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第35話 結局自分が不幸になるだけ


以前、「異性関係は、自分のことを好いてくれる人を選ぶべきだ」って日向を引き寄せた疫病神鑑定師に洗脳されるように言われてきたエレナでしたが、「いくらパートナーだからとか、自分のことを好き好きって言ってくれてるからと言って、その相手から財産を奪うような言動を取って、借りたお金を返さなかったり、自分だけ有利に立とうと図々しい言動を取ったり、口ばかりで平気な顔で嘘をついて、行動で示すことができない無責任な男を選んではダメだし、それは結局自分が不幸になるだけだ」って思いました。


この疫病神曰く、鑑定中に自分の身の上話をしてきたことがあり、その時に「旦那とは不仲な状態が続いてるから、出て行ってほしい。子育ても落ち着いたから、もう離婚したい」とか「最初は大事にしてくれてたのに、一緒に過ごしていくうちに、DV気質になってきて、私のことをぞんざいに扱うようになってきた」って嘆いてたことを思い出したエレナは「いくら恋愛至上主義だからといって、生涯のパートナーと円満な関係を築けてない人に、“自分のことを好いてくれる人を選ぶべきだ”ってアドバイスされても説得力がないし、今振り返れば、ただ押し付けてるようにしか聞こえない」って怒りを感じるようになりました。



日向に対して、不満がどんどん溜まっていたエレナでしたが、「私が不幸のどん底に落ちるのが、この疫病神の目的だったのか。私が惨めな思いをするために、あえて粗大ゴミのようなクズ男と引き合わせたのか」と。そう思うだけで、ますます苛立ちを覚えるようになり、「自分が不幸になったのは、この疫病神のせいだ」といつしか憎むようになっていました。「後になって後悔して、取り返しのつかないことになるくらいなら、最初から自分の勘を信じておけば良かった」と何度も後悔したのでした。


日向と関わってる時は全然気づけませんでしたが、「日向から経済的暴力を受けてきたせいで、偉い目に遭わされ、私は精神的苦痛を何度も味わうハメになったワケだし、これまで私はあいつにマインドコントロールされてて、かなり追い詰められていたんだな」って日向と距離を置いたことでエレナは、“ハッ”と気づかされたのでした。というより、これまで“気づかないフリをしてきた”って言った方が正しいかもしれません。



「もし離婚が成立して、またいつかご縁があれば、その時は誰がなんと言おうと、自分の勘を信じよう! 自分の理想はもちろんあるけど、自分の言ったことに対して、ちゃんと行動で示すことができ、誠実で責任感があって、自分本位ではなく、相手を常に思いやれ、私を不安にさせない人。清潔感があり、一緒に旅行に行っても楽しめる人。人の財産を奪おうとせず、自分のお金は自分のために使いなって言ってくれ、“好きなパートナーに奢るのは当然でしょ”って言ってくれる優しい人がいいな。別に玉の輿に乗りたいってワケではないけど、自分が稼いだ給料は、好きな子に貢げるくらい、信用できる人がいいし、程よい距離感で付き合いたいから、別居婚でもいいよって言ってくれる人がいいな」と思ってた時期もありました。


ただ、男性不信とまではいかなかったものの、エレナ自身、結婚というものを経験したことで、呪われてるのか知りませんが、「自分にはパートナー運というか、身内運が悪い」っていうことに気づかされたので、「あんな目に遭った以上、もう誰とも再婚するつもりはないし、離婚は結婚の3倍大変だってよく巷で言われてるけど、まさにその通りで、今も離婚が成立するかどうかっていう段階だし、これまでも散々辛い思いをしてきたので、更に惨めな思いをして、弱り目に祟り目に遭うような出来事に遭遇したくない! それこそ、“あなたにも原因があるのでは”って言われて、不幸のどん底に落ちるのはもう嫌だし、何よりそれ以上に黒歴史を増やしたくない!」って強く思いました。



これはパートナーに限らず、人間関係全般において言えることですが、エレナは「距離が近くなるほど、敵になりやすいタイプだ」と自覚してたので、「異性に限らず、誰かに振り回されるのはもううんざりだし、もし仮に生涯を共にするなら、自分のことを癒してくれるペットを飼う方が、よっぽどストレスフリーで過ごせるかもしれない。それに、今は世間でよく言われてる令和だから、昭和みたいに、結婚することが幸せになることではないし、むしろ、そんな時代は自分の中では終わったのも同然という感覚でいるので、今後は自分の力で幸せを掴んでいこう! それに、子どもがほしいワケではないのに、無理してまで再婚する必要はないのでは」って思いました。


また、エレナは結構しっかりしてるタイプなので、「頼れるのは自分しかいないし、私みたいに完璧主義な人ほど、変な異性を引き寄せてしまうんだろうな」って思い、「今世ではもう2度とこんな惨めな思いはしたくないし、来世でもこのような経験は死んでも味わいたくない」とますます神経質になり、独身だった頃は、悩まなくて良かったことが、結婚したことによって、相手のことで悩まされたり、気を遣ったりすることも出てくるワケだし、それこそエレナの場合は、一方的に我慢させられてる状態でしたので、「もう誰かと再婚なんて、死んでもするつもりはない。結婚してみて思ったけど、私自身、結婚に向いてるタイプではないなと実感したし、奥さんとか妻って言われるのって所帯染みててなんか嫌だし、今はいくらお互いのことを愛し合っていても、あの粗大ゴミと暮らしてた時のように、日が経つにつれ、お互いの存在が邪魔になる日がいずれ来るのではないかと思うと、やっぱ尻込みしちゃう」そう思ったのでした。






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