第11話 希望の光
視界を奪われ、神授武器まで使用できなくなった
闇の空間に閉じ込められた、宗司と美影と亮二の3人
それを嘲笑うかのようにアビネスが
空間の中で眺めていた
「美影…!なんとかなんねーのか!」
「私だって何とかしたいよ!けどこの空間を抜けない限り何もできないよ…!」
策が何もなかった
ましてや、この能力は美影にとっては想定外であり
その想定外が起きたことにより、パニックに陥れた
グサッ
鈍い音が闇の空間に響き渡る
「ぐっ…ぁ…!!」
「亮二!?」
闇の中で腹部を刺されたのは亮二だ
見えなかったが、その場で亮二が倒れたのは分かった
アビネスが腹部を鎌で、深く突き刺したのだ
「ハッハッハ!まずは1匹目だ…」
「ちっ…!!あの野郎!!」
宗司は冷静さを失い、闇の中を突っ切ろうとした
だが、それは同時に敵の思うツボであった
「宗司…!無闇に動いちゃ…!」
美影の叫びも虚しく
ザシュッ!
再び、あの鈍い音が空間に響き渡った
「…宗司!!!」
宗司の全身を闇鎌で切り裂いたのだ
鈍い切り刻まれた音の後に、その場で倒れこむ音が聞こえた
「く…がはっ…」
切り刻まれ、身体が血まみれになり
その場で蹲る様に倒れこむ
何も見えないため、自分がどんな風に傷をつけられたのかも分からない
倒れこんだ宗司は力が緩み、右手に握り締めていた神授武器の小刀が手から零れた
その小刀をアビネスが拾い上げ
「ほう…これがアビトが生前に使っていた神滅刀か…」
「か…返せ……っ…!」
掠れた声だ必死に訴えかけた
アビネスには、特に神滅刀に興味は無かったが
意味深な言葉をアビネスはポツリと呟く
「確かに…【いい容れ物だな】…」
「容れ物だと……?」
「あー、気にすんなこっちの話だ…まぁ精々呑まれんなよ」
またしても意味深な発言を吐いたあと
トドメの一撃を宗司に振り落とした
腹部の部分に深く闇鎌を突き刺さられ
口から大量の血液を吐く
「ごほっ…!!」
「宗司……!?」
美影には何が起こったのかは分からなかったが
ただ1つ、宗司と亮二がもう戦闘不能だというのは分かった
それと同時に2人の生死が何よりも気になった
「さぁて、お嬢ちゃんと俺の楽しみが邪魔されちまったな」
「!?」
美影の目の前にアビネスが立ちはだかる
美影も気配で、感じ取った
ガシッと右手で首元を掴まれた
「いっ…つ…」
「俺ァ、お嬢ちゃんのこと気に入ってんだぜ…けど胴体が邪魔で仕方ねぇ…首から上だけが
俺は欲しいんだ…斬ってもいいよな?」
アビネスは左で持っていた闇鎌に力をこめ
美影の首元に突きつけた
「その代わり…もうこれ以上あの2人は傷つけないで…」
美影の最後の条件とも言える
思いがけない言葉が返ってきたアビネスは驚き
「ハッハッ!驚いたぜ自分の命より仲間を優先か…泣けてくるぜ!
安心しな…約束はちゃ~んと守ってやるよ」
その言葉を信じきった美影だが、この敵が約束を守るわけが無い
宗司は、自分の力を振り絞り叫ぶ
「やめろ…!!!!やめてくれ!!!!」
「うるせーよ死にぞこないが…」
そして、手に持った鎌を振り切ろうとした、その時
ズガンッ!!
どこからか、銃声のような音が聞こえ
徐々に空間が壊れ始める
「馬鹿な!!?俺の空間が壊されただと!?」
必死に辺りを見回すアビネス
完全に壊れた空間
場所は、元の倉庫街にへと戻っていた
「て…テメェは…」
アビネスの視線の先には
眼帯をした長髪の男が立っていた
「幹部のくせに、えらい情けないことしとんのぉ…」
立っていた男は、神授会本部幹部の安久津仁!!
安久津VSアビネス!?