楽しい思い出作ればいいじゃん!高校だって三年もあるんだからさ!」

「う、うん...」


そう、高校自体は三年間だが、健一との時間はそんなにないかもしれない。なぜなら...


(健一君...後1ヶ月で引っ越すかもしれないんだよね...)


そう、里美はまだ知らないが、健一は6月半ばで引っ越すと梨沙とアクトに言っている。今は5月14日土曜日。健一が本当に引っ越すのであれば、本当にあと1ヶ月ほどしかない。梨沙はやはり気にしているようで、その後もあまり元気がなかった。




カラオケを終えた後、どこかでご飯にしようとのことで近くにあったカフェに入った。健一と里美はカレーを、比岐島はナポリタン、梨沙はサンドイッチを頼んだ。


「梨沙、サンドイッチだけで足りるの?」

「うん、このくらいがちょうどいいんだけど...」

「鈴城さん小食なんだね」

「そういえば学校でもあんまり食ってないな」

「健一君はすごい食べるよね。比岐島君はそうでもないのに」

「いやいや、俺だって割と食うぞ?学校ではあんま食ってないど」

「なんで学校では食べないの?」

「食費がな...こういう風に遊ぶ時のために節約してんのよ」

「そういや比岐島って仕送りで生活してんだっけ?」

「そうなんだよ...って高尾なんで知ってんの?」


不思議そうに比岐島は聞いた。比岐島は誰にも話したことがない事を、さも当然のように健一に言われて驚いていたのだ。


「なんでと言われても...耳にしただけなんだが...」

「いやいや、誰にも言ってないんだが...」

「そこはあたしよ!自称事情通のあたしが比岐島が寮に住んでるって言ったのよ!比岐島に知ってることを言ったわけじゃないけど、口止めもされてなかったしね」

「里美の仕業か...まぁ、いいけど」


比岐島が肩を落としたところで、注文品が出てきた。食べている間も多少の会話はあったが、長く話すことはなかった。


カフェを出てから、待ち合わせをして別行動になった。それぞれの買い物をしようとのことで、男女に分かれて行動した。梨沙と里美は服やアクセサリーを、買いに行った。


「梨沙、これなんてどう?」

「それは里美の方が似合いそうだよ」


里美が手にしたのはハートのイヤリングだ。銀のハートの枠の真ん中にサファイヤのような青い石が飾ってある。


「里美はこんなのどう?」

「ネックレスはいろいろもってるからなー。お姉ちゃんがくれたやつだけどね」


梨沙が手にしたのは、金の十字架の中心に白い石が飾っているネックレスだった。


「やっぱりこういうところ来ると迷っちゃうよね」

「そうだねー。あ、そうだ!いいこと思いついた!」

「里美?」

「せっかく二人とも彼氏がいるんだから、ペアもの買わない?」

「ぺ、ペアもの!?」

「そうそう!なんかのアクセサリー買って、そのペアを相手に渡すの!よくない?」

「は、恥ずかしいよ...」

「いいじゃん!多分今日も家に泊りでしょ?だから寝る前に渡しに行こうよ!」

「うーん...じゃあ、そうしようか」


そうして、アクセサリーを選ぶ梨沙と里美。待ち合わせ時間ぎりぎりまで、悩み選んでいた。




一方、男子ペアは。


「おい高尾、選び終わったのか?」

「あぁ」


二人は服を見に来ていた。


「どれどれ、見せて見ろ!」

「ん」

「......もうちょい色合い考えようぜ...」

「俺はこれで良いんだが」

「寂しすぎね!?」


二人が選んでいるのは自分用の、かつ次回のデートで着ようと計画している服だ。


「そうだな...お前ならこれとかどうだ?」

「...俺に合うのか?」

「高尾は無愛想だからな。これくらいしないと」

「...」


健一はしぶしぶ受け取り試着する。その間比岐島は自分の服を選んでいた。健一が着替え終わり出てくると。


「おぉ!やっぱりいいじゃねぇか!それで決まりだな!」

「...派手すぎると思うんだが...」

