生きていたい
『王子は美しいまま終わりたかった』
周りの人達に心配をかけたくない。
周りの人達、愛した人に見送られたくない。
そんな思いからガルディニヤは研究室に向かって歩いていた。薄暗い階段を降りて、狭い通路の奥にある扉を開く。
「ローゼ、いるか?」
薄暗かった階段や通路と違い、白くて明るい、寧ろ眩しい部屋にその声がこだまする。
すると、部屋の奥から薄い水色の髪をおかっぱにした少女が現れた。少女はガルディニヤの姿をみると、ペタペタと足音をならしてガルディニヤに近づく。
「やぁ、なんデスの?私は此処にいるデスワ」
変な口調でその少女、ローゼは答えた。ガルディニヤはローゼの肩に手を置いて、部屋の奥にある椅子に腰掛ける。
「頼みが、あるんだ。」
いつになく真剣な表情のガルディニヤを見て、ローゼの顔も真剣になった。
「…誰にも知られずに、もう一人の俺。不老不死の時の俺を“作って”くれないか…?」
ローゼはたいして驚かずに王子らしいと頷く。そしてガルディニヤの目をじぃと見つめると笑った。
「了解。朝飯前デスワ」
ローゼが立ち上がり胸をはって言う。するとガルディニヤは僅かに微笑んだ。
「出来たらさ…俺を、殺してくれないかな」
ガルディニヤはまるで好きな人に思いを伝える時のように、俯いて小さな声でいった。
聞こえない。
聞きたくない。
ローゼは声が出なかった。言葉を組み立てられない。動けなかった。
「お願いだよ…ローゼ」
さらに言葉を重ねられ、ローゼは後ずさる。とても悲しそうで優しい顔をするガルディニヤと目を合わせられなかった。
「…王子さんの頼みなら、断れませんデスワね」
ローゼは少し微笑んだ。
ガルディニヤも安心したように笑った。
「おやすみなさい。王子さん」
短く終わりました
こういう終わり方が好きだったんです…下手だですが…




