第29話 彼女と結婚をする決め手となった理由
賢人が母校に就職して、2年目を迎えたある日、有里が住んでる大都会で大きな災害がありました。
その頃大都会では、計画停電が毎日のように実施されており、断水などもしょっちゅうあったため、有里は地元へ帰ってくることにしました。
➖久しぶりに地元で再会した2人➖
賢人:久しぶり、災害に巻き込まれて大変だったね。大丈夫だった?
有里:けんとー、会いたかったよー!
そうそう、災害のせいで、停電もしょっちゅう起きてるから、ここ数日間は非常食で賄ってたし、水不足で断水もちょこちょこ起きてるから、水も常にストックしててさ、偉い目に遭ったよー。
賢人:想像以上に大変そうだね、しばらくここ(地元)にいるといいよ!
有里:そのことなんだけど私、もうここ(地元)に帰ってこようと思って! もう大都会での生活は満喫したし、こんな時、やっぱ1人だと心細いし。それに賢人と一緒にいたいからさ、私たちいっそのこと同棲しない!?
賢人:そんなに寂しかったんだね。確かに俺たち付き合って3年以上経つし、俺もそろそろ実家を離れて生活したいと思ってたから、近々物件でも探しに行く?
有里:うん! 少しでも賢人と一緒にいたいから! 賢人との同棲生活、今から楽しみだよー!!
➖後日不動産屋で➖
聡史:おーっ、賢人。それに有里ちゃんも久しぶりじゃないか!?
賢人:聡史もまさか不動産屋に転職すると思わなかったから、ちょっと意外だったよ!
聡史:何だよ、その意外って!
有里:私も賢人から聡史くん不動産屋に転職したって聞いた時、驚いたよ! けどスーツ似合ってるね!
聡史:えーっ、そうかな?
有里に褒められた聡史は、内心照れていました。実は賢人が教師になった年に、聡史も“仕事とプライベートのメリハリをつけよう”ということから、不動産屋に転職していました。
なので、賢人は聡史に自分たちの条件に合う物件を探してもらおうと、聡史が働いてる不動産屋に訪れていました。
聡史:それで、君たちはどんな物件に住みたいと思ってるの? なんかこだわりや希望とかある?
賢人は有里の希望に応えようと、有里の方に目線を置き、
有里:そうだなぁ、まず3LDKで職場から近くて築浅で…
など、有里は賢人と同棲する上で、叶えたい条件を聡史に伝えました。
聡史:なるほどー
と言いながら、聡史は有里の条件に沿うよう、パソコンで調べ始めました。
そしたら、運が良いことに、有里の条件にピッタリ合う物件がヒットし、聡史は「この物件なら、希望に添えられると思うけど、どう」とパソコンで出てきた物件をコピー印刷し、2人に提案しました。
有里:わぁーっ、パッと見た感じすごくキレイそうだし、私の希望にピッタリ! けど、念の為1度内覧しておきたいかな? ねっ、賢人!
賢人:そうだね、俺も一応内覧しておきたいかな? その方がイメージもつきやすいだろうし。
聡史:もちろんです、僕にお任せください!!
と聡史は自信満々に返答し、早速、社用車で2人が希望してる物件を案内することにしました。
➖希望物件に到着して➖
聡史:着きましたよ!
聡史は賢人と有里を物件の中へ案内しました。
有里:結構いい感じじゃん! 賢人はどう思う?
賢人:そうだね、理想通りの物件だと思うな。
2人で住むにはちょうどいいだろうし。
聡史:では契約しますか?
有里:ここにします!
という感じで、2人が住む物件もあっという間に決まり、不動産屋に戻った2人は、契約書にサインし、2週間後に2人の同棲生活が始まりました。
有里:賢人との生活が楽しみだなぁ!
賢人:これからは毎日一緒にいれるね!
有里:そうだね、私家事頑張るからね!
最初は一緒に生活できることに夢を膨らませてた2人でしたが、同棲を始めたことで、賢人は有里に対して、少しずつ不満が積み重なる日々を過ごすことになっていくのです。




