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魔法使いと夢と夢魔  作者: 高町 楠葉
第一章 魔法使いの息子
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二十六話 人の気持ちを勝手に決めるのはよくないと思います

三女登場のフラグを立てつつも一波乱ありそうです。

 夢を見た。

 昨日と同じ、後悔の夢。

 何処までも深く、暗く、悲しい、懺悔の夢だ。


「もう、目覚めてしまう……」


 夢の主がそう呟くと頬を何かが伝った。

 それはもう涙と呼べるかどうかさえわからない。

 感情という感情が全て溢れか出してしまった何かだ。


マスター、教えてください……私はどうすればいいんですか?」


――え……?


「歩夢さんからマスターを奪ってしまった私が……私……」


――この夢、まさか……?


 『あゆむ』『マスター』『奪ってしまった』

 これらの単語を繋ぎ合わせ、歩夢は答えを導いていく。

 まず『あゆむ』と『マスター』の二つ。これは十中八九、自分と契約者マスターの事だろう。

 そして自分から契約者マスターを『奪ってしまった』という言葉の意味。

 それはつまり自分から先代のマスター、つまり母を死なせてしまったという意味で解釈出来る。

 シエルは『後悔をしてないと言ったら嘘になる』とは言っていたが自分と話していた限りではここまで落ち込んでる様子ではなかった。

 メアはそもそも一人称からして違う。

 だとすればこれは……まだ会ったことのない三女、フィユの夢という可能性が高いという事になる。


――『優夢様が亡くなったことにあの子とメアは責任を感じているんです……』


 シエルの言葉を思い出す。

 責任を感じている、とは言っていたがまさかここまで負い目に思っているとは想像していなかった。


マスター……私どうしたら……!」





 不快な目覚めだった。

 体の中に不純物を流し込まれ混ぜっ返されたような、そんな不快な気分。


「人の気持ちを勝手に決めやがって……」


 そう、これは怒りだ。

 彼女の事を想ってくれている人の事を裏切るような自責の念に対する怒り。

 シエルではないが母がいなかった事が悲しくないと言えば確かに嘘になる。

 しかし、だからといって彼女を……『フィユ』を怨むなんてお門違いだ。

 母は他の誰でもない自分の意思で彼女達を使い魔として生かす道を選んだ。

 それなのに彼女はその事を後悔し続けている。

 自分はそれが許せなかった。


「はぁ、顔でも洗うか……」


 しかし、まあ、今ここでカリカリしても仕方がない。

 いつもより起きるのが少し早いが二度寝をしたら寒さも手伝って起きれない気がする。

 歩夢はタンスの中から手早く着替えを取り出すと洗面所に向かった。

 ……そこに八神がいるとは知りもせずに。

これからも短めの話をこまめに更新しようと思ってます(長く間が空くと放置しそうで怖いので)。


では、楠葉でした。

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