第4話 彼と付き合うようになってから
イルミネーションデートでは恋人気分で
楽しんだエレナでしたが、日向と付き合って
から、お互い実家や家族がいないという
共通点があったため、トントン拍子に
結婚の話になっていき、、、
日向:もう俺たち夫婦になるんだし、これからは一緒に住みたいな。
エレナ:けどこの寮の契約書には、同棲は禁止だって書いてあるよ。
日向:大丈夫、バレなければいいし、他にも同棲してる人きっといるはずだし。
エレナ:ただ、バレたら強制退去って書いてあるから、そうなった場合、私たちの居場所がなくなっちゃうよ!
日向:じゃ毎日お互いの家に行き来するのはどうかな?
エレナ:けど私たち働く時間帯も不規則だし、私のフロアは女性専用フロアだから、男性は出入りしてはいけない気が、、、
日向:じゃ俺の部屋に来ればいいじゃん。
レナちゃんと少しでも長く一緒にいたいし、俺にとっての家族はレナちゃんだけだから。
俺レナちゃんのこと大事にするし、いざという時は守るから。
エレナ:しょうがないな、分かったよ。
日向:レナちゃんとの生活が楽しみだな。
という会話のやり取りをしたあと、エレナと日向の半同棲生活がスタートしました。
それから2ヶ月くらいで、職場の人たちには内緒で入籍し、2人は夫婦になるんですが、よくよく考えると、日向から「結婚してください」という正式なプロポーズを受けたワケでもなく、結局日向の勢いに押されて結婚したようなモノでしたし、肝心な結婚記念日に記念日らしいことをしてこなかったので、エレナの中で、「結婚したんだ」という実感も湧かず、婚姻届も日向の地元へ郵送して(日向の現住所が地元においてあり、戸籍の関係もあったため)後日、日向の住所が置いてある役所から電話がかかり、それを元に受理されたので、エレナの中で[なんだかあっけないな]と感じたのでした。
また、エレナは幼少期に家庭が一家離散したという過去がありました。エレナの父親が交通事故で亡くなった後、母親は極端に男癖が悪くなり、複数の異性と関係を持つことで、父がいなくなった寂しさを埋めようとしてたため、それを見兼ねた母方の祖母がエレナを引き取り、以来エレナは母方の祖母と2人で暮らしてきました。ただ、母方の祖母もエレナが高校生の時に癌で亡くなり、風の噂によると、母親はまだ生きているものの、数年前に外国人男性と再婚して、海外に住んでおり、エレナのことに関しては一切ノータッチなため、エレナには頼れる人がいませんでした。
そういう過去があったため、エレナは昔からコツコツ貯金してたお金が減る度に「お金が手元からなくなってしまったら、貯金がなくなってしまったらどうしよう」っていう不安が常にありました。
また、エレナ自身hspということから、誰にも悩みを打ち明けることができず、「私のことを分かってくれる人なんていないし、私どうしたいんだろう? どうしたらもっと楽に生きれるようになるかな?」といつも考え込んでいました。
今までずっとこのような複雑な悩みを抱えながら生きてきたので、日向に出会えた時「やっと心の拠り所ができて、安心して暮らしていける」と思い、エレナは内心日向との将来に期待を寄せていました。
けど、現実はエレナの理想を覆していくのでした。