プロローグ
体が楽になった。さっきまではひどく寒かったのに・・・・・・。
あいつは無事なのか?痛みで周りが見えなかったからな。
あれ・・・・・・・・・・・・?
『あいつ』って・・・誰だっけ?
僕は何で寒かったんだ?身体中が痛んだのはどうして?あの時何をしていた・・・?
・・・・・・あの時って、いつだよ?
僕は・・・・・・・・・・・・誰だ?
* * * *
僕が目を開いたのはベッドの上だった。カーテンで囲われているせいで周りの様子が分からない。
僕が寝ているベッドの横にはサイドテーブルがあって、その下には冷蔵庫が収まっていた。
「・・・病室?」
体を起こして周りをよく見てみる。
さっきまでは見えなかったサイドテーブルの上にはイヤホンが挿してある小型テレビが置いてあった。
当然電源は消えていて、真っ黒な画面には痩せた人影がぼんやりと写りこんでいる。
「これが、僕・・・?」
顔立ちまでは分からないが、水色の薄い患者衣を着た黒髪の男。
さっきから顔がくすぐったいと思ったら、伸びた前髪がまぶたにかかっているからか。
「!」
僕が、カーテンの向こうからコツ、コツという足音を聞いたのはその時だった。
ガラガラ、という音が響き(多分、横開きの扉を開けた音)、ややあってカーテンが静かに開けられた。
「あ・・・」
驚いたように小さく漏れ出たその声は落ち着いた印象を受けるが、まだ幼さを残している。
腰まである黒い髪は、ヘアスタイルではなく単純な伸ばしっぱなしに見えた。
「ハルキ・・・!」
「・・・・・・ハルキ?」
その少女は僕を『ハルキ』と呼んだ。
「自分の名前。忘れたの?」
「さっぱり」
「そう・・・。その可能性があるとは聞いていたけれど・・・」
少女の表情が苦々しいものに変わる。
もしかして、僕のことを知っているんだろうか?
少女はしばらく苦い顔ををしていたが、やがてふわりと微笑んだ。
「私はレオ。本条、レオ。あなたは本条ハルキ」
「レオ・・・?」
「妹よ。『はじめまして』」
はじめまして、マガヤと申します
昔から空想が好きで、よく脳内でストーリーを作って遊んでいたのですが、それを書いてみたらおもしろそう、と始めてみたこの企画。
はい、プロローグと言い訳していますが、めっさ短いですね。このままで大丈夫なのか?
本編はちゃんと続けます、多分