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第23話 アメリカでの生活


食においては、驚きが隠せない賢人でしたが、アメリカでの生活は、賢人にとってはかなり新鮮なものでした。


語学を学ぶために勉強をしたり、文化を学ぶために人との交流を増やしたりなど、色んなものを賢人は自分の目で見に行きました。


アメリカでは、賢人の知らない価値観や人間関係、世界観が広がっていて、それは賢人の中で様々な思考が更新されていくような感覚で、その出来事は、賢人をよりワクワクさせていきました。


「日本にいた時の俺は、将来のこともざっくりとしたものだったけど、やりたいことがあるなら、もっと将来のこととか、先を見据えた考え方をしないといけないな」とそんな風に、賢人自身、自分を見つめ直す時間もあり、まさに人生の転機とも言える日々を過ごしていたのでした。



そんなある日、壁にはアートが飾られたおしゃれな内装のカフェで、美味しそうな匂いが漂い、人々の笑い声が絶え間なく響いている店内でランチを取っていた賢人ですが、混んでいたためか、腕を組んだカップルに声をかけられました。


女性:すみません、他に席が空いてなくって…良かったら同席してもいいですか?


賢人:もしかして、日本人の方ですか?


女性:私は日本人です、彼は地元ですが…



声をかけてきた女性は日本人で、とても親しみやすそうな雰囲気の女性でした。突然、声をかけられたことで、賢人は少しびっくりしましたが、自分と同じ日本人と話せたことによって安心感を覚えました。男性は現地の方のようで、案の定、体型の大きい方でしたが、親しみやすそうな顔立ちをしてました。なので、賢人は快く了承し


賢人:Please have a seat.


と男性にも分かるように、英語で会話をしました。


男性:thank you.


女性:ありがとうございます。なんだか他の席は声かけづらくて、どうしようかなと迷ってたら、日本人の方がいるなと思って、声をかけたんです!


賢人:確かに、こういう時って同郷の人がいると声かけやすいですよね。ただ、俺がいたら2人のお邪魔にならないですか?


女性:いえいえ、とんでもないです! むしろ彼日本に興味があって、私以外にも日本人と交流を深めたいって良く言ってるんですよ!


賢人:そうなんですね!


と言うと、賢人は男性に自分の自己紹介を英語で伝えました。


賢人:Hello, my name is Kento Kimura. What’s your name?


男性:My name is Maikel


女性:My name is Sakura


賢人:Nice to meet you


マイケル・さくら:Nice to meet you, too


そこで、3人はよろしくの握手を交わしました。



賢人は食後のラテを飲みながら、マイケルとさくらは運ばれてきたパンケーキをシェアして頬張りながら


さくら:賢人さんはアメリカへ移住してきたんですか? それとも若そうだから、留学とかですか?


賢人:留学ですね、大学生なので!


さくら:へぇー、そうなんだ! 私は今海外赴任中でここに来て半年になるんです。マイケルは職場の同僚で、付き合って3ヶ月目なんですよ!


賢人:そうなんですね。アメリカでの生活は慣れました?


さくら:ここへ来たばかりの頃は、目的地に迷ったりとか、英語も全然話せなかったから、テンパることも多くって… そんな時、マイケルが咄嗟に助けてくれて、今があるって感じなんです!


賢人:そうだったんですね! 


この時、賢人は「いざという時は俺も有里の助けになりたいな」と思い、「マイケルを見習わなくてはいけないな」と思ったのでした。



マイケル:I haven't been to Japan yet, but what Japanese food would Kento recommend?

(俺まだ日本に行ったことがないんだけど、賢人のオススメの日本食ってなんだ?)


賢人:Well, I guess it's sushi.

People from overseas think sushi is a rare food. And personally, I recommend soba noodles too.

(そうだなぁ、やっぱお寿司かな? 海外の方はみんな寿司を珍しく思うものだからさ。あと個人的にはお蕎麦もオススメかな?)


マイケル:I'd like to try soba once

(そばか、1度食べてみたいね)


賢人:I have a recommended soba restaurant, so if you have a chance to come to Japan, I'll show you around!

(オススメのお蕎麦屋さんがあるから、もし日本に来る機会があれば案内するよ!)


マイケル:I'm looking forward to it. Oh, if you'd like, since you've come all the way here to study abroad, I can show you around if there's anywhere you'd like to go!

(楽しみにしてる。あっもし良かったら、賢人もせっかく留学に来てるわけだし、行きたいところがあれば案内するよ!)


賢人:Really!! Then I'll make a list of places I want to go to next time we meet!

(ホントに!! じゃ次会う時までに行きたいところをリストアップしておくよ!)


マイケル:OK, since we were lucky enough to meet, let's exchange messages and I want you to teach me Japanese!

(OK、せっかくご縁があって出会えたわけだから、メッセージ交換しない、あと俺に日本語教えて欲しい!)


賢人:OK, I want to improve my language skills too, so maybe I'll get some help from Michael.

(OK、俺も語学力を高めたいから、マイケルに教わることもあるかもしれない)


マイケル:Ask Me Anything(何でも聞いて)


賢人:thank you.(ありがとう)



さくらとは同郷でご縁があって出会えた嬉しさと、マイケルとの会話は、とてもフレンドリーでかつリラックスした雰囲気で、日本ではあまり見られないオープンマインドな姿勢に、賢人は驚きを隠せませんでした。


会話もすっかり盛り上がり、帰り際に3人は連絡先を交換し、その日はお開きとなりました。


家に帰る途中、日本にいる時よりも、自分の意見を英語でしっかり伝えることができたことに自信を持ち始めた賢人は、心の中で新たな一歩を踏み出す決意を固めていたのでした。



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