第3話 魔法適性
はぁ、なんとか書けた。
ブックマークと評価ありがとうございます。なんとか期待に応えて、頑張りました。
急いで書いたので、どうも雑さが目立つかもしれませんが、ご容赦ください。
あとで、ちょくちょく訂正するかもです。
誤字脱字がありましたら、ご指摘お願いします。
では、お楽しみいただければ幸いです。
「ではみんな準備ができたら早速魔法適性を調べにいこと思う。私は少しばかり準備がいるから、先に廊下に出て待っていてくれ。」
周りの生徒たちは次々と立ち上がって先生の指示に従い廊下に出て行く。
「じゃあ、俺たちも行こうか。」
「そうねぇ。」
俺とセシルも立ち上がり、廊下向かう
すると、俺たちに向かって近づくレノともう一人、身長の高い少年が目に入った。
「ハイン!」
「どうしたレノ?」
「ハインって、レガルド家の人だったんだね!!」
「うん、まあ。」
レノ、その尊敬の眼差しやめてくれ……俺魔法苦手だよ。
「こちらは?」
「ああセシル、こいつはレノ。さっき、知り合った仲なんだ。」
「えっと、レノ・ブレイズです。よろしく!」
「こちらこそ。」
「レノ、この子は俺の幼馴染のセシルっていう。」
「セシル・パトリムです。よろしく。」
「うん!」
俺はレノの隣の少年を見る。俺より、一回り大きいな。
「えっと、こっちの彼は?」
「この子は、アレク。さっき、席が隣で仲良くなったんだ。」
「さっきレノが紹介してくれたが、俺はアレク・ランドスロンだ。よろしく。」
そう言って、アレクは俺に手を差し出してきたので、俺も手を出し握手する。
「ああ、俺はハイン・レガルドっていう。よろしく。」
「君がレガルド家の人か。君の一族には親父の会社がお世話になってる。」
「もしかしてだけど、君って"あの"ランドスロン?」
「まあ、親父が経営してる会社を言っているのならそうだな。」
「そうなのか! いや俺の方こそ、うちの親族がそちらの会社にはお世話になってるよ。」
ランドスロンっていうのは、アルメシア王国有数の建築系の大企業の名前だ。土属性の優れた魔法使いが数多くいて、この国の建築業を支えているといっていいほどの規模でもある。
最近建築された、王族が使う離宮の建造にも大きく貢献されたと言われている凄いところなのだ。
アレクのお父さんである、アルベルト・ランドスロンはこのランドスロンという企業の社長である。その経営手腕をさながら、国内で一二を争う土属性の使い手とも言われている超エリートなのだ。
その息子に関わり会えるとは運がいい。よくやったレノ!
ちなみに、我がレガルド家で土属性の適性が高い人は結構この企業に就職してるので、まあ繋がりはある。
俺たちが自己紹介をしていると、マイル先生が教室から出てきた。
「よし、みんな廊下に出たか? いるようだな。それでは、私にみんな付いてきてくれたまえ。これから早速魔法適性を調べに行くぞ。」
俺達は先生に案内されて、適性を調べに向かう。
「やっぱり、ランドスロンは土属性の適性が高いのか?」
ちょっと気になる。あのランドスロンだからな。
「ああ、アレクでいいぞ。そうだな、前に検査した時はなかなか高いって言われたが、あんまり細かい適性までは見れなかったから今回のを楽しみにしているというのが本音だ。ハインは自分の適性とかわかってるのか?」
「ん~、よくわからないかな。」
実際は属性魔法がほとんど使えないというのはわかっているが……
「レノはどうなんだ?」
「僕は火属性が高いと思うよ。母さんが火属性得意だからね。」
「そうなのか。セシルはやっぱり光属性?」
「そうだねぇ~、私の家系は光属性が基本的に得意だからそうじゃないかしらぁ。」
「そういえば、セシルさんは回復が得意って言ってたよね。」
「ええ、一応使えるってレベルだけどぉね。」
確かにレノの言う通り、実際に見たことはないがセシルは回復が使えるらしい。
魔法の適性というのは基本的に遺伝する。
俺は詳しくはよく知らないがどこかで、人間の体内の魔素を生み出す器官が生成する、魔素の傾向が家族で似てくると聞いたことがある。
そのため、一族で使える魔法は同じになることが多い。特に親からの影響を受けることが一般的だと言われている。
ランドスロン家は土属性、パトリム家は光属性で有名というがその一例だ。
ちなみに、俺の一族であるレガルド家は初代が超優秀で全ての適性が高かったので、個人差はあるが大抵全ての属性が高い傾向にある。特に基本の火、水、風、土は高いとされる。
それなのに、俺は基本の4属性が使えない。特に攻撃系は皆無だ。
基本の4属性の他にも光と闇はあるが、これは普通適性が低く、家族の中にも光と闇が一番得意という人はいないのであまり期待していない。
光属性が得意というのはパトリム家とかがレアなだけだ。
ああもう、俺は無属性の魔法矢のプロフェッショナルになるしかないのだろうか?
