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猫で行こうぜ3

太郎は街の中央へ向かって歩いていく。

先程屋根を飛び回っていた時に見えていた。

街の中央に200mはあろうかという時計台に

太郎は登ってみようと思っていた。


もう夕日で当たりは赤く染まっていた。


太郎(やっぱりでけぇ!レンガでこんなデカイ建物よく作れんなぁ!感動しちゃうなぁ…)

後方から猫の鳴き声が近づいてくる。


爺さん「よう、あまり見ない顔だな…おめいさん、新顔かぁ?」

魚を持った爺さんは太郎に話しかけた。


魚目当てに野良猫が爺さんの周りをクルクルしている。

太郎は爺さんを観察する。


太郎(港の方から来たな…漁師かなんかか?魚の詰まった箱と…弁当箱か?)


爺さん「お前さんの分もあるでよ〜、食べな」


爺さんは魚の詰まった箱を地面に置いた。

野良猫は一斉に魚に襲いかかっている。


爺さん「ほらぁ、遠慮しねーでぇよぉ」

爺さんは箱から魚を取り出し太郎に放る。


悪い気はしないが、太郎はそっぽを向く。

太郎(ギョウ虫が怖いので生は結構!)


爺さん「あらぁ〜、はらいっぺぇかぁ?」


時計男「父さん!また来たの?みんな迷惑してるんだからエサやらんでよ!」


爺さん「だって可哀想だっぺ?ほらコレよ」

爺さんは時計から出てきた男に弁当箱を手渡した。


時計男「ありがとう、ほらほらもう行きなよ」

時計男は爺さんをグイグイ押すが爺さんは抵抗する。

爺さん「仕事頑張れよぉ〜」


時計男は時計台へと入って行く。


太郎は身体中が痒くなって転がりまわっていた。

太郎(くっそ痒い!ん?ギャァァ!)

魚を食べる猫が食後の休憩をしている…身体中をかきながら、小さい虫…いやノミが飛び散って石畳を飛び跳ねている。


太郎の近くでも飛び跳ねている。

太郎(小さくて気がつかなかった!こいつらか!)


太郎はノミにネコパンチを繰り出した。

『メコッ!メコォ!コォ』

ノミと共に石畳が砕けていくが太郎には関係ない。


ノミのあまりの数に太郎の処理も追いつかない。

爺さんは石畳を割る太郎を見ている。

爺さん「なんだぁ?」


太郎は爺さんからもノミが出るのを目撃した。


太郎(やべーよ!このジジイ!)

太郎は時計台に向かってジャンプした。


太郎は石畳を踏み抜き、その勢いで時計台のテッペンまで到達出来た。


太郎はそこにいた兵士と目があった。


兵士A「おい!兵士B!見たかよ!猫が飛んで来たぞ!」


兵士B「はぁ?お前何言ってんだよ…お前!猫連れてきたのかよ!」


兵士A「ちげーよ!飛んで来たんだ!」

兵士Bは大笑いする。

兵士B「くっだらねぇー!お前その嘘の為だけに猫連れてきたのかよ!ハハハ!」


兵士Aは顔を真っ赤にして怒る。

兵士A「本当だ!」


兵士B「お前、笑いに命かけてんなぁ〜、隊長が見たらやべーぞ!」


時計男「何事だ?貴様ら!ネコを連れてきたのか!」

兵士達は時計男に怒られている。

だがそんな事は太郎に関係ない。

太郎(夕陽が綺麗だなぁ)


時計男はごちゃごちゃ兵士達の過去の汚点まで持ち出して怒っている。


気の短い太郎は我慢の限界だ!

太郎「うるせぇぇ!黙れぇぇ!」


時計男達はギョッとした顔で太郎を見ている。


太郎は再び夕陽を眺める。

太郎(いいなぁ…自由って感じだ!…ん?)

夕陽の方からカモメのような生き物が飛んでくる。


太郎ああ…ドラゴンだよね…あれ


時計男達は太郎が何を見ているのかと、太郎の見ている方向を確認したが、何も見えない。


時計男「おい!兵士A!双眼鏡で何を見ているか確認してみろ!」


兵士A「ワイバーンです!こっちに向かってます!」


『ボォ〜』

時計男は角笛を鳴らす。


その音は近くにいた太郎にとって不快でしかない。

太郎「うるせぇぇ!やめろぉぉぉ!」


時計男は聞こえて無いらしい。


時計男「はぁはぁ、ワイバーンは逃げたか?」


兵士B「駄目です!全然逃げません!」

時計男「駄目か!後は魔法使いに頼むしかない!」


太郎(魔法使い…ああ!居る居る!城壁で青白く光ってる。)


ワイバーンのくる方向の城壁に魔法使いらしき奴が並んで青白く光ってる。


ワイバーンに向かって花火の様な火線が無数に殺到した。

太郎「たっまやー!」


時計男「どうだ!ワイバーンは!」

煙の中からワイバーンが飛び出して魔法使い達を食い千切っている。


太郎(あらら、やられちゃってる)

兵士A「ひぃ!全滅…みたいです」


時計男「くそぉぉ!時間稼ぎだ!冒険者が来るまで!」

『ボォ〜』

時計男は角笛をしゃぶっている。


兵士A「うわぁぁぁ!駄目だぁ!」

ワイバーンは口を開き、時計台に向かって火を吹いた。


ワイバーンの炎は先頭に座っていた太郎に遮られ、二つに分かれた。


時計男「な!な!」

太郎の後方にいた時計男達は無事らしい。


太郎(そうか!俺はワイバーンより強かったのか!)


ワイバーンは再び火を吹くが結果は同じだ。


太郎「行くぜ!ワイバーン!」

太郎は思い切りジャンプしてワイバーンに体当たりする。


ワイバーン「ゴァァァァァァ!」

太郎はワイバーンの身体を簡単に突き抜けた。


太郎(と!止まらない!!)

時計塔を半分とワイバーンを崩した太郎は何処までも何処までも飛んで行った。

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