第16話 妻との出会い
俺の名前は木村賢人
職業は母校で高校教師をしている。
ちなみに担当科目は英語。その理由として、英語が1番好きで得意だから。独身だった頃は、長期休みになる度に、いろんな国へ旅に行ってたくらいに、海外旅行が好きで楽しみの1つだったけど、結婚して家庭を持つようになってからは、海外に行く機会がめっきり減ってきた為、もし長期間、1人になれる時間が許されるなら、また海外旅行へ行きたいなと密かに願ってる今日この頃だ。
話は戻るが、この母校に勤めて約15年経つことから、現在は学年主任という立場を任せられるようになり、義務・責任を突きつけられることも多いが、その分、給料もありがたいことに、余裕ができるくらいにまで、もらえるようになってきている。たくさんの生徒から進路相談や友人関係の相談、家庭環境の相談など、幅広い相談に乗ることが多いため、風の噂によると、生徒からはそれなりに慕われてるらしい。それに加え、新卒入社で入ってきた年下教師の面倒を見ることも多いため、バレンタインシーズンなんかは、遠回しにアプローチされることがあり、戸惑ってしまうくらいだ。
ただ、家庭では正直言うと、居場所がなく、配偶者である有里とは結婚して10年くらい経つが、価値観のすれ違いが多く、擦り合わせができない状態が続いている。
では、妻である有里とはどこで出会ったのか、その話をしていこうと思う。
有里は、現在俺が勤めてる母校の同級生だった。
今の生徒はそうでもないが、俺が高校生の時は、男子は男子・女子は女子って感じで、異性の同級生と話す機会が滅多になく、女子の同級生で誰がいたかなんて、俺の中で正直記憶にもないくらいで、誰かを好きになることがないまま、高校生活を終えたが、俺にとって高校での生活はすごく充実してて、思い出に残るくらいに楽しいものだった。
そんな中、成人式の時に、偶然のように有里と再会し、それを機に有里との距離が縮まっていき、2人でデートする仲になっていったのである。
賢人の友達:賢人、久しぶり、元気だったか?お前大学で遊んでばかりいねぇよな?
賢人:おーっ、聡史、久しぶりだな。
そういうお前もちゃんと社会人やってるのか?
聡史:引っ越し関係だから、体力は使うし、働いてる人たちは、中年男性が多いから、おいとか言われてたまに怒鳴られたり、コキ使われることも多いから、時々逃げ出したくなることもあるけど、毎日ちゃんと働いてるぜ。偉いだろ!
賢人:お前それを自分で言うのか?
聡史:だって誰も言ってくれないんだから、自分で言うしかないじゃん! ところで賢人、大学で彼女できた?
賢人:そのことなんだけど、俺もそろそろ自分の進路を本気で考えていこうと思ってて。そこまでの余裕がないんだよな。そういう聡史はどうなんだよ。
聡史:そっか。まぁ俺も毎日働き詰めだし、あいにく今の職場は男しかいないからさ、出会いなんてないんだよな。だから今日は、成人式での再会を合コン感覚で楽しめたらなと思って。
賢人:合コンって、今日は成人式だけど。
聡史:まぁまぁ、女って数年会わないうちに雰囲気変わるし、見違えるくらいにキレイになってる子もいたりするものじゃん。それに高校の時、接点がなかった分、今日はその時間を取り戻す感覚で楽しみたいからさ!
賢人:聡史って昔っからポジティブだよなぁ。
聡史:人生楽しんだもん勝ち。早速ナンパしに行こうぜ。
賢人:ナンパって、しょうがないなぁ。




