第3話 彼から猛アタックされ
ある朝、メッセージのやりとりにて
日向:エレナさん、おはよう
今日のスタンプもかわいいね
エレナさんと話していて楽しいし気が合うし、これからも一緒にいたい。まだ早いって言われたけど、俺はエレナさんと付き合いたいと思ってる。またデートする時に直接言うね!
エレナさん、好きです❤️
付き合ってくれますか?
というハート付きのメッセージが朝っぱらから送られてきたのでした。
日向に毎日のように猛アタックされてはいるけど、エレナの中で「何か違うというか、果たして日向を選んで、私は本当に幸せになれるんだろうか?」と疑問に思いました。
また、エレナの中で「運命の人って出会った瞬間にピンとくる」って言うけど、日向と出会った時、ピンときませんでした。
というのも、前回の日向の言動もそうですが、外見からして、日向は清潔感があるタイプでもなければ、自分と身長も変わらないし(エレナは、割と身長が高めの人がタイプなため)おまけに、自分よりも日向の方が見た目が細すぎるということから、「この人なんだか頼りなさそうな気がするな」ってエレナ自身、そう思ったからです。
けど、その反面「一緒にいても不快になる相手でもないしな」と思い、断り切ることができませんでした。
そんなある日、エレナの勤めるテーマパークで、占いのイベントブースが行われることが急遽決定し、そのイベントには、そこで働いてる従業員も参加してOKでしたので、この街に来て、誰にも相談できる人がいなくて、日向のことで1人悶々としてたエレナはダメ元で、その鑑定師に「日向と付き合ったらどうなるか」
など、日向との未来について、その鑑定師に相談してみることにしました。ただ、この時依頼した鑑定師が悪かったせいで、後々エレナの人生は大きく左右されていくのです。
鑑定師:はじめまして、鑑定師のマヤです。
よろしくお願いします。
エレナ:よろしくお願いします。
鑑定師:どのような相談か、詳しく聞かせてもらえますか?
エレナ:実は以前行われた飲み会で、ある男性と出会い、ついこないだカラオケに行った時に、付き合ってほしいって言われたんです。
ただ、私としてはまだ、知り合って間もないし、彼のことよく知らないし、運命の人って出会った瞬間にピンとくるっていうけど、彼と出会った時、あまりピンと来なかったんです。それどころか、何か違うというか、この人と仮に付き合っても、彼との未来がイメージできないなと思って。だけど、カラオケに行った日から、毎日のようにメッセージアプリを通して、彼に猛アタックされてて、今に至るというか、、、そんな感じです。
鑑定師:その彼かわいいところあるじゃん!
そんな風に毎日のようにあなたにアタックするってことは、それだけあなたに惚れてる証拠だと私は思うよ。ただ、あなた自身は腑に落ちないのね。
エレナ:はい…
鑑定師:ではあなたが気になってる彼との未来や彼があなたに対してどう思ってるのか、鑑定していきますね。その前に彼の写真を見せてもらってもいい?
その時にエレナは、ついこないだ日向とツーショットで撮った写真を鑑定師に見せました。
鑑定師:へぇー、彼そこまで悪くないじゃん
エレナ:けどあまり私のタイプではなくて
鑑定師:最初はピンと来なくても、だんだん付き合っていくうちに、この人が私の運命の人かもって思うようになる瞬間があるものだから。あなたが気になってる彼との未来について、カードで見ていきましょうね。
そこで鑑定師はタロットカードをシャッフルしました。そこで出てきたカードは、そこまで悪いカードではなく、、、そのカードを元に鑑定師は
鑑定師:この彼、あなたには結構甘いし、束縛するようなタイプではないわよ。この彼とゴールインしたら、あなたも玉の輿に乗れるわ。
彼は優しいし、あなたのことを放置するタイプではないから、彼とお付き合いしていくうちに、あなたも彼のことを好きになっていくから。
などこの時を振り返ると、まるで彼を特別視してるような鑑定ばかりでした。
それでもエレナは腑に落ちませんでしたが、この鑑定師曰く、「私30年以上鑑定師として活動してるけど、私の鑑定を受けてくれたクライアントはみんな幸せになってるし、特に女性は自分が好きって思う人よりも、自分のことを好き好きって言ってくれる人を選んだ方が、幸せになれるものだから。大丈夫、私の鑑定を信じて」とその鑑定師に後押しされ、2人の勢いに圧倒されたエレナは、この鑑定師の助言を信じてみることにしました。この時のエレナは完全に日向とこの鑑定師に洗脳されており、自分の感覚を見失ってる状態でした。
〜後日、日向とお食事した際、イルミネーションを一緒に見ながら〜
日向:ダイナミックですごくキレイだね!
エレナ:そうだね、イルミネーションってことから、カップルが多いね。
イルミネーションを見ながら散策してた2人
そこでハートのイルミネーションが目に留まり、日向はそこでエレナに対し
日向:好きです、付き合ってください!
エレナ:はいっ
2人は晴れて恋人になり、この日から日向との交際がスタートしました。