第18話 彼女からの告白に対して彼は
無事に帰路へ着いた賢人は、お風呂に浸かりながら、有里からの告白に対してどう返答しようかと混乱しており、頭の整理が追いつかない状態でした。
というもの、自分には縁がないって思ってた人物からの衝撃的な告白でしたし、「本当に彼女は俺のこと好いてくれてるのか? それとも遊びなのか?」それさえも賢人の中で疑ってしまうほどでした。
そんなことを考えながらお風呂に浸かっていたら、1時間近く長湯してたので、そろそろ上がろうかなと思ったその時、まるでこちらの状況を察してるかのように、聡史から電話が入りました。
聡史:よっ、賢人。今日は楽しかったな!
賢人:そうだな、久しぶりに青春を味わえて楽しかったよ。
聡史:とろこで今日お前、有里ちゃんとすごくいい感じだったけど、進展あったのかよ!
賢人:そのことなんだけど、お前らと別れた後、彼女と途中まで一緒に帰ったんだけど、高校の時、俺のこと好きだったみたいでさ、付き合ってほしいって告白された。
聡史:おーっ、マジか! やったじゃん!
実は俺、有里ちゃんはお前に気があるんじゃないかなって思ってたんだよ! けどまさか高校の時からお前のこと好いてたとはな。
賢人:それは大袈裟すぎだろ。まぁ確かに、俺には縁がないって思ってたけど。
聡史:俺はあの後、凛ちゃんやさなちゃんたちと2次会へ行ったけど、何の進展もナシ。それに比べてお前はいいよな。あの美女からまさかの告白までされて。 それは断る理由はないと思うぞ!
賢人:そうだけど、もし彼女と付き合うってなった場合、いずれ結婚の話になるだろうし、本当にそうなった時、俺に彼女の人生を背負う自信がないっていうか、まだ現実を受け入れられないっていうか…
聡史:お前、先のことまで考えすぎ!
もし違うなって思ったら、別れたらいいだけなんだからさ、気軽な気持ちで付き合ってみなよ。これ逃したら次はないぞ!
賢人:お前それ脅しか! 恋愛においても聡史って相変わらずポジティブだよなぁ。
聡史:とにかくお前ならきっとうまくいく! 俺が保証するよ!
賢人:うーん、考えておくよ。
聡史に相談して、少しだけ状況が整理できた賢人は、お風呂から上がった後、再度有里のことについて考えてみました。
「まぁ確かに、偶然のように異性と再会して告白までされるってことは、もしかすると俺と彼女は運命なのかもしれない。そういう話は巷でもよく聞くし」と思い始めました。「先のことなんて、俺には見当がつかないけど、せっかくご縁があって出会えたワケだし、恋愛は当面の間いいかなって思ってたけど、彼女と付き合うことで、いろんな意味でいい刺激をもらえそうだし、前向きに検討しよう」と思い、後日、有里とのデートで付き合う旨を伝えようと決心しました。




