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猫で行こうぜ2

太郎の居る街は城下町らしかった。

中央には中世の城、西は港、東は商店街、北は裕福な家、南は貧しい家。

太郎は10分程で街を20周回った。


太郎(流石に飽きてきたな…)

太郎が町の南側の広い屋根に座り、手で顔を洗っていると下から怒号が聞こえてきた。

男「小僧!何回言ったらわかるんだ!このままなら今日は飯抜きだぞ!」

男は泣きながら謝る少年を叩いている。

小僧「ごめんなさい!ごめんなさい!」

男「ふん!わかったら早く行ってこい!」

男は去り際に少年を蹴飛ばし、家に入って行った。


ボロを着た少年はヨロヨロと立ち上がり商店街の方へと泣きながら歩いていった。


太郎は少年に興味が湧き、話しかけてみる。

太郎「少年、どうした?」


少年はこっちを見ると驚きジロジロ見てくる。

太郎「少年、どうした?」

少年は答えない…太郎は飽きて立ち去ろうとする。

少年「待って!猫さん喋れるの?」

太郎は余計な問答は嫌いなので…耳の裏が痒い。

太郎は後ろ足で耳をかこうとした時、少年の手が太郎の耳をかいた。

太郎(いい気持ちだなぁ…もう一回くらい聞いてやるか)


太郎「少年、どうした?」

少年「僕、孤児で…施設の大人に…金を渡さないと帰れない…」


太郎「なるほどなぁ…」


太郎と少年は見つめ合い静かな時間が流れた。

少年「助けてくれるの?」

太郎「猫の俺にどうしろってんだい?」

太郎(今度は首が痒い、ノミかな?)

少年「わかんない…けど」


近くの施設で聞き耳を立てていたのか先程の男が怒鳴る。

男「ゴラァ!まだいんのか!」


少年「ご、ご、ごめんなさい!」

走る少年に太郎はついて行く。


商店街で少年はキョロキョロしている。

太郎「何か盗みたいのかい?」

少年「うん…お腹減ったなぁ…」

少年は屋台の肉を見て喉をゴクリと鳴らした。

太郎「さっきから肉ばかり見てるじゃないか、盗むなら…そうだなぁ…お!あれなんて良さそうじゃないか」


太っちょの商人の前に大きなサンゴが置かれている。


少年「そんな…怖いよ!」

太郎「あれだ!あれが良いよ!よし任せろ!俺が気を引いてるうちに盗むんだぞ?」


太郎は上品にサンゴ屋の布製の屋根に飛び乗った。

太郎(あとは丁度良い女が居れば…品の良さそうな…美人で…スカートが良い)


右手から丁度良い女が歩いてきた。


太郎(よしよし!)


商人「小僧!ウロチョロするんじゃねえ!」


太郎は驚きビビビット飛び上がった。


少年は不自然に近づき商人に警戒されている。

太郎(近いって!ダメなやつだなぁ…)

太郎は女が近くに来たタイミングで屋根でバリバリと音を立てながら爪研ぎをした。


商人「くらぁ!」

商人は屋根を穴だらけにされてブチギレている。


女が近くでこちらを見ている。


太郎はさっそうと降り立ち商人の棍棒に当たらないように女のスカートの中へ逃げ込んだ。


女と商人は気まずそうにしている。


太郎「んみゃ…んみゃんみゃ」

太郎は女の足に体をこすり付けてみた。


女「あらあら…どうしたんですか?」

商人「あ…いえね…その猫がおいたをしたので…」


太郎は女の周りを尻尾を立てながらグルグル回る。

太郎の尻尾はスカートを少しだけめくり上げ商人は興味津々だ。


太郎(男はチラリズムに泣く!これは異世界でも同じこと!少年!今だ!)


少年はそっとサンゴを取り走って行った。


太郎は動きを止め女に体を撫でさせ満足した風に商店街を後にする。

女「猫好きなんですよねぇ」

商人「も、もうダメだそぉっ…さて仕事に…あ!無い!無い!」


太郎(駄賃は貰ってくぜ!)

太郎は路地裏へと消えていく。



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