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第37話 この人ならと思い、助けを求めてみたが…


複数の異性とアプリでやりとりをしていたエレナでしたが、50代くらいの男性で、エレナに“いいね”を送ってきたおじさんがいました。


そのおじさん曰く、プロフィール欄に「車の運転が趣味なので、自分が住んでるエリア、もしくは隣県などであれば、車で向かうこともできる」と記載されており、愛用車と一緒に写ってる写真もプロフィール欄の追加写真のところに提示されてました。


また、このおじさんが住んでる県は、日向が住んでる隣県でもあったので、エレナは直感的に「このおじさんなら、離婚の協力をしてくれるかも」って思い、そのおじさんとマッチングし、最初の頃は普段の生活とか、お互いの趣味などについて、やりとりを重ねていました。



ただ、マッチングして3週間くらい経った頃、そのおじさんから、「最近何か悩んでることありますか? もしよかったら、近々お会いしませんか?」というメッセージが送られてきて、そのメッセージに吊られるようにエレナは、「ここ最近、旦那のことでかなり精神的に追い詰められてて、夜も眠れなくて…」と今にも泣き寝入りしてるかのような返信をしました。エレナのメッセージを見たおじさんは、エレナの気持ちを察するかのように「1人で抱え込むのは良くないから、美味しいスイーツでも食べながら、お話し聞かせてくれませんか?」というメッセージをエレナに送りました。スイーツが大好きなエレナは「私の働いてる職場の近くに、豆腐を使用したヘルシーパフェのお店があるので、そのパフェが食べたいです!」と提案をしました。


エレナの職場から徒歩20分圏内のところに、豆腐を使用したヘルシーパフェのお店があり、エレナはものすごく気になってましたが、その頃のエレナは金銭的に余裕がなく、カツカツな状態だったため、行きたくても行けずにいました。


そんなエレナの提案におじさんは便乗してくれ、「運転するのは全然苦ではないので、ドライブがてら後日向かいますね!」というメッセージが返ってきたので、お互いの都合が合う日に、現地で待ち合わせをすることにしました。


エレナはそのおじさんとお会いするまでの期間、写真などで何となくの雰囲気は伝わってましたが、「実際のところ、どんな人なんだろう?」と緊張感が高まっている状態でした。


ただ、「このおじさんとお会いすることで、日向との関係を決着させることができたらな」と少しだけ期待を寄せていました。



➖当日➖


約束通り、エレナは豆腐を使用したヘルシーパフェのお店に向かい、おじさんが来るのを待ってましたが、10分後くらいにおじさんの車が到着し、2人は鉢合わせをしました。


エレナ:はじめまして、中森エレナです。


おじさん:はじめまして、松川弘明です。


という感じで、2人は自己紹介をしました。そこで弘明は、アプリでやりとりしてる時に、地元で有名などら焼きをエレナに買っていくと約束してたので、


弘明:どら焼き買ってきたので、食べてくださいね!


と言い、その場でエレナに渡しました。


エレナ:ありがとうございます!


弘明:とりあえず中に入りましょうか?


エレナ:そうですね!



店内は比較的落ち着いた雰囲気で、空いてる方ではありましたが、カフェを利用してるお客さんがチラホラいたので、「お客さんが周りにいると話しづらい内容だから、ここでは話せないかも」ってエレナは思いました。


ソワソワしてるエレナを弘明は気遣い、他のお客さんに響かないトーンで


弘明:この状況だと、話したいことも話しづらいよね。パフェだけ食べて、場所変えて落ち着いたところでお話し聞こうか?


とエレナに尋ねました。


エレナ:そうですね。ちょっとここでは話しづらいので、後でもいいですか?


弘明:いいよ。何のパフェにする?


メニューを見ながら


エレナ:チョコが好きなので、ヘルシーチョコレートパフェにします!


弘明:じゃ僕は、ヘルシー豆腐プリンにしようかな?


という感じで、お互い食べたいモノを注文し、そこでは、パフェを味わいながら、軽い雑談をしていました。


弘明:エレナさんは、接客業をしてるって言ってたけど、ここ温泉街だから住み込みで働いてる感じなのかな?


エレナ:はいっ、仲居として働いてますね!


弘明:そうなんだね。仲居ということから大変なこともあったりしない?


エレナ:そうですねー、色んなお客さんが来ますから、忙しいと結構大変ですが、今は仕事してる方が余計なことを考えなくてもいいから、気が紛れるというか…


弘明:確かに、忙しい方が時間が経つのもあっという間だったりするからね。僕もそういう時期があって、ひたすら仕事に没頭してたことがあったけど、それでメンタルがやられたことがあったなぁ。


エレナ:無意識のうちに追い込んでるとも言えますからね。ただ、職場の皆さんは家族のように接してくれるので、アットホームな環境ですかね?


弘明:そっか、それなら良かった。


エレナ:ヒロさんは何の職業をされてるんですか?


弘明:僕の仕事は結構特殊でね、退職したい人に変わって、僕らが職場に本人の変わりに連絡して辞める意思を伝えるという、言わば代行サービスの仕事かな?


エレナ:なるほどですね! 今は退職代行サービスを利用して辞めていく人結構増えてますよね!


弘明:そうだね、そういう人たちってすごく責任感があって、きっと辞めることに罪悪感を感じてる人が多いというか…

あとは副業で株をやってるってとこかな?


エレナ:株もされてるんですね! 株って結構勇気がいりません? 失敗したらどうしようとか?


弘明:僕も元々自らやろうと思ってやったワケではなくてね、知人からやってみないかって誘われて、正直迷ったけど、案外やってみたら、それなりに上手くいっちゃって、そのまま続いてるってとこかな?


エレナ:へぇー、そうなんですね!

その辺私結構ビビリだから、誘われても躊躇ってしまうかもしれないです笑


という雑談をしてたら、あっという間に2時間経過してたので、


弘明:じゃそろそろお店出て、エレナさんのお話聞こうか?


と言ってくれ、会計の際ご馳走してくれたので


エレナ:ここのパフェすごく美味しかったです! ご馳走様でした!


とお礼を言い、店内を後にしたエレナは、弘明の車にご一緒し、車で10分くらい走ったところに海岸があったので、そこまで向かい、人気はそんなにありませんでしたが、風が強かったので、車の中で、日向とのことについてエレナは弘明に相談することにしたのでした。

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