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第40話 心強い救世主


とある休日、知子は約束通り、エレナに自分自身の旦那である義春を紹介しました。


エレナの前に現れた義春は、元ヤクザの組長ということから、強面な雰囲気がありましたが、そんな義春に対してエレナは、恐怖心を抱くどころか、頼もしそうな印象を受けました。


知子:あなた、この子が前に話したエレナちゃんよ!


義春:君がエレナちゃんか、知子から話は伺ってるよ。これまで大変だったみたいだな。



そんな義春の問いかけに、エレナは便乗するかのように、義春が元ヤクザであることを忘れ、今にも泣きそうな勢いで感情的になってしまい、


エレナ:はいっ、私自身、あいつと結婚したせいで、散々な目に遭わされてきたんです! 私がこれまであいつから受けてきた経済的暴力についてですが、夫婦なんだからとか、家族なんだからって片付けようとする人がほとんどですが、あいつが私にしてきた言動は、結婚詐欺師や泥棒とやってることと同じだし、そうやって見過ごそうとするから、この世に悪者がどんどん増えていくのではと思ったんです! 私はこれまで"いざ”という時のために、毎日コツコツ働きながら貯めてきたお金だったから、あいつに貸してきた分の倍の金額は取り返さないと、私の腹の中が収まらないし、そのせいで、私の大事な時間も奪われたワケだから、あいつも私と同じように痛い思いをして、自分がやってきたことに対しての落とし前をきっちりつけてもらいたいんです! お金がないなら、あいつから返金してもらうのは不可能だって言う人が多いけど、いくら契約社員でも働いてることには変わりはないワケですし、片っ端から調べれば、へそくりとか出てくる可能性だってあるワケじゃないですか? あいつから経済的暴力を受けてきたせいで、私は精神的苦痛を何度も味わいましたし、あいつと関わってる時は全然気づけませんでしたが、私自身、あいつと一緒に過ごしてきたことによって、これまで自分がマインドコントロールされてたんだなって、距離を置いたことで始めて気づけましたし、そうなるまで追い詰められきたんです! まるで今までの恩を仇で返されたような感じで、それこそ結婚詐欺同然みたいな目に遭わされた気分でした。慰謝料がどれくらい取れるか分かりませんが、もし離婚できるなら、今まであいつに貸してきたお金を倍で取り戻したいと思ってるんです!



エレナの熱意が義春にも伝わり、エレナの発言に嘘偽りがないと確信した義春は


義春:確かに、その手の話になると、夫婦なんだからっていう理由で片付けられることが多いけど、エレナちゃんの旦那、明らかに普通ではないし、エレナちゃんの言う通り、結婚詐欺同然のことをしてると言っても過言ではないな。エレナちゃんはどうしたい?


エレナ:もう婚姻関係もとっくに破談してるワケですし、このままあいつと夫婦でいる意味もないと思うので、離婚したいと思っています! あいつは約束してた婚姻費用も支払っておらず、口ばかりで、今後も誠実な期待ができないため、300〜500万の慰謝料を一括で請求して、キレイさっぱり終わらせたいです!


義春:そうだよな、どうせ離婚するなら、慰謝料分取りたいよな!



そこで義春は何かを考え込んだ表情をしましたが、泣きつかれると義春も放って置けないので


義春:よし、エレナちゃんがそいつと1日でも早く離婚できるよう、おじさんが協力するよ! 慰謝料もたっぷり払ってもらうよう、説得するからおじさんに任せろ!


義春の発言にエレナは頼もしさを感じました。



そこからはトントン拍子に離婚へと話が進み、義春は後日、自分の子分たちをエレナに紹介しました。


義春:離婚の件だが、こいつらはおじさんの子分でな、こいつらにも協力してもらおうと思ってるんだが、いいかい?


義春の子分は3人いて、力強くて身体つきも良く、いかにもヤーさんな雰囲気のおじさん(龍)と、黒い革生地のジャケットが似合ってて、暴走族にいそうな雰囲気のおじさん(剛)と、もう1人はエレナより若手だが、怒ると泣く子も黙りそうな雰囲気の青年タイガの3人組で、義春は既に引退して手を引いてるが、子分たちとはまだコンタクトを取ってたらしく、エレナのことを話すと、快く引き受けてくれたそう。



そこで若手の青年、タイガがエレナに対し


タイガ:奴には処理する前に、俺らが徹底的に天罰を与えますが、お嬢さんやカタギには、一切危険を及ぼすことはしないので、ご安心ください!


エレナ:お嬢さんって、普通に名前で呼んでもらって構わないですよ(笑)


と口ではそう言ったものの、お嬢さんって呼ばれたことに対して、エレナは特別扱いされてるような気分に浸ったのでした。


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