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プリンアラモード
気まずい。先輩の元カノさんとファミレスにいる。先輩の好きなプリンアラモードを食べながら。
「全く理解できないわ。プリンだけで美味しいのに、なんで飾り立てるのか」
何となく先輩が好きなのが分かる。格別なプリンにさらに格別な装いで。
「そして今度はこんなチンチクリンか。趣味ワル」
私はプリンアラモードを堪能する。先輩に憧れる人は多い。彼女がどんな想いで先輩を好きになったのかは知らないが、プリンアラモードを好きなことを知ってる人は少ない。知っていてなお先輩のことを見ないこの人を見やりながら思う。
なんてもったいない。
「特別を、もっと特別にしたいだけなんです」
私は席を立つ。
「特別はゆずりませんので」