最愛の人
ざぁーーーーー……。
「今日も雨ですか…。」
あの人が居なくなってもう3年。
「たまには顔、見せに来てくださいよ。」
やっぱり寂しいけど仕方ないのかなあ?
手には舞踏会の招待状。
もう1通。差出人不明の招待状。
「ふふっwこれ私の一個上の階じゃないですかw」
委員長ちゃんへ
303号室で私は待つ。
今宵、月と兎で舞踏会をしよう
「ヘッタクソな字!なんですか?わたくしへのあてつけですか?」
ふと写真立てを見た
あの時7人・・・いや、私も入れて8人の選ばれし美少女で(1人を除き)撮った写真があった
あの時7人だけが彼からAIを受け取った
キズナアイ システム。
彼がキズナアイを7等分したプログラム
キズナアイ本体を貰えなかった理由はまだ私たちが未熟だからだそうだ
「今夜月と兎でダンスしよう……ですか?」
私はもうそんな年齢じゃないですよ?
それでも誘ってくれるなら・・・いってあげましょう。
わたくしは一つ上の階まで登った。
『コンコン』
「おじゃましまーす・・・。」
ごほっごほっ!埃が舞っていてくるしい……。
カラカラカラ。窓を開けてみる
びゅおー。
「さむっ……。上の階ってこんなに寒かったんですね。」
後ろを振り向くとそこには広い部屋に豪華な食事が用意されていた。
「わぁ……。素晴らしいですね。」
思わず百点満点を上げてしまいたくなるようなそんな光景だった
彼はキャンドルに火をつけて、
「さあ、踊ろうか?最愛の人?」
私は彼の手を取って
「ええ?なにゆえ?」
いにしえのSSのタイトルを口にした。
少しの含み笑いと笑みを零し踊りを踊った……1人で。
くるくる、くるくる、くるくると。
私も思わず踊ってしまった。
くるくる、くるくる。
楽しい時間はあっという間に過ぎてしまった。
「あっそろそろ帰らないとリゼロの第4期が始まる。失礼します。」
思えば、そこで一緒に見れば良かったのに。
次の日、彼は外国へと旅立ってしまった。
こんなことならもっと話しておけば良かった。
「おばあちゃん!それで?それで?初恋の人はどうなったの?」
「それでとうとう帰ってこなかったですよ」
「お嬢様。お食事の準備ができました。」
「そう?つまらない話だったわ。さようなら」
お嬢様と呼ばれた少女は扉を閉めた
『ーーーー』
さようなら私の最愛の人
ぎぃぃぃぃぃ……バタン!
終




