第21話 やりたいことを見つけようといろんな資格の勉強を始めたが…
有里と付き合うことになった賢人は、以前有里とデートした時に、彼女の熱意に影響され、自分もやりたいことを見つけようと、いろんな資格の勉強を取り始めました。
ただ、FPや簿記など、日常で役に立ちそうな資格にチャレンジはしてるものの、賢人の中で、勉強しててコレだって熱中できるものが見つかりませんでした。
そしたらちょうどその時、聡史から電話が入りました。
聡史:よっ、賢人 今日の夜暇?
賢人:ちょうど良かった。お前に報告とか相談したいことがあるからさ。
聡史:報告というのはもしかして
賢人:飲み屋に着いたら話すから待ってて
聡史:おーっ、これは良い報告を聞けそうだな
➖その日の夜 馴染みの居酒屋で➖
聡史:よっ、賢人! 有里ちゃんとはどうなったんだ?
賢人:そのことだけど、付き合うことにした。
聡史:おーっ、おめでとう! お前から報告したいことがあるって聞いた時、もしかしてそうなんじゃないかって思ったんだよ!
賢人:まぁ現状は遠距離だから、付き合ってるっていう実感が湧かないけど。
聡史:けど有里ちゃんも良く、遠距離でも了承してくれたよな?
賢人:まぁな
聡史:じゃ今日は賢人に彼女ができたというお祝いも兼ねてパーっと飲もうぜ! あと相談したいことって何だ?
賢人:実は彼女と付き合うことになったんだけど、彼女カリスマ美容師になるのが夢みたいでさ、それを語ってる時の彼女がとてもキラキラしてて、俺も本気でやりたいことを見つけようと、色んな資格の勉強をしてるんだけど、好奇心というものが全然湧いてこなくてさ…
俺って何が向いてると思う?
聡史:それは賢人が好きなものをリストアップしてみてさ、その中から絞ってみるのはどう?
それか、教師の道に進むっていうのもありなんじゃない? 賢人高校の時、成績もトップだったんだし、それこそ有里ちゃんと出会ったのが、俺たちの母校だったから、そういう意味では思い入れの場所になったワケだし。とはいえ、高校の時は彼女たちと接点はなかったけど… 俺が思う賢人ってさ、いつも自分のことは後回しで、他人の世話を焼くことが多いように見えるんだよね。いつも他人のために何かしてあげる場面を俺はダチとして、間近で見てきたからさ。賢人みたいな先生がいてくれると、救われる生徒も増えていくような気がするし、教師っていうのもありなんじゃないかって思うけどな。
賢人:お前俺のことそんな風に思ってくれてたんだな。ちょっと見直したわ(笑)
聡史:何だよ、失礼な。
賢人:教師の道は検討すらしていなかったけど、そう言われると悪くないな。
聡史:やりたいことがあるヤツってさ、キラキラしてるように見えてカッコいいよな。俺もなんかやりたいこと見つけようかな。
賢人:そういえば前に職場で怒鳴られることがあるって言ってたっけ?
聡史:確かに怒鳴られることはあるけど、仕事が嫌いってワケではないんだよ。ただ、俺の人生、このままでいいのかなって思うことがたまにあってさ。
賢人:まぁ確かに、そう思う時って誰にでもあるよな。
聡史:だからそういう話を聞くと、自分と比べてしまうというか、俺って何だろうって思うことがあってさ、時々俺も賢人みたいに大学に進学していれば、もっと青春を謳歌できたのかなってふと思うんだよな。
賢人:聡史が言うように、俺の同級生で思いっきり遊び呆けてるヤツとかいるけどさ、単位取れないと卒業はできないからな。
聡史:まぁそれもそうだよな。
賢人:まぁ俺明日何も予定ないし、聡史も明日休みなら、朝まで付き合おうか?
聡史:お前って昔からお人好しなところがあるよな。人思いなのはいいことだけど、自分のことも大事にしなよ。
賢人:はいはい