そんなことを考えていると、集団がとある教室の前で止まった。
「では、みんな四列になってくれ給え。列ができたら、それぞれあの検査官の方がいるところまで行って指示に従いなさい。終わったら、この部屋を出て廊下で待つのだ。」
そう言われてみんながどんどん列になっていく。
俺たちもそれぞれ別々の列に並び自分の順番を待つ。
十数分経って、自分の番になった。
「では次のかた、水晶のところまで近づいてください。」
俺は呼ばれたので指示通りに目の前にある水晶の元まで行く。
どうもこれが診断機らしい。水晶は台座に乗っていて何やら変なコードが伸び検査官の目の前にある機械につながっていた。
「では、この水晶の上に手を載せて魔力を流してください。」
俺は言われた通りに水晶の上に手を載せて魔力を流す。
「はい、大丈夫ですよ。ありがとうございます。」
しばらくして、検査官の人に結果の紙を渡されて俺は検査の部屋の外に出た。
「……これマジですか。」
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
《魔法適性診断結果》
名前 ハイン・レガルド
火属性 : 総合評価 2
下位
- 火魔法 : 3
上位
- 灼熱魔法 : 1
- 爆破魔法 : 1
--------------------------------------------------
水属性 : 総合評価 0
下位
- 水魔法 : 0
上位
- 冷却魔法 : 0
--------------------------------------------------
風属性 : 総合評価 19
下位
風魔法 : 2
上位
支援魔法 : 32
雷撃魔法 : 0
--------------------------------------------------
土属性 : 総合評価 1
下位
土魔法 : 1
上位
生命魔法 : 1
物質魔法 : 0
--------------------------------------------------
光属性 : 総合評価 : 1
下位
光魔法 : 1
上位
回復魔法 : 0
神聖魔法 : 0
--------------------------------------------------
闇属性 : 総合評価 60
下位
闇魔法 : 12
上位
呪魔法 : 100
暗黒魔法 : 16
召喚魔法 : 2
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
適性というのは0~100で表示される。
平均的な適性の数値は30~50前後と言われていて、まあこの辺りならその魔法が使えると言える。
20以下は殆ど才能なしだ。初歩の魔法がギリギリ使えるぐらい。
もっとも基本的で簡単な攻撃魔法とされるボール系でさえ適性10がいると言われているのだからこの結果は散々たるものだと言える。
逆に俗に才能があると言われるのは70~100ぐらいだ。この適性の数値があればこの魔法を使って仕事ができると言われる。
大抵みんな二つ三つは得意なのがあってそっから自分の学ぶ魔法を決めるというのに
それなのに、なにこれ。
予想はしてたけど低くね。
水属性とか総合評価も0じゃん。本当にあれ汗だったのかよ……
唯一、闇魔法がすごくいい。でも、呪魔法以外が平均以下だが。
支援魔法もこの中ではいいが、別に凄いってわけではないな。
魔法使いを目指してない人でも基本4属性が使えないとか聞いたことがない。
これはレガルド家の歴代の適性で断トツビリとかではないのだろうか……
本当になんだこれ……
周りのクラスメイト達は診断が終わると、それぞれ集まって自分の評価を見せ合っていた。
「どんなのだった?」
かくいう俺の元にもレノ、セシルとアレクが一緒に近づいて来ていたが、あまりの結果に呆然としていた俺はみんなに気付かず紙を握って固まっていた。
「ねぇ、ハイン!ねぇってば! どうしたの?そんな固まって?」
「はっ! レノか。セシルにアレクも。どうしたんだ?」
「ハインの結果どうなったのか気になってさ。」
「ああ、えっと……。まあ……その……。」
「俺もレガルド家がどんな感じなのか気になるな。」
「私もハインの結果が気になるわぁ。」
みんなが俺の結果を見たがっている。
うーん。
「わかった。こんな感じだ。」
俺は覚悟を決めてみんなに向かって自分の結果を突き出す。
「……えっ?」
すると、俺の結果を覗き込んできたレノが、驚いた顔をして俺の顔を見る
「あらまあ」
セシルは口元に手を当てて驚く。
「そうか、残念だったな。」
アレクは俺の肩に手を載せて俺を慰めてくれた。
「まあ俺、もともと魔法の才能があんまりなかったってわかってたんだ。だからいいよ。」
「でも、呪魔法はすごくいいじゃないか。」
「そうよぉ。100よ! 凄いじゃない! ハイン!」
「まあ、そうだけどさ。」
アレクとセシルが俺にフォローしてくれる。できた奴らだな。
しかし、レノは俺の結果を見た後下を見たまま何も喋っていない。
……やっぱり、落胆するよな。こいつ俺になんか凄い尊敬の眼差しみたいの向けてたもん。
「…ハ…い…よ」
「どうした?」
「ハイン! 凄いよ!! 適性100とかもの凄いよ!歴史上の人物ぐらいだよ!! 凄いよ!さすがハインだよ!」
