第22話 教師の道に進むことにした俺
居酒屋で聡史に相談したことで、賢人は教師の道に進もうと決心しました。
その中でも特に賢人は英語が得意なので、「もし教師になったら、英語を担当したいな」と密かに思い、教壇に立って、自分が生徒たちに英語を教える姿を想像するだけでワクワクしてきました。
それと同時に、海外にものすごく探究心があったため、「機会があれば、留学なんかもしてみたいな」など、どんどん夢が膨らんでいきました。
そしたらちょうど大学のキャンパスで、海外短期留学というポスターが貼り紙されており、それは夏休みなどの長期休暇に利用していくことも可能と記載されてたので、それに飛びついた賢人は、同居してる両親に「海外へ留学に行って、視野を広げたり、語学力を高めて英語教師になりたい」と主張しました。
理由を聞いた賢人の両親たちは「そういうことなら、これを機に、色んなことを体験して来るといい。その分、視野も広がるきっかけにもなるから」と了承してくれ、夏休みの間、アメリカへ留学に行くことにしました。
➖海外へ留学に行く日➖
アメリカへ留学に行くことはもちろん、遠距離で付き合ってる有里にも報告はしてたので、それを聞いた有里は「いいなぁ、私も一緒に行きたいな」と呟いてましたが、有里も就活や国家試験などを控えてたので、一緒に同行することは叶いませんでしたが、賢人が「留学中も連絡するから」と伝えると、有里は「今でさえ遠距離なんだから、留学中も浮気は絶対にしないでね」と賢人に釘を刺しました。ただ、賢人はその辺の立場もしっかり弁えているので、「分かってるよ。有里を不安にさせるようなことはしないから」と言うと、有里は安心してくれたのか、「分かった」と納得してくれました。
ただ、海外旅行が大好きな賢人ですが、アメリカへはまだ行ったことがなく、「カバンを奪われて取り返そうとしたら、ナイフで脅されて…」などと言った怖い体験談をアメリカへ行ったことのある知人から聞いてたので、今回は1人ということもあり、少しだけ不安が漂いました。
また、ホームステイということから、「お世話になるファミリーがどんな人なのかな? うまくやっていけるかな」という不安も少しだけありましたが、いざ現地へ着き、賢人がこれからお世話になるホームステイ先のファミリーたちは、みんな暖かい人たちでしたので、そんな不安はすぐに吹っ飛び、ホームステイのママは辿々しさはありましたが、賢人を気遣い、日本語で会話してくれました。
ホームステイのママ:ケント、今日はお肉料理いっぱい作ったから、たくさん食べテネ。
賢人:ありがとう、ママ
ホームステイのママ:日本からの長旅だったから、疲れたでしょう。今日はゆっくり休んデネ。
賢人:サンキュー
その日食卓には、ジューシーなステーキや手作りのバーガーやミートグラタンなどのお肉料理がズラリと並びましたが、アメリカということから、すべての料理が通常の2〜3倍くらいはあるのではないかと思えるほどのジャンボサイズでした。なので、当然ながら、ファミリーたちの体型はもちろん、現地の人も大きい人たちばかりでしたが、アメリカではそれが普通という感じでした。ファーストフード店なんかに行っても、1人では食べきれないくらいの量で出てくるし、学食もフライドポテトなどの脂っこいものがほとんどなので、賢人は胃もたれを起こしそうになり、「アメリカの食事は侮れないな」と感じました。
ドリンクを注文した際は、Mサイズを頼んだはずなのに、目の前に置かれたのは映画のポップコーンバケツのようなLサイズでしたので、「今後ドリンクを頼む時はSサイズを注文しなくてはいけないな」と新たに学んだり、アメリカは医療費がめちゃくちゃ高く、病気も自己責任なため、気軽に病院へはいけないことから、「体調管理はしっかりしないといけないな。ただでさえ、アメリカ料理はコッテリしたものが多いから、食事をする際は、サラダやフルーツなど少しでも身体に良いものを摂取しよう」とアメリカで過ごすことによって、「健康的な選択を意識して、食生活を見直さないといけないな」と反省したのでした。




