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猫で行こうぜ7

太郎はクロヒョウ勇者と共に森の中を進んでいた。

もう3日も歩き続けている。

段々とマタタビの良い匂いがしてくる。

太郎「ドラゴンはどれくらい?」

勇者「あと少しだ!」


しばらくするとカイコの繭のような物が周りマタタビの木をへし曲げながら空中に浮いていた。


勇者「あれだ!あの繭の中にドラゴンが!」

太郎(なんか…思ってたのと違うな…兎に角!マタタビだ!)


太郎(ドラゴンなら本気でやろう!)

太郎は全力でジャンプして繭に体当たりした。

勇者「ああ!待て!」

『ゴパン!』

衝撃で繭が揺れるが破れない。

太郎の身体中の毛に綿飴がこびり付いてくる。

太郎「気持ち悪いィィォ!」

太郎は四肢を伸ばして糸を切ろうとするが切れることはなかった。


太郎「助けてくれー!」

勇者「伝説!」


ドラゴン「誰だ!眠りを妨げる愚か者が!」

ドラゴンは繭から顔を出して太郎と勇者を見る。


太郎は糸に絡め取られながら叫ぶ。

太郎「俺だ!ここから出て行け!今なら許してやる!」


勇者「あぁぁぁ…伝説!」


ドラゴンはニヤリと笑った。


ドラゴン「フフフ!なんだ?貴様は?その小さな小さな爪と牙でどうする気だ?」


確かにドラゴンと太郎の体格差は100倍では収まらない。


太郎「お願いです!食べないで!」

太郎はブルブル震えて見せた。

ドラゴン「クハハハ!ダメだな!」

ドラゴンは太郎を口に含み上手に舌で転がし、牙で噛み、ゴクリと飲み込む。


太郎「グァー!」

太郎(いてー!噛むなんて!ずるいぞ!昔話的には一飲みにするだろのが、セオリーだろうが!!)

ドラゴンの牙で右腿がズキズキ痛い。


太郎はドラゴンの喉の内側にネコパンチして穴を開けてしがみ付いた。


ドラゴン「グェー!エ!エ!」

ドラゴンは太郎を吐こうと必死にもがいている。


勇者「ウオー!」

勇者は暴れるドラゴンから逃げるので精一杯だ。


太郎にとって暴れるドラゴンの喉にしがみ付いていること自体は然程《さほど》苦ではない。

太郎(さて…どうしようかな…腹の中に入って破るか?)


太郎の脚には先程の糸がまだ付いていて、それはドラゴンの口の方へ繋がっていた。


『シュルシュルシュルシュルシュルシュル』

勇者「おぉー!」

ドラゴン「グェー!」

ドラゴンの口にドンドン糸が入っていく。


ドラゴンは羽を広げて飛び上がって抵抗するが喉の太郎には何の関係もない。


ドラゴン「ギザマー!」

ドラゴンは糸を掴み引くが、抵抗虚しく糸は止まらない。


太郎「無駄無駄無駄!ドンドンいくぜー!」


ドラゴン「なんだ!この力は!マズイ!」

ドラゴンの喉にドンドン糸が詰まり。

ドラゴンの呼吸が乱れていく。


太郎(何の音だ?)

太郎の下、喉の奥から音が聞こえる。

太郎(ドラゴンと言えば炎…まさか!)

『ゴゴゴゴゴゴ…』

太郎は糸を残して、急いでドラゴンの喉を掘り進む。


太郎(ヤバイ!ヤバイ!炎が来る!さっきの牙は痛かった!ワイバーンとは違って炎が大丈夫な自信はない!)


太郎の目の前に管が出現した。


ドラゴン「ゴバァ!」

ドラゴンは炎を吐き糸を焼き尽くした。


ドラゴン「ハァハァ!死ねい!!」

ドラゴンの目にはネコのシルエットが黒く映る。

そのシルエット目掛けて炎を吐くが、シルエットが消えることはない。

ドラゴン「貴様!魔法か!」


太郎シルエットがドラゴンの方を見る。


太郎「ああ…ここ目か!」

太郎は血管を通り、目に到達していた。


ドラゴン「貴様!出て行け!」

『バゴンッバキバキバキュ』

太郎はドラゴンの血管を流れながら暴れに暴れた。


ドラゴンは悲鳴と共に地面に落ちて、バタバタと暴れていたが、次第に力なくグッタリした。


ドラゴン「そんな…馬鹿な…猫に…」

太郎(ウォータースライダーが止まった…心臓が止まったのか…)


太郎は適当な所で穴を開けて外に出た。

勇者「スゲェ!マジで!」

太郎「さぁ!みんなを呼べ!マタタビフルコースで!俺を持て成せ!」


クロヒョウ達はマタタビを思う存分料理し、太郎はマタタビを吸って吸って食べて吸って齧って。


太郎「うぅなんか…調子が悪い…」

長老「もうマタタビはおやめ下さい!」


太郎「うるさい!マタタビが万能薬なんだ!」

太郎(マタタビを吸ってる時は調子が良い!)


太郎はマタタビ中毒にかかってしまっていた。

村長「加工が間に合いません!少し…」

『バキバキッ』

太郎はマタタビの木を蹴り倒し、火をつけた。

太郎(あぁぁぁぁぁあぁぁぁあぁぁぁぁぁあぁぁぁあぁぁぁあぁぁぁあぁぁぁあぁぁぁあぁぁぁあぁぁぁあぁぁぁあぁぁぁあぁぁぁ)







太郎が目を覚ますと白い霧に囲まれていた。

目の前には神だ。


神「はやかったね?」

太郎「え?終わり?」

神「いくらなんだって吸いすぎだよ」

神は水晶玉を太郎に見せた。

太郎の居た森は黒焦げになっていた。

神「山火事になっても吸い続けてるなんてね」


太郎「ああ…じゃあ仕方ないか…マタタビ…さぁ!天国へ連れて行ってくれ!」


神「え?いやいや君猫でしょう?」

太郎「だから?」


神「ファンタジーでは猫の魂は一つじゃないよ…」


太郎「ああそっか…」


気がつくと太郎は知らない街の石畳の上で寝ていた。


太郎「さぁーて、次は何しよっかなぁ!」


ーーーーEND


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