「落ち着けって。」
「だってさ! こんな友達が出来るなんて落ち着いてなんかいられないよ! 僕凄い嬉しいよ!」
レノは興奮した口調で俺を絶賛してくれた。
こいつ最初は合わないかもって思ったけど、なかなかいい奴だよな。
「はぁ、はぁ、はぁ」
興奮し過ぎて、息切れてるし。まあ、嬉しいよな。
「ありがとうな。元気でたよ。」
「どういたしまして!」
ちなみに後で見せて貰った他のみんなの適性はこうだった。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
《魔法適性診断結果》
名前 レノ・ブレイズ
火属性 : 総合評価 83
下位
- 火魔法 : 72
上位
- 灼熱魔法 : 95
- 爆破魔法 : 64
--------------------------------------------------
水属性 : 総合評価 18
下位
- 水魔法 : 23
上位
- 冷却魔法 : 16
--------------------------------------------------
風属性 : 総合評価 39
下位
風魔法 : 47
上位
支援魔法 : 32
雷撃魔法 : 38
--------------------------------------------------
土属性 : 総合評価 27
下位
土魔法 : 37
上位
生命魔法 : 18
物質魔法 : 22
--------------------------------------------------
光属性 : 総合評価 : 10
下位
光魔法 : 6
上位
回復魔法 : 8
神聖魔法 : 7
--------------------------------------------------
闇属性 : 総合評価 25
下位
闇魔法 : 34
上位
呪魔法 : 21
暗黒魔法 : 18
召喚魔法 : 27
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
《魔法適性診断結果》
名前 セシル・パトリム
火属性 : 総合評価 53
下位
- 火魔法 : 38
上位
- 灼熱魔法 : 48
- 爆破魔法 : 64
--------------------------------------------------
水属性 : 総合評価 31
下位
- 水魔法 : 47
上位
- 冷却魔法 : 23
--------------------------------------------------
風属性 : 総合評価 49
下位
風魔法 : 38
上位
支援魔法 : 50
雷撃魔法 : 36
--------------------------------------------------
土属性 : 総合評価 28
下位
土魔法 : 23
上位
生命魔法 : 17
物質魔法 : 39
--------------------------------------------------
光属性 : 総合評価 : 85
下位
光魔法 : 76
上位
回復魔法 : 95
神聖魔法 : 78
--------------------------------------------------
闇属性 : 総合評価 20
下位
闇魔法 : 17
上位
呪魔法 : 7
暗黒魔法 : 11
召喚魔法 : 28
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
《魔法適性診断結果》
名前 アレク・ランドスロン
火属性 : 総合評価 39
下位
- 火魔法 : 29
上位
- 灼熱魔法 : 42
- 爆破魔法 : 10
--------------------------------------------------
水属性 : 総合評価 56
下位
- 水魔法 : 66
上位
- 冷却魔法 : 34
--------------------------------------------------
風属性 : 総合評価 38
下位
風魔法 : 49
上位
支援魔法 : 26
雷撃魔法 : 24
--------------------------------------------------
土属性 : 総合評価 73
下位
土魔法 : 92
上位
生命魔法 : 63
物質魔法 : 87
--------------------------------------------------
光属性 : 総合評価 : 40
下位
光魔法 : 38
上位
回復魔法 : 22
神聖魔法 : 17
--------------------------------------------------
闇属性 : 総合評価 27
下位
闇魔法 : 18
上位
呪魔法 : 26
暗黒魔法 : 35
召喚魔法 : 12
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
……というか、こいつら化け物じゃね?70近い値何個あるのさ。
俺、なんか凄い奴らと仲良くなってるんじゃね?
