第28話 教育実習も最終日を迎え
教師実習という期間も、いよいよ最終日を迎え、賢人はいろんな出来事に遭遇しつつも、母校で教師という体験ができたり、放課後には、いろんな生徒の個別指導ができたことから、賢人にとってこの期間は「自分自身を更に成長させることができた。教師の道に一歩前進したな」と心からそう思えた2週間でした。
➖最終日 教室で➖
学級委員長が代表して
学級委員長:木村先生、2週間という短い期間でしたが、授業を丁寧に教えてくださり、ありがとうございました。先生の授業はとても楽しかったです!
と言った後、生徒から感謝がたくさん綴られた色紙が送られました。
他の生徒も次から次へと
「私も賢人先生の授業はとても楽しかったし、先生のおかげで英語がすごく好きになったよ!」
「俺も賢人先生の授業はとても楽しかったし、俺たち1人1人に向き合ってくれてるところがとても印象的だった!」
など、生徒たちから感謝の声をいただいた賢人
また、廊下ですれ違った他学年の生徒からも
「賢人先生、ありがとう」と声をかけられたり、お礼の手紙を受け取りました。
その日の放課後、ひかりからも「遅い時間だったにも関わらず、相談に乗ってくれて嬉しかったこと。私の身を心配して、家まで送り届けてくれたこと。この短期間で自分が好きって思えるものに熱中できるようになり、今では充実した日々を過ごせてること。自分は1人じゃなかったことに気づけた」というお礼の手紙と、彼女オリジナルの無添加クッキーが送られ、それを口にした賢人は、頭をフル回転させてたせいか、「無添加なのに、甘くて美味しいクッキーだな。健康になれるなら、ずっと食べてたいな」と思ったのでした。
➖帰り際 校長室で➖
校長:木村くん、2週間お疲れ様でした。
賢人:校長先生、こちらこそ、ありがとうございました。
校長:それにしても、教育実習生として、あそこまで反響を呼んだのは、君が始めてだったよ!
賢人:あはは、まさか放課後に個別で指導するなんて、俺も想像してなかったので、少し驚きましたが、そのおかげで自分自身、更に成長することができたなって思いました!
校長:そうか、ところで木村くんは将来教師になりたいと小耳に挟んだが、その気持ちに今も変わりはないか?
賢人:はいっ、俺の将来の夢は教師一択です!
賢人の目を見て、賢人の意思が本物だと察知した校長先生は
校長:それなら来年から、我が校で働かないか? 来年還暦を迎える先生が10人ほどいてな。人手が足りなくなるから、もし木村くんさえ良ければ来年の4月から、我が校で働いてほしいと思ってるんだが、、、どうかい?
賢人:えっ、いいんですか!? 実は俺も教師をやるなら、母校で働きたいなと思ってたので!
校長:それなら決まりだな! 木村くん、来年の4月からよろしくな! 期待してます!
そこで2人はよろしくの握手を交わし
賢人:はいっ、ありがとうございます! よろしくお願い致します!!
という感じで、次の就職先も校長先生のスカウトであっという間に決まり、就活で苦戦する同級生がいる中、賢人は就活に苦戦することなく、トントン拍子に就職先が決まったのでした!




