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第19話 崩壊した街(ウォール)④

今から遥か昔



現代の科学技術よりも発展していた時代があった


しかし、最大まで科学が発達した地上

それは簡単に地上を破滅にへと導くことができる


後に「古代核戦争」と呼ばれる大きな戦争が勃発した


この時に、一度神のゼウスが荒廃化した世界をもう1度一から創り出した…

はずだったが…


その時代の人間の呼び名は「古代人」であった

その古代人の知識はゼウスの知力を大きく超えていた


ゼウスが地球上に存在する全ての生物をもう一度「無」に戻し再び創り上げた

2度とあのように知識が傾かない人間が生まれることを願い

本来ならば、誰1人生き残ることはできないはずだった…


だが、古代人の卓越した知識はゼウスの予想を超えた


古代人のおよそ100名近くが

地球とは別の空間を作り上げ、ゼウスが地球を創り上げている間に

その空間に身を潜めていたのだ


当然ゼウスはそれに気づくことができずに

地球を再び創り上げ、その後破壊神に殺害された


ゼウスがいなくなったのを機に、彼等古代人は再び地球にへと降り立った

もう1度自分達の知識を使い文明を発達させようと目論んでいた…




「つまり…この生物こそが古代人ってゆーことやな…」


眼前に立っていたのは、まさしく古代人である

このことを聞かされたのは神授会の幹部のみと美影と朱野だけだ

水陰の調査は「捕獲」に近い任務だった


この古代人を捕獲すれば生態が分かる筈なのだが

捕獲をすること自体が困難になっている



一瞬



安久津が気を緩めた

その気の緩めを古代人は見逃さなかった



サッ!



それまでその場から動くことをしなかった古代人が

安久津の顔の前にまで飛び掛った



「!?」


驚くべきことに古代人の右腕は刃物に近い形状に変化していた

反応の遅れた安久津は防御することができず


古代人のその変形した右腕で首の近くを斬り裂いた



浅かったのか…それほどまで血は出ないが

精神的ダメージを安久津にへと与えた


幸い脈までは斬られていない、溢れ出す首元の血を拭い

片膝をついた



(反応…できんかった…!今の俺の一瞬の緩みを見て攻撃してきおった…)


古代人は再びその場で安久津を凝視したままであった


間合いを取ろうとしたが…


彼の足はなぜか動くことができなかった



「……」



今まで恐怖という感情を表に出したことのない男だったが

古代人の圧倒的な力の前に


彼は「恐怖」という感情に絡み取られて足を動かすことができなかった



「くっ…そ……!」


必死に動かそうとすればするほど彼の恐怖心を高めた

まるで百獣の王ライオンに睨みつけられ、動けない動物の様な状態だ


そして古代人は右手の人差し指を安久津に向けた


攻撃の構えだ…今の安久津には防御どころか避けることもできない



人差し指から細い赤い光線のようなものを安久津の心臓にピンポイントに放たれた


直撃した彼はそのままその場で倒れこんだ

古代人はゆっくりと倒れこんだ彼に近づいた


そして、右手を刃物に変形させいつも通り皮膚を剥ぎ取ろうとした

古代人にとってこの行為は「習慣」であった



突然変異種が増加したのも古代人が関わっている

彼等も殺害した人間を突然変異種にへと変えたりしているのだ

その人間への最大の敬意がこの行為だと思っている


「皮膚剥ぎ取るんは嫌やで」



バッ!と古代人が声のした方を振り返ると

そこには殺したはずの安久津…と水陰とアダムに宗司がいた

3人は右側のトンネルを進んだのだが、行き止まりで引き返した

安久津が硬直した時には既に水陰が幻術を使っていたのだ


すぐさま安久津の死体を確認しようとしたが

死体は霧に包まれて消滅していた



「その死体はダミーだ、まさか引っかかってくれるとは思わなかったがな」


古代人はこの状況に置かれながらも平然としたままで


「よ…4対1なら俺でも役に立ちそうだな…」


宗司が神滅刀を構え、アダムも先程から怒りを震わせながら

武器の黄金歯をかみ締めていた


「古代人、ここで捕獲させてもらうぞ…」


誰もが見ても圧倒的に古代人が不利な状況であった


この圧倒的な不利の状況を覆すこともできる

だからこそ危険生物として視野に入れられている



「オギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!」



突如一言も喋ることのなかった古代人が奇声に近い叫び声を上げた

そのあまりの大きさに地下水路の壁に僅かにヒビが生じ

4人は精神的ダメージを受けた



そして、今の奇声により隙のできた4人に


古代人は更なる攻撃を加えた


左手と右手の掌に小さな赤い球体を創りだした

まるでの炎のようにゆらゆらと燃えている



その球体を両手を合わせ2倍の大きさに変化させ


隙のできた4人の近くへ投げ放った

球体は4人の周辺で大爆発を起こした



ドガンッ!!!!



爆発音と共に4人は吹き飛ばさればらばらに散らばった


古代人の狙いはこれだったのだ

この地下水路の大きさはかなりのもので4人がバラバラになれば

迷うことなど普通のことだ



4人を単体にさせるためにわざと殺傷力の低い攻撃をし

爆風により彼等4人をバラバラにさせた



より殺害のしやすいように…



古代人が4人を見た時に、最初に目をつけたのが



神授会からは「救世主」とも呼ばれる



神野宗司だ…爆風で吹き飛ばされた宗司だが

古代人から一番近い距離に吹き飛ばされた



古代人は口元を歪め彼の元へ向かった



彼の体内に「破壊神」が存在することを知っているのだ





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