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第1話 神授者探偵登場

「じゃあ、行こっか!宗司!」


俺の名前を呼ぶ少女…いや神の少女とでも言っておこう

神崎美影かんざきみかげ…16歳


そして俺の名前は…神野宗司しんのそうじ

16歳で普通の高校生活を送ろうとしていた俺


2人はドアを開け快晴の空の下へ走り出した

そのドアの真ん中にはプレートが張られていた


神授者探偵事務所…



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ーーーーーーーーーーー


ーーーーーーーー


時は遡る事…10日前



4月22日、神野宗司は下校途中であった

何時通りの帰宅であった


その途中、学校からかなり離れた場所にあるアパートの前に人通りが出来ていた

この道は、よく俺も通る道でこのアパートは、オンボロアパートとして有名で

住んでいる人がいたら不思議なくらいであった


「なんでこんなオンボロアパートに人だかりが…?」


少し興味が湧いた宗司は、人ごみを掻き分けて奥へと進むと

そこにはよく刑事ドラマで出てくる黄色テープが貼られていた

(なんか事件か…?)

ますます興味が湧いた宗司は、黄色テープの前で暫し待機していた

後ろの主婦がひそひそと隣の主婦へ話しかけていた


「101号室の人が殺されたんですってねぇ…」

101号室…丁度今警官達が捜査している場所であった

「しかも、殺され方が残虐で捜査も難航しそうですわねぇ」

どうやらこのアパートの唯一の住人が今朝殺害され

お昼の1時ぐらいに、大家さんがその人の遺体を発見したそうだ

何より犯人が部屋に入ったという形跡が全く無いらしく、解決への雲行きが怪しいままであった


「こりゃ迷宮入り事件とかかな…」

俺は思わずそう呟いた

正直、この事件がどう解決しようが未解決のままであろうが関係の無い話だ

俺が事件にかかわることなど一切無いのだから

興味が薄れた宗司は、その場から立ち去ろうとしたその時


「遅くなりましたー!すいませーん!」

殺人現場に不謹慎とも言える元気な声が聞こえてきた

よく見ると俺と同じ高校の制服を着ていた少女であった…

黒髪のロングヘアーにパッチリとした目が印象的だった

首元につけていたネックレスも、その時の俺にとっては印象的だった

容姿を見れば普通に可愛い方だ…と人間観察をしてしまった宗司

だけど、こんな可愛い子がこの事件と何の関係が?

もしかして重要な人物とか…?


しかし俺の考えていた予想は大きく外れ


「っち!遅くなりましたじゃないだろ!こっちは呼んでないのによ」

白髪のメガネをした上司っぽい警官が怒声を上げた

一言で言えば大学の教授とかに出てきそうな人だ

後に分かったことだが、この人の名前は加治川太郎かじかわたろうさんだ

ベテラン刑事であるが後輩いびりが半端ない人だ

「えへへ…すいませんまた来ちゃいました!」

「帰れ!!」

神崎と呼ばれる少女の女神とも呼べる笑顔をあっさりと無視し

後輩に少女をつまみ出させた

あっさりと現場の外へと追い出された彼女

俺は、ゆっくりとその少女の元へと駆け寄った



「えーっと…」

電柱にもたれかかりシクシクと座り込んで泣いている少女

近づいたには、近づいたがどう話しかけていいのか分からなかった

「ぐすっ…どうしよう…今月の家賃払えないよぉ…」

家賃…?彼女口からキーワードがポロリと零れ落ちた

1人暮らしでもしているのか…事件に協力してお金なんてもらえるのか?

「あのさ、君って俺と同じ高校の生徒だよな?」

話題を変えたつもりで俺は彼女に向かって話しかけた

彼女は伏せていた顔を上げて、しばらく俺のことを見つめていた

間近で見るとやはり可愛くて、思わず鼓動の高鳴りを抑えることができなかった

いつの間にか泣き止んでいた彼女は

「あれ!?もしかして私と同じ高校なの!?」

「う、うん…でも見たことないよな?」

高校に入学して間もないとは言え、彼女ほど可愛い子は学校で見かけたことがなかった

もしかして、身体が弱くてずっと休んでたとか…

「私…今日光影高校に転校してきたんだ…」

私立光影高校こうえいこうこう地元の高校では学力は中々で

自分でも入れたのが奇跡なくらいであった

まさか、この時期に転校をしてくるとは…

「それで、今日入学の手続きしててさー…帰りにここの現場に来た訳なんだ~」

「なるほど…でも警官に怒鳴られてたよな…?」

「ああ…あの人は加治川っていう人で、私が来たらいっつも追い出すの!

