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第44話 魔王様とクソババア

それからしばらく経って。

 オープンした猫カフェは大盛況だった。

 一日一組の予約制で、のんびりゆったりお猫様と戯れてもらう形式にしたせいか、予約は三か月先までいっぱいだ。


 国王陛下なんて、国王権限で月に一度は予約を入れているほど。


 うんうん、楽しんでもらえて何より。


 あ、そうそう。キジトラさんとサバトラさんが元々住んでいた壊れかけた神殿というか孤児院があったところ。

 あの一帯は、今や魔王なお父様の領地になった。


 マッグレガー侯爵家の領地だったんだけど、もうね、国王陛下直々の監査が入った途端、出るわ出るわ、不正の証拠。

 領民を虐げていたとか脱税とか? 

 詳しくはよくわからないけど、あれこれあって、マッグレガー家は侯爵位から男爵位に落とされたんだって。落ちすぎ……って言うか、それだけひどいこと、たくさんしていたのかしら……。

 領地も縮小されて、その領地の一部を、最初は陛下はわたしに下さる予定だったみたいなのよね……。


 一部とはいえ、猫カフェの褒章に元侯爵領……。


 大きすぎるし、ミシンからの収入があるし、わたしはアスランと結婚してカッシーニ伯爵夫人になるしで、要らなーいって思って。


 いろいろにゃごにゃご交渉の結果、魔王なお父様が爵位を伯爵に上げ、元マッグレガー家の領地の一部もお父様へ。


 はっはっは。お父様が伯爵位になったということは、アスランとのカッシーニ伯爵家はお父様の魔の手に落とされなくて済むかも! 

 わたしとアスランの未来もきっと安泰!

 将来生まれるかもしれないわたしとアスランの子どもも、これで自由に生きられる! ふっふっふ。


「わたしなど、ちょっとしたアイデアを述べただけですの。実際に動いたのは父ですから~」とかなんとか言って、どんどんいろいろお父様に差し上げていきましょう!


 で、マッグレガー元侯爵家、今や男爵夫人となり果てたマッグレガー男爵夫人が、お父様にイチャモン付けてきたのよね。ああ、丸投げしててよかったー。


「おまえのような使用人がえらそうに、しかもあたくしの領地を勝手に持っていくとは何事ですっ!」って。


 あれ? 知り合い? 

 ああ、そういえば、前に聞いていたことがあったっけ。お父様が金儲けと爵位を得ることに執念を燃やしているのは、昔、働いていた侯爵家のお嬢様に関係があるらしいとか何とか……。


 そのお嬢様って言うのがマッグレガー元侯爵の、今はマッグレガー男爵夫人となったこの人なの⁉

 あら、もしかして、叶えられなかった恋とか?

 うわー。

 でも、どう見ても、このマッグレガー男爵夫人、お父様が惚れるようなご令嬢ではないような……って、疑問に思ったら。


「ばーかっ! ふざけんなよこの超ド級性格ブスっ!」


 お、お父様⁉

 マッグレガー男爵夫人は顔を真っ赤にして怒ってますけど⁉

 い、いいの⁉ 初恋の君とかじゃないの⁉


「使用人のクセに、このあたくしに恋をしていたくせにっ!」

「自意識過剰の阿呆お嬢様っぷりは、クソババアになっても健在だなっ! オレが惚れていたのはお前のような醜いババアじゃねえんだよっ! お前じゃなくて、ルナリア様がオレの初恋だっ!」

「はあ⁉ なんですってえっ! お姉様⁉」


 ……マッグレガー男爵夫人もお父様も、小学生の言い争いですかってレベルの口喧嘩を……繰り広げていますけど……。


「貴族になって、金も稼いで、いつか迎えに行くと、オレが誓ったのはルナリア様だっ! なのに、貴様のせいで他国に嫁がされてっ! 自意識過剰のブス女とは違って、あの方は天使だからなっ! 他国でおしあわせに暮らしているからイマサラ手を出したりはしねえがなっ!」


 一人称も、オレになってますけどお父様……。口も悪いですよーって。


 あー……、よくわからないけど、若かりし頃の父にも、純愛があったのねー。

 でも、純愛は実らなくて、お父様は魔王と化して、お金を稼いで、身分を得て、それで、他国までマッグレガー男爵夫人のお姉様を迎えに行くつもりだったのかな……。

 それとも復讐の鬼と化したのかな?


 うーわー……。


「平民のままで、暴言を吐けば、しょっ引かれるからなっ! 性格ブスのお前と同じ侯爵位になってから、言ってやろうかと思ったが。まあ、今やオレが伯爵、お前は男爵夫人でしかない。けっ! ざまーみろっ!」


 お父様の暴言は止まらない。


「ついでに言うと、オレは今の妻にそこそこ満足してんだよっ! 自意識過剰の性格ブスのお前の、一万倍イイ女だからな!」

 ブスのお前の一万倍イイ女だからな!」


 おとーさま……。それ、お母様のこと、ほめているんですか貶しているんですか。

 とりあえず告げ口していいですか?


 それはともかく、こんな低レベルの言い争いなんかして、伯爵位、はく奪されるんじゃあ……。


 と思ったけど。

 今や、ミシン産業、それに付随する服飾産業。ドレスの流行も、何もかも、お父様の支配下にあるのよね……。


「今後一切っ! この私に関わるな、性格ドブスっ!」


 あ、一人称が私になったわ……。ちょっとは理性、取り戻したのかな……。

 でも、これ、言うために、えげつないくらいにお金を儲けて、爵位まで得たんですか……。

 うわあ……。ドン引きだわあ。

 とりあえず、お父様が蛇のように執念深いことは理解できたので。

 触らぬ神にたたりなし。

 うん、お父様のことは、見ざる聞かざる言わざるの精神で……。

 暴言吐きまくってスッキリされているみたいですから……。ま、いいやー。


 さ、結婚式の準備に取り掛かろーっと。










 次回、予定通り、最終回です(*´▽`*)

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