第9話 仕事復帰しようと行動に移したものの
日向は、エレナが専業主婦になっても、生活費を入れてくれなかったので、日向とは別居して、エレナも住み込みで、即日から働けるところを探すことにしました。
ただ、行動には移したものの、そう簡単にお仕事が見つかるわけでもなく、工場関係の仕事も即日採用としょっちゅう広告を出しているものの、釣り案件が多く、いろんな工場関係のお仕事へ応募しても、「女性に紹介できる案件はない」と言われたり、それが原因で、採用を見送られたこともありました。
その中でも問い合わせた担当者が運悪いことに、エレナの言い分も一切聞かずに、一方的に自身の主張を押し付けてくる方もいて、それも少し圧のある言い方で、「詳しい詳細などは、応募しないとお伝えできません」と言われ、エレナはすごく不快に感じました。
その担当者は、ちゃんとした詳細を教えてくれない割には、エレナが考える隙も与えてはくれず、「今すぐ決めろ」とまるで急かすような言い方をしてきたので、エレナの中で「この会社はちょっと違うかな。もし仮に採用されても、後悔するハメになりそう」と思い、理由をつけてシャットアウトしました。
エレナは「工場の仕事って、あまり人と関わらないから精神的にも楽そうだし、私にもできるかな」と思った半面、「交替制だから、体力的についていけれるかな」という不安もありました。日勤のみの求人もありましたが、給料が低い上に「寮費や光熱費も給料から天引きになるところが多いから、手持ちとして残る金額も少ない」と言われ、「やっぱ住み込みホテルの方がいいかな」と思い、住み込みホテルの求人を検索しても、時期的に閑散期ってことから、パッとしない求人ばかりでした。
日向が毎月余裕のある生活費をちゃんと入れてくれたら、将来に対する不安も無くなるのに、結婚したとはいえ、念願の安定を手に入れることはできず、結婚後もエレナは常に未来に対する不安に苛まれる日々を過ごしていました。
なので徐々に「今はこんな状況だけど、再来月くらいには、日向とは別居して、住み込みでのお仕事が決まるといいな。時給はそこそこ良くて、寮費・光熱費も無料で食事付きで貯金もできて、比較的過ごしやすいところがいいな」と密かに思うようになりました。
ただその半面、エレナ自身hspってことから、「人間関係などが原因で、続けられなくなったらどうしよう」とか「数ヶ月間、専業主婦で働いてなかったから、ちゃんと続けられるかな? 体調に影響出てきたりとか、厄介払いされて、目上の立場の方から、毎日のようにギャンギャン言われたらどうしよう」とか「お金が必要なのに、仕事で必要なモノを揃えるためのお金もかかるしな」という悪循環に陥りました。