『ぞうきんがけ選手権。』
「よーい、ドン!」
タッタッタッタタタタタ、、、
ヽ(・、 .)ノコケッ
「もぉ、またここや~」
「なかなか、いっぺんに
端っこまで行けへんな~」
「ああ、そこに節目があるやろ~」
「雑巾が引っかかるんやわー」
「おかあちゃんも、そこで
よくコケてたわ~」
「へぇ~、おかあちゃんもー」
へぇ~(*´∇`)(笑)
お玄関は、お客さん用で
家のもんは裏から出入りするんが
当たり前、
裏とは言っても
ちゃんとした裏口があるわけやなくて
縁側にサンダルが置いてあるくらいの
簡単な出入り口
その縁側を毎朝、
雑巾がけするんが
ウチの仕事だった、
ぐるっと母屋を囲う、
てかてかと黒光りした
縁側を裸足でダッシュしてると
”風になったみたい~”
だけど、
じょうずに風になるには
いろんな条件が重ならなくては
いけない。
雑巾は タオルやなくて
手拭いの古いのを
何枚も積み重ねて
木綿糸で婆ちゃんが縫ったやつ
雑巾のしぼり方のコツは、
おおかしぼり過ぎると
すべりが悪くなって
びしょびしょでも、
これもまたあかんで、
微妙な加減があった、
あとは、
ぞうきんに触れる手の置き方と、
床の摩擦力を上手に増幅できると
気持ちよー
風に乗れたんやで~
もしなー、
もしも、
あん時、
”縁側、雑巾がけ選手権”があったら
(*´∇`)ウチ
1等賞まちがいなしやったと思うわ~
(笑)
「ほらほら、汚れたぞうきんで、
いつまでも拭いてちゃあかんがな、」
「はあい(笑)」
ばあちゃんが
洗った
ぞうきんをキュッとしぼる
「ポ~ン♪」っと
放物線を描きながら
ぞうきんが飛んでくる。
飛んでくるぞうきんの向こうに
ばあちゃんが笑う
笑ったばあちゃんの向こうに
真っ青な夏の空
夏の空、見上げてますか?