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限界オタクが悪役令嬢に生まれ変わって最推しに出逢えて尊い!ので、推しの闇落ちルートを全力回避します  作者: 睦月のにこ


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外伝・最推しとクリスマスデートをしました。

 ウィンターホリデーの期間、お父様とお母様が領地に戻り、王都の屋敷は私とリオが留守を預かることになったわ。


「待って、ちょっと待って。理解が追いつかないわ。

 ええと、つまりクリスマスが……青薔薇の聖女再臨祭?」


 お昼下がりに、私はアップルクランブルをジンジャー紅茶で飲み込む。

 婚約者となったリオに聞き返したわ。


「クリスマスとは何かは知らないが、12月25日は先代の青薔薇の聖女が現れた日なんだ。

 まあ、つまりは桜子ひいお祖母様の誕生日だな。


 毎年ミサの後、盛大に祝うのが恒例行事でな。

 カントリーハウスで家族皆でプラム・プティングを作ったり、鴨肉や七面鳥の丸焼きなどの豪華なディナーを楽しんで、プレゼント交換をするんだ。

 ……君の誕生日でもあるな」


 更に言うと、前世の私の誕生日でもあるのよね。

 何この恐ろしい偶然の一致よ。


 って事は、今世もクリスマスプレゼントと誕生日のプレゼント同カウントされて、プレゼント一つしかもらえないのかなぁ……。

 あれ、地味ーに嫌だったわ。


 クリスマスって確か、異教の太陽神ミトラスのお祭りの日で、イエスの正確な誕生日ではないって話も聞いたけれどね。


「前夜祭には再臨祭マーケットが開かれて、グリューワインなどが振る舞われるんだ。


 だから、俺と少し出掛けないか?」


 ひょっとしてこれってデートってやつでしょうか。




 まず、立ち寄ったのは宝石屋さん。何でも王室御用達だそうよ。

 様々な宝飾品が並んでいるわ。綺麗だけど目がチカチカする。


 前世は家が厳しかったからピアスも開けられなかったのよね。

 そういえばお母さん、ネックレスやイヤリングつけるだけで頭痛と肩こりする虚弱な体質だったなぁ。



 奥のVIPルームに通されて、店長さんに恭しく礼をされたわ。


「ご婚約、おめでとうございます。

 リオネル王太子。セルシアナエリーゼ様」


「ありがとう、店主」


「リリー妃に抱かれていた、あの可愛い赤子が……リオネル様、大きく立派になられて……!