 今まで事件解決したの私なのに…」

「は?」

今この少女は確かに言ったぞ


「私が事件を解決した」と


「な、何者だ…?」

俺は思わず彼女へ質問をした

すると、彼女はにやりと不適な笑みを浮かべ

「神崎美影…神授者探偵として裏の世界では知られてるよ…」

「し、しんじゅしゃたんてい?」

「そう!まぁ君に話しても信じてもらえるか分からないけど…」

信じるもなにも事件を自分で解決したとほざいた時点で信用する気はなかった

これが俗に言う、痛キャラだな…

可愛い顔をしているが、言ってることは常識外れのことばかりだ

俺はアホらしくなりその場から立ち去ろうとした

しかし、神崎は俺の制服の袖口を掴み

「今夜…信じさせてあげる」

「は?」

神崎の顔には自信が満ちていた

「今夜の深夜の1時に、もう1度この現場に来てみて」

「俺は行かねぇよ…」

掴んでいた手を振りほどき、歩こうとした

「そう…強制はしないよ。そうだ名前教えて欲しいな?」

俺は背を向けて歩き始めたまま…神崎に聞こえるか聞こえないかぐらいの声で

ぼそりと話した

「神野宗司…」

聞こえてないならそれでよし、どっちでも俺にとっては良かったのだ

神崎は背を向けて立ち去った神野の背中を見つめたまま

(神野くんか…もしかしたら一緒に協力してくれるかも…)


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ーーーーーーーーーーーーーーー


ーーーーーーーーーーー


カチッ…カチッ


部屋の時計の音が耳障りで仕方なかった

帰宅した俺は、ずっと部屋に篭りぱなっしであった


既に12時を回っており、日付は今日から明日にへと変わっていた

どこかヘンな期待をしていた俺


「くそっ、ぜってー俺は行かねぇからな…」


言葉とは裏腹に心の中で期待していた自分自身に苛立ちを隠せなかった…


一方、事件が起きたアパートの前では

神崎が缶ジュースを飲みながら待っていた


待っていたのは神野だが…もう1つあることを待っていた

神崎は首元につけていたネックレスをぎゅっと握り締めた

徐々に、ネックレス全体が輝き始めた


(近い…しかも、もう来てる…?)