「お前は派手すぎるくらいがいいんだよ!」

「はぁ、まぁそういうならいいけどな。俺はこういうのわかんねぇし」

「おう!そうしとけそうしとけ!」


二人はレジに進んだ。意外とすんなり決まったので、時間が余ってしまった。


「なぁ、高尾。少しゲーセン行けね?」

「別にかまわんが...俺はそういうのやらんぞ?」

「お前が暇しないなら別にそれでもいいんだけどよ。じゃあ行こうぜ!」


こうして二人...いや、ほぼ比岐島一人だったが、時間ぎりぎりまでゲームセンターで遊んでいた。






待ち合わせ時刻ほぼぴったりに全員が待ち合わせ場所に集まった。そろそろ日が傾き、夕方になろうとしていた。


「そろそろ帰った方がよさそうだな」

「そうだねー、そろそろ帰ろうか!」

「今日も里美の家か?」

「そうじゃない?着替えあるよね?」

「私はあるよー」

「俺もある」

「俺もあったと思うぞ」

「じゃあうちの家でいいね!」


四人は歩き出した。目的地は里美の家だ。帰り道もみんなでわいわい話ししていた。何事もなく家まで歩いていた。


家に着くと、花美が晩御飯を作っていた。


「お姉ちゃん、ただいまー」

「里美おかえり!ちょっと手伝って!」

「はーい!荷物置いて着替えたら来るね!というわけだから、高尾と比岐島はリビングで待ってて」

「「おう」」


里美は梨沙と一緒に部屋へ戻った。健一と比岐島はリビングに向かった。


「高尾君と比岐島君も少し待っててね。あとー...15分くらいでできるから!」

「急がなくてもいいっすよ」

「そうですよ!むしろ手伝いますよ!」

「気持ちだけ貰っとくね。里美がいるから人では足りるの。それに...」


花美はニヤッと笑い、言った。


「彼氏がいるなら料理の一つや二つはできないとねー」

「お、お姉ちゃん!?」


タイミングばっちりで入ってきた里美が驚く。なぜなら、姉には恋人ができたことなど言っていないのだから。そして、里美はすぐさま比岐島を見る。比岐島は、里美が言いたいことを理解したのか、大きく首を振る。里美は大きなため息を吐いた。


「どうせ、高尾でしょ?もう、なんで言っちゃうのよ...」

「勝手なこと言うなよ。俺は何も言ってねぇぞ」

「じゃあなんでお姉ちゃんが知ってるのさ」

「それは一昨日の作戦会議でお前が必死だったから、姉さんが気づいただけだ」

「え?そ、そうなの?」


首をかしげながら、里美は花美を見た。にこっと笑って見せる花美。その顔をみて、里美はまた大きなため息を吐いた


「まぁ、いいけどさ、いつか言おうと思ってたし」


そう言いながら料理の手伝いに向かう里美。少ししてから、梨沙がリビングに来た。そして、みんなでご飯を食べた後。疲れたのかすぐにンる準備をしていた。健一と比岐島の準備が終わった頃、梨沙と里美がリビングに入ってきた。


「ん?どうした二人とも」

「あの...あのね?渡したいものがあって...」

「そう、あたしは比岐島に、梨沙は高尾に渡すものがあるの!」


そう言ってそれぞれがそれぞれの目の前にたった。そして差し出した。綺麗にラッピングされた箱だ。


「空けていいか?」

「うん...気に入るといいんだけど...」


健一は丁寧にラッピングをはがし、箱を開ける。そこには、


「...ネックレス...しかも羽?」

「うん、健一君、デートの時翼のネックレスつけてたから、こういうのいいかなって。私と色違いの買ったの」


そう言って梨沙は首元から、健一に渡したものの色違いのネックレスを出して見せた。


「なるほどな」

「どうかな?」

「サンキュ。大事にしとく」

「うん!」


健一は笑っていた。その笑顔が作り物か本心かまでは分からなかったが、普段あまり表情がないので、本心かわからなくてもうれしいものだろう。梨沙も笑顔になっていた。

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