 セルシアナエリーゼ様、リオネル王太子を守って下さりありがとうございます!」


 これはあの事件以来発覚した事なんだけれど、王宮関係者の皆さん、隠れリオファンが多かったのよね。


 最近、そういう方にやたら感謝されているのよね。


「そうだな。婚約指輪はあまり目立たないシンプルなもので」


「……リオ、そんなに急がなくても」


「エリーゼは、フィオナ兄上陛下に狙われているからな。

 それに、青薔薇の聖女ってネームバリューもついてしまったから、この先多くの諸外国の要人にも目を付けられ、狙われるだろう。


 今のうちに、先手を打っておかないとな。


 宝石は……サファイアかな。エリーゼの瞳の色だから。見ていると安心する。


 エリーゼの希望は?」


「私はそうね……青紫色の宝石か、ルビーかなぁ。

 リオの瞳の色に合わせたいかなって」


 ……私もリオも考える事が一緒だわ。やだ、顔が熱い。



 奥の工房から、ドワーフの職人さんがやって来て。


「それでしたら、お嬢様。


 最近、南方の大陸の鉱山で見つかった新しい宝石がありまして。

 リオネル王子様の瞳の色にそっくりですねぇ」


「それって、タンザナイト?」


 ドワーフの職人さんは朗らかに笑って。


「ご明答。タンザナイトですよ。


 ダイヤモンドが定番ですが、いいチョイスですね。


 ドルンゲンのバートン領から採れた新鉱石、アレクサンドライトという宝石も人気だよ。

 夜と昼で色が変わるんだよ。」


「へぇ。素敵ね。

 やっぱりタンザナイトでお願いするわ」


 店主さんは。


「かしこまりました。

 指輪はシンプルなものがよろしいのであれば、銀……プラチナが良いかと。

 裏側に宝石を入れましょうか」


 リオは柔らかに微笑んで。


「それで頼む」



 次に立ち寄ったのは本屋。かなり大きな書店ね。


 リオが注文していた本を取りに行く。

 闇魔法についての文献をかなりの冊数購入したわ。


 屋敷に届けてもらえばいいのに……と思ったら。


「エリーゼ。すまないが、もう少し見て回っても良いか?」


 と言って、四大魔法や古代の魔法など、他の分野の本も物色し始めちゃったわ。

 追加購入するか、凄い悩んで結局リオは買った。


 分かる。本屋って、気がつくと色んなコーナーをぐるぐる回ってるもんよね。


 私は流行の恋愛小説と、探偵ものを購入しました。

メイド達から評判良いの聞いてたのよ。

 シャーロック・ホームズみたいな話好きなのよね。


「やった……!これでようやく本を買いに来れる!」

「今までロジーに本を貸してもらってようやくだったものな」


 リオってば、近くの古書店にも凸したわ。

 手当たり次第買いそうだったから、流石に数量制限設けましてよ。



 街の広場に出るとクリスマスマーケット……じゃなかった。

 青薔薇の聖女再臨祭マーケットが開かれていたわ。


 デコレーションされた、もみの木。


 暖かいグリューワイン、プレッツェル、レープクーヘンの装飾が綺麗だわ。

 それに可愛い天使や、青薔薇の形のお菓子。綺麗な雑貨。



 向こうの大天幕の張られたテントから歓声が上がる。

 ああ、これって……!


「サーカスと移動式の遊園地が来ているのね」


「前から行って見たかったんだ!

 一緒に行こう、エリーゼ!」


 リオの弾けるような笑顔は、年頃の少年そのものだったわ。



 まずは、レトロな観覧車に乗ったわ。


「俺たちが暮らしている王都って、空から見るとこんな形をしているんだな」


 次に回転木馬。王子様が本物の馬じゃなくて、木馬に乗るのってどうなのかしら?

 本人は楽しそうだけれど。


 サーカスでゾウやトラ達の芸、綱渡りの大道芸などを見たわ。……動物の管理、労災大丈夫かしらね?



 たっぷり遊園地とサーカスで遊んで、お屋敷に帰って美味しいディナーを食べて。


 すぐに眠気が迫って来てしまったわ。


 くそう、リオやメイドやってるロジーとトランプで遊ぼうと思ったのに。




 翌朝、聖女再臨祭のミサに出掛けるために早めに起きると。


 枕元に、小さな小箱が置かれてました。

 ほら、結婚指輪のケースみたいな……まさか。



 ノックしてから、リオが私の寝室に入ってくる。


「おはよう、エリーゼ」

「リオ、これって……!」


 リオは膝ついて、小箱を開ける。

 そこにはダイヤモンドの指輪が。これって結婚指輪……?!


「……俺からの誕生日プレゼントは、婚約指輪だ。

 王子としてではなく、一人の男として、これを君に。


 エリーゼ。それで、式の日取りだが……」


 結婚、式というワードに脳がしばらく処理落ちする。

 けっこん……結婚式?!これってプロポーズ?!


「にゃあぁ?!待って待って!

 無理じゃないけど、それはまだ早い早い!

 せめて学校卒業してから……!?」


 どうしてこうなったの?!こんな事望んでなかったのに!


「ふふ。ちゃんと貴方がイエスと言うまで、何度でもプロポーズするし、入籍の催促だってするからな?

 俺はしつこいぞ?覚悟しろよ、エリーゼ」


 限界オタク令嬢、最推しの悲惨なラスボス王子を救ったら結婚を迫られて、困ってしまいます?!


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