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第31話 父親になった俺



有里は無事に出産を終え、「今後は育児に専念したいから」という理由で、安定期に入ったタイミングで退職していました。


ただ、有里は慣れない育児のストレスから、ますます女王様化し、以前よりも賢人に対して傲慢になり、それは子育てが落ち着いてからも、有里の態度は変わりませんでした。それどころか、家事も育児もちょこちょこ放棄するようになっていったのです。


また、ブランド買いも相変わらず続いており、以前より頻度は減ったものの、無職ということから、今度は賢人が稼いできた生活費から購入していたので、賢人は結衣のことも考え、有里に対して静かにキレてしまい、


賢人:有里、これまでは自分のお金で購入してるからという理由でスルーしてきたけど、生活費から購入するなんて何考えてんだよ。その割には家事もほとんど手抜き、育児だって結衣が泣いた時しか構わない、それ以外は放置だし。確かに、慣れない育児で辛いのは分かるけど、もう少し母親らしくしたらどうなんだ!


有里:賢人に私の何が分かるのよ。あんたは子どもを産んだこともなければ、仕事を理由にいつもお留守にできるからいいよね。私なんて24時間ずーっと結衣と一緒。それならあんたが育児やってよ!


賢人:有里の言う通り、俺がやっても構わないよ! けど家事・育児に専念するって自分から言ってたではないか!?


2人の喧嘩はどんどんヒートアップしたせいで結衣は起きてしまい、大泣きし始めました。



有里:そこまで言うなら、今は賢人が結衣の面倒を見てあげてよね。私は賢人が帰ってくるまで、ずっと結衣に付きっきりだったんだから!


と投げやりな感じで、有里は自分の寝室に逃げ込みました。


賢人:結衣ごめんねー、パパとママ喧嘩しちゃって。うるさかったよねー。


と言いながら、賢人は結衣が満足するまであやすと、結衣は泣き止みました。結衣のかわいい顔を見て賢人は「俺はこの子の父親なんだ。有里が改心しないなら、俺が結衣を全力で守ろう」という、父親としての責任感が芽生え始めました。


それ以降、賢人は平日は職場で仕事してる分、仕事から帰宅してきた時や、休日なんかは結衣に目一杯構ってあげることにし、結衣が寂しい思いをしないよう、結衣に愛情をたっぷり注ぐことにし、有里に多少の不満はありましたが、「俺がいない間は、一応結衣の面倒を見てくれてるし、きっと気が休まる時がないんだろうな。俺が仕事から帰ってきたら、有里にはその間に休んでもらって、俺が結衣の面倒を見よう。その分、結衣と触れ合う機会も増えるだろうから」と前向きに捉えることにしました。


夜泣きとかで時々、睡眠不足になることもありましたが、結衣の寝顔がいつしか賢人にとって、癒しになっていたのでした。



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