「結果が出た者は、一旦こっちに集まってくれたまえ。明日提出してもらう体験授業の選択用紙を渡す。」
クラスの連中がマイル先生のところに向かう。
「俺たちも行こう。」
「そうだね。」
俺たちもクラスメイトの後を追った。
☆☆☆☆☆☆☆
提出用の紙を貰った後、俺たちはみんなで再度入学式を行った会場に向かった。
ここで何かするらしい。
クラスごとに椅子に座らせられ、何が起こるのかを待つ。
「では、これからそれぞれの授業の担当の先生が前でどんな授業をするのかを説明するので、自分が受けたい講義がどんななのかしっかりと聞いてくれ給え。」
そう言って、マイル先生はどこかに行ってしまった。
この説明はきっと、どの授業を受けるのがいいのかを考えられるようにしてくれているのだろう。
しばらくすると、アナウンスが入り授業の説明が始まる。
ステージの上には赤茶色い髪のショートカットの女性が上がりマイクに向かって話し始めた。
「ではみなさん、魔法適性はどうでしたか?
自分の得意な魔法はわかったでしょうか?
私は火属性の講座を担当するカリナ・タウロスです。まず、はじめに私からはこの授業説明会の趣旨と流れを説明させていただきます」
そう言って、先生は話し始めた。
内容はこんな感じだった。
この説明会は明日提出する体験選択授業の参考にするために行う。
そしてこの説明会が終わった後、選択授業の属性魔法講義の中で第一魔法と第二魔法を選んでおくように言われた。
どうも、よく聞くと選択する属性魔法の講義は二種類受けられるらしく、この第一第二は試験の成績の配分が違うらしい。
第一は得意な魔法を基本的に選ぶ。そのため成績の配分は高い。
一方、第二は二つ得意な属性がない子にも配慮して割合は低めとなるらしい。
非常に合理的な授業体制である。
魔法使いになる以上、メインとサブという属性魔法の考え方は一般的だ。一つの魔法知識だけよりも、もう一つ使えるものがあると複合魔術や、戦術の幅など使えるものが増える。そちらの方が就職とかに有利だしな。
それにそういうこと抜きにしてもこの学院の授業というだけで価値もあるし、何より魔法の授業は面白そうなのでなるべく多く受けたいとも思う。
ちなみに複合魔術というのは、二つ以上の魔術を同時に発現させることで相乗効果を生み出す魔法だ。その組み合わせは多岐にわたり、現在の魔法学の最先端技術と言っても過言ではないだろう。内容は高学年になると習えるらしいが今の段階ではまずできないだろう。
まあそもそも習う権利が得られても、俺は適性が低すぎてこれを使えないのだが……
そのほかには、魔法の講座以外は選択は色々あるので色々挑戦しようと言われた。
例えば、将来腕っぷしで稼ごうと思ってるやつように冒険者講座、貴族の跡継ぎや政府の官僚を目指すもの向けの政治学、数学などの教養の気が強い講座など様々な選択肢があるらしい。
そうやって、最初の導入が終わると、それぞれの授業の担当の先生が上がっては下り、順々に入れ替わって説明会は進行していった。
属性魔法の時はそれぞれの先生が魔法を実際に使ってどういう風な使い方があったりするのかや授業がどのようなことをやるのかを説明してくれた。
最初の一年は、下級魔法を中心に習うっぽい。
俺は使えないが……。上級になるまで頑張ろう。
ちなみに、闇魔法はマイル先生が説明してた。個人的に授業以外で呪魔法について習うのがいいかもしれない。
こうして、一時間半近くかかった説明は終わり俺たち生徒は寮に向かうことになった。
分割しました