第7話 忍び寄る闇
次の日大事をとって俺と亮二は学校を休んだ
俺は家で大人しく療養中だ…
実際、傷がついたのは右太ももと右肩だけだから
重傷って訳じゃない
宗司はベッドの上で、シミ1つない部屋の天井を見つめ
昨日の出来事を思い出していた
あの後、事務所で美影にこっぴどく怒られたんだっけな…
「バカ!2人揃ってダブルバカ!」
バシッバシッ!と負傷した俺と亮二の頬をびんたした
説教をされる俺達を、やれやれと言った表情で見ていた朱野さん
「いってええ…!俺達怪我人だぞ…!」
亮二が泣き泣きそう発言するが
勝手に飛び出た宗司と、戦いで無茶をした亮二に対してカンカンに怒っていたのだ
美影の頭の天辺から鬼の角が…見えなくもない…
「たまたま今回は倒せたかもしれないけど…もし敵が幹部とかだったらどうすんの!?」
バシッ!
もう1度手痛いビンタを食らった
「わ・・・悪かったよ…反省してま~す」
バシッ!!
明らかに心のこもっていない言葉を放った亮二を容赦なく
ビンタする美影
もはや、亮二に体力は残ってはいない
「ったく…私がいたら多分怪我もそんなにすることもなかったのに…」
「まぁ、でも亮二が神授者だったのはビックリだよな」
「うん…怪我はしたけど得たものは大きいね」
もちろん亮二は、既にこの事務所で働くことを決意
それと同時にこの戦争に参加することにしたのだ
だが、美影がピリピリしていたのは
無茶をしていた俺達にも対してだが、闇破會の動きについてだ
「闇破會がどうかしたのかよ…?」
美影は中々、口を開こうとしなかった
すると朱野さんが美影の代わりに説明をしてくれた
「たった今本部から入った情報なのだが…」
俺と亮二は黙って、朱野さんが口を開くのを待っていた
「ドイツの神授支部が襲撃された…」
!?
ロンドンの神授本部を拠点とし
各国に神授会の支部が設けられていたが、そのうちの1つの支部が
昨夜、闇破會によって襲撃されたのだ
支部は全壊し、そこの支部の室長は無残にも惨殺されたのだ
「ガイアンか…!?」
「いや、情報によれば闇破會の幹部のようだ…敵は1人で
その1人によって支部が1つ破壊された…」
「たった1人に…?」
俺は思わず身震いをした
ガイアンですら、あれ程手こずったのだが
幹部となればどうやら次元が違うようだ
そして、口を開かなかった美影がようやく重い口を開いた
「その幹部が次に向かった場所が、ここの日本なの…」
本部によれば幹部の向かった先が日本とのことで
今朝には、恐らく日本に到着したとのこと
この日本には支部はなかったが、俺達の神授者探偵事務所がある
狙われるのは恐らくここだろう
美影が焦っていたのは、このことだったのだ
「じゃあ、ここの事務所いつ襲われてもおかしくねぇってことか…!?」
「そういうことだ、だが支部のように目立つ場所に設立していなかったのが救いだ
敵も探すので苦労することになるだろう」
「だから、敵に襲撃される前にこっちから攻めるの」
「敵の居場所なんて分かんのかよ…?」
「私の、このネックレスがね…」
美影の黒鎖のベースとなるネックレスは
サーバスやガイアンが付近にいればネックレス全体が光るのだ
それを元に辿っていけば、見つけられるとのことだ
「幹部も、同じ突然変異種だから光るはず…だから見つけ次第すぐに…!」
「俺達も準備しとかねーとな」
「宗司と亮二は傷の回復に専念しといて!敵も1日や2日で見つかったりはしないから
それまで、休養期間ってことで」
こうして、俺は家で現在療養中だ
美影と朱野さんも近辺の見回りをしているようだ
幹部が近づいてるとなると…今更ながら恐怖心が襲ってきた…
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とある、砂漠の大きな宮殿に…闇破會の幹部達はいた
中は巨大な空間で
長い真っ直ぐな道を進むと、王が座るとされるイスが1つ
両端にはいくつものガラスの窓が設置されていた
「……日本へ向かったのは…?」
イスには誰も座っていなかったが、声だけが宮殿に響いた
そのイスの前で片膝をつき頭を低くしながら
青髪の黒いコートを羽織った整った顔つきの男が
「はっ…第6幹部のアネビスが向かったようです…」
「抜かりはないだろうな…」
「幹部のアネビスとならば心配は無用です…」
そういうと、どこからか聞こえ来る声は次第に小さくなり
「ふんっ、ならばよい。我々の目的は分かっているであろうな…」
青髪の男はにやりと笑みを浮かべ
声の聞こえる方向に向かって…
「破壊神様の復活と世界の終焉でございます…」
ここから急激に、闇破會の動きが活発になったのは言うまでもなかった…