神崎は101号室の前へ駆け出した

黄色のテープをくぐり抜けて部屋の前へ

しまっていたドアに右耳をくっつけ、部屋の中の異音を聞き取った


「…」


迷わず神崎は101号室のドアを蹴り壊した

部屋の畳の上にはニット帽を被っていた男が立っている


「そこまでです…」


男はギロリと神崎に向かって視線を飛ばした

神崎の言った言葉は一切聞いていないようだ


「やっぱり…突然変異種サーバスなのね…」


突然変異種…通称サーバスと呼ばれる

元は人間なのだが…何者かによって人間という種から

新種へと改造されているのだ

その所為か、近年では殺人事件が多発しており

サーバスは超人的な力を持つため、一般人が捕まえるのも至難の業だ


「オマエ…は…アぁー」


ほとんどまともに喋れていない…ほぼサーバスで間違いない

サーバスとなった人間は元に戻すことはできない

「駆除」という選択しか選ぶことができないのだ


神授者探偵事務所は裏では政府公認の職業であり

政府もある程度の支援はしているのであった


神崎は首元につけていたネックレスを外し

目の前にかざした

すると、ネックレスが今度は金色の色をした鎖にへと変わった


「これが私の神授力…」

「オマエァーしんじゅしゃか…ァ」

男は神授者の存在を知っていたようだ

「御免なさい…決して痛くはしないから…」

神崎の目には僅かに涙が浮かんでいた

その様子をアパートの外からこっそりと見ていた…神野宗司

やはり気になったために、現場へと来たが

ドアが蹴り壊されているのに気づき、おそるおそる部屋の外に近づいた

宗司の頭には疑問だらけであった

今の宗司には2人の戦い?を見守るしかなかった


男は手に持っていた刃物を振り回し、神崎に近づく

神崎は恐れることなく男と向き合う


「せめて、来世では幸せに…」


刃物を持ったまま勢いよく突っ込んできた男

神崎は手に持っていた鎖を男に向かって放り投げて胴体を縛りつけた

そして空いた右手を顔の前にかざし


「エンショエイソンレンクビエンクト…」


お経のような呪文を唱え始めた神崎

宗司が男の方を見ると、男の身体はみるみる白くなっていき

まるで消滅するような感じであった


「ぁぁあああああ…」

「大丈夫です、消滅するときにはちゃんと元の人間に戻ってますから…」


数秒で男の身体は跡形もなくなくなり

なぜだか、俺の心もスッキリしてまったぐらいだ


神崎が101号室から出ようとした時

俺はバレないように急いで帰ろうとしたが、あっさりと神崎に見つかった


「あはは…やっぱり来てくれたんだ?」

「うるせーよ!ちょっと信じたぐらいだからな!」

「またまた~ホントはもう信じてるくせにぃ」

さっきまでの彼女の険しい表情はなく、初めてあったときと同じ明るい表情をしていた

「ったく…とりあえず、その神授者っての何だよ…?」

「あーこれは…」

神崎が丁度部屋から出ようとした時、靴置き場の天井から男が落ちてきた

この男もサーバスだ

今回の事件は、どうやら共犯であった

「ぎゃあああああああ!!!」

男に抱きつかれた状態になった神埼は悲鳴に近い声を上げた

「っちょ…離してよ!!」

上に覆いかぶさった状態のまま神崎は俺に助けを求めた

「神野くん…!」

「うぇえ…!?俺か!?」

あたふたと俺はしていたため、頭がパニックになっていた

「私の学校のカバンに武器入ってるから!!」

「武器!?」

その言葉通り、部屋の前に落ちていたカバンを見てみると

小さな小刀が出てきた、刀の取っ手も短く刃先も短かった

「お、おい!これをどーすんだよ!?」

上に覆いかぶさっていた男は荒い息で神崎に顔を近づけていた

「ううう!!早くーー!!!」

「早くってこれをどうしていいかわかんねーよ!!!」


今にも男に襲われそうな神崎であった…

とにかく、手に持った小刀に力を込めてみた


ほんの僅かだが…さっきの神崎の鎖と同じく

小刀が金色に光った


そして、小刀だったはずの刀がいつの間にか長刀にへと変わっていた

長さは丁度普通の日本刀と同じくらいの長さになっていた

僅かだが光が刀を包んでいた


(ウソ…神野くんが…神授者…!?)


「くそったれ!とにかく斬っちまうぞ!!」


俺は刀を振り上げ、男に振り下ろそうとした


「浅く斬って!!」


神崎の言葉通り、力を加減し男の胴を浅く斬った

よろめいた男は神崎から離れ


そして、さっきの男と同じように鎖で捕まえ

同じように呪文を唱えて、あっさりと男は消滅していった


「うう…最悪だ…もう少しでキスされそうだった…」


寸前のところで俺がいてよかったと思った

「とりあえず…この刀のお陰で助かった」

俺はもう1度その刀を見たが、大きさは元の小刀にへと戻っていた

「何だこの刀…?」

「言うの忘れてたけど、それ神授者しか扱えない武器なんだ」

「はぁ!!?」

つまり…俺は扱えたってことで神授者なのか…?

「力は弱いけど…十分神授者ってことだよ!」

「ウソだろ…俺もお前らの世界に足突っ込んだってことか?」

「そうだよ、今日からこの世界のために私と一緒に仕事してもらうから!」

神崎はこれが最終的な狙いであった

最初に神野に会った時点で神崎は神野の何かに気づいていたのだ

それが、まさか神授者としての力を開花するとは予想だにしていなかった


「そもそも神授者って何なんだよ…?」

「あーそうだね、色々と教えてあげないといけないけど…」

神崎の表情を見る疲れ切った表情をしていた

「悪いけど、明日事務所に来てくれない?」

「じ…事務所なんてあんのかよ!?」

「うん、今月は家賃払えなくてやばいけど…とりあえず明日そこで全部話すから!」

神崎はメモ用紙に地図を書いて渡した

大きな欠伸をした神崎は、俺に向かって一言


「よろしくね、神授者探偵さん」


こうして、俺は4月12日から神授者探偵として

世界の秩序を守ることに…

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