ねむねむにゃんこ3D2
23歳の木下バチ子(23)はエキサイト大学お花学部にゃんこ学科に通う23歳の大学生。かの有名なタクティカルインストラクター、コベリオン万丈目の意志を継ぎ、現在全国一の学生シューターを決める「バチバチシューティングコンペ2019令和」の会場へ向かう最中だ。
電車に揺られ、今はただ平和への祈りを捧げるのみ。マスカラスコチュジャーネ。
「あんたも参加者かい?」
バチ子が顔を上げると、目の前に若い男が立っていた。左手で鼻毛を抜きつつ、右手には銃身の短いAR15を抱えている。
「ブチ殺すぜ!」
木下バチ子は即座にウエストポーチから電動エアーガングロック18Cを取り出し彼の顔面を殴打。男がひるんでいる隙に自分のTシャツの前面をめくりあげ、その下に隠してあったコルトディフェンダー拳銃を取り出すとすかさず5発を連射した。弾丸が男の上腕二頭筋に命中、完全に破壊した。外れた4発の弾丸が電車内を目まぐるしい勢いで跳弾していき、多くの乗客を巻き込んだ。令和初のアクティブ・シューター事案となる。
「オオロローオローロオオオ」
男はびゅんびゅんと高速回転を開始した。あまりの速度により地球の処理が追いつかず座標バグを誘発し電車からはみ出た。その様子は偶然居合わせた大物YouTuberザンジバルかつこ(チャンネル登録者数3200人)のスマートフォンにより実況生中継され、多くのネットユーザーが注目。男は一躍SNSのタイムラインを騒がせる存在となった。
「良くないね、これは」
バチ子はボヤきつつ、若い男が落としたAR15を拾う。ロアレシーバー左側面の刻印を見ると、そこには馬が前足を跳ねさせているようなロゴマークと、COLT AR15の文字が踊っていた。AUTO刻印とフルオート・シアーも確認できた。1986年以前に製造されたモデルであることは間違いなく、男が納税し合法的にフルオート・マシンガンを手に入れている現実に身を震わせた。
試しにセレクターをAUTOの位置に合わせて30発発砲してみたが、問題なく作動した。多くの乗客が凶弾に倒れた。
5分後、報を受けた運営委員会によりバチバチシューティングコンペ2019令和は中止となり、日本国家は冥王星人(通称ラムダ)の襲来を受け主要都市が壊滅に追い込まれることとなる。
ラムダの侵略は留まることを知らず、やがて世界中の国を巻き込んだ全面核戦争へと突入していく。
混沌の末に人類が導き出す答えとは?全地球市民よ、この物語に震撼せよ。
バチ子が選んだのはアメリカの田舎に引きこもり、ブラックライフルを組んではレンジでプリンキングしまくる毎日だった。今は毎日が楽しい。明日はエアロ・プレシジョンのロアレシーバーが自宅に届く予定だ。
この日のためにダニエルディフェンスRIS2 9.5インチを組み込んだ、コルト製アッパーレシーバーを用意してある。もちろん、米軍特殊部隊仕様のM4カービンを再現するつもりだ。
バチ子のAR15ライフはまだまだこれからだぜ。 完