4 「ウサギとカメのリレー歌と小さな劇」
「・・・・・へえ、あらそうなの・・・・」
アンダーは残念そうにドングリ池の中でで他の妖精達の言うことを聞いていました。
虹の妖精も根っこ広場の妖精も何も知らないようなのです。
(レインになんて言おうかしら・・・まさかこの森、誰も逆さの虹の森音楽会の謎の手がかりを知らないなんて・・・・思わなかった・・・)
☆★☆★
今は、四番、「ウットとローリーのリレー歌」まで来ました。アンダーが紹介した後、このドングリ池で妖精たちがどうだったか、聞いています。
(正直に言わないと、ここは・・・・)
「分かった・・・みんなありがと」
アンダーはそう妖精たちに行って、池から出ました。
「どうだった??」
出た後、コマドリのレインがすぐに言ってきました。やっぱりレインはとっても気になっているようです。
「・・・・・・・分かんないって・・・・誰も」
「え?!」
(うそだよね?うそでしょ?アンダー、お願いだから『ウソ』って言って)
レインは信じられませんでした。
「虹の妖精も?」
「うん」
「赤と青と黄色と緑と紫と黄緑とピンクと水色と赤紫とだいだいいろの子、みんな?」
「うん、この音楽会があること知らなかったって」
「じゃあ、根っこ広場の妖精は?」
「うん」
「みんな?みんな言ってたの?」
「・・・・いや、みんなではないけどリーダー、ニーキが知らないことはみんなも知らないの」
「え?・・・・」
(じゃあ、どうすればいいの?なんにも手がかりがないじゃない・・・・・)
アンダーは丸太広場のステージの方をちらっと見て、レインに言いました。
「私はあの二人のリレー歌が見たいから、行くね」
「うん・・・・・・・」
レインはその後、「はあ」とため息をついて、たった一人でドングリ池にくっきりと見える、自分をじっと
見ました・・・。
♪♬♪♬♪♬♪
そのころ、ウットとローリはさっそく歌い始めました。
「♪さあさ さあさ 始まるよ たあのおしっ、い リレー リレー 歌が 始まるよ
ウサギの ウット 頑張って 走った 走った とっとと
一方 カメのローリーは ノーロノロ ノーロノロ 歩く♪」
ウサギのウット、カメのローリーは、とっても仲良しの友達です。ただ、ウットはオス、ローリーはメスで
した。レザーとシャンのように同じオスではありませんでした。
それに、ウットは怖さ森、ローリーはドングリ池の近くに住んでいます。別々でもやっぱり仲良しでした。
「♪ウサギ達は やった やった 頑張れウット 耳を立てて ウットを 見る
一方 カメ達は やっ・・・た やっ・・・た やっぱり ノロノロ 声援で
ウット 楽勝だ おっと おっと 油断で あらま 休んだよ
ウサギ達は びっくりぎょうてん 起こしたいけど 太陽出てきた♪」
ウットとローリーはいつもみんなが見たくなるようなことを毎年していました。
アンダーもレインをほっといて、見たくなるくらいですから。
※
レインも毎年見ていましたが、今はそんなものを見る気はありませんでした。
「レイン?レイン?レイン?!レイン!そこにいたんだ、近いとこにいたんだ・・」
「イー?それにクリも?」
レインは振り返らないで、ドングリ池に見える、イーとクリを見て言いました。
「レイン、探したんだよ。そんなとこでどうしたの?」とクリ。
「そうだよお、今ウットとローリーがリレー歌、歌ってるんだよ。おもしろいから、見よう?」とイー。
「ごめんなさい、あたしそれを見る気はないの」
レインは振り返って、イーとクリの顔を見て言いました。
「どうして?」
「そう。だっていっつもレイン、楽しみにしてたじゃん、初めて来たときからずっと」
レインは今日二回目のため息をついて、教えてあげました。
「だって、なんで今年は逆さの虹の森音楽会が開かれなかったのかとか、逆さの虹の森音楽会の謎が分からないのよ」
「「ええ?」」
クリとイーの声が重なりました。
「じゃあ、誰が開いてるんか、分からないの?」とクリ。
「じゃあ、だれが開いてるの?妖精じゃないのなら、神様??」とイー。
「それに・・・・・・・キュウの頭に音楽会に出る動物のリストがあったから、良かったけれど、もしかしたら、来年になったらそれもなくなるかもしれないわ・・・」
「「ええ・・・・・」」
クリとイーとレイン。この三匹は気持ちが暗くなって、がっかりしました。
丸太広場ではウットとローリーが歌を終えて、小さい劇「ウットとローリーの競争」ということをしていましたが、三匹はそれに気が付かないで、黙ってしまいました・